テンプル騎士団が核心である(EJ第1845号)
5月25日に映画『ダヴィンチ・コード』を鑑賞したのです。平日の午後3時という
時間帯であったにもかかわらず、満員の盛況でした。原作の人気を反映していると思い
ます。
映画の内容はかなり難解であるといえます。原作を読まないで行けばほとんどわから
ないでしょうし、原作を読んで観に行ってもよくわからない部分が残ると思います。
この映画のキーワードは秘密結社――テンプル騎士団、シオン修道会、オプス・デイ
――これら3つの秘密結社のそれぞれの関係がかなり複雑であって、映画を一回見ただ
けでは、すんなり納得できないと思うのです。それにマクダラのマリアのミステリーが
からんできます。
今回EJのテーマでは、秘密結社――なかでもフリーメーソンについて探求していき
ますが、それは「ダヴィンチ・コード」の謎にも直結する問題でもあるのです。映画で
は、「フリーメーソン」という言葉はラングドンのセリフとして確か1回だけ出てくる
だけですが、この映画とフリーメーソンは、深く密接な関係があるのです。しかし、映
画ではそれが意識的に隠されています。
謎を解く鍵はテンプル騎士団にあります。彼らは「異端」の疑いで逮捕されています
。本当の意味で根も葉もないことではなく必ずしもフィリップ4世のでっち上げでもな
いのです。そうでなければ、いかにフィリップ4世といえども、周辺諸国に対して、同
様にテンプル騎士団を捕えるべしと同調を呼びかけることはできなかったはずです。
事実、フィリップ4世の呼びかけに同調したイングランドでは異端審問所においてテ
ンプル騎士団の団員を調べています。そして何人かの団員から、次の証言を引き出して
いるのです。
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1311年6月、イングランド異端審問所は、とある騎士団
員から、「入団の際にイエスは人であって、神ではないと告げ
られた」という興味深い情報を引き出した。
また他の団員は、ジャック・ド・モレーが「イエスは人に過
ぎず、全能の神は天と地を作られた偉大なる建築家であり、十
字架に架けられたりはしていない」と述べていたと証言した。
この証言は多くの専門家を驚かせた。
――クリストファー・ナイト/ロバート・ロマス著/
松田和也訳、『封印のイエス/「ヒラムの鍵」が解く
キリストのミステリー』
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このように、テンプル騎士団はイエス・キリストの神性に関しては急進的な考え方を
持っており、それがマクダラのマリアの話にもつながってくるのです。しかし、彼らは
徹頭徹尾、敬虔なるカトリック教徒だったのです。彼らが有していた特別の知識や秘密
の儀式はキリスト教の信仰を補完するものだったのです。しかし、彼らはそのように、
身も心も捧げてきた教会と教皇に裏切られたことになるのです。
映画『ダヴィンチ・コード』には、興味深い場所がいくつも出てきます。その1つは
、秘密の謎を解くために、ラングドンとソフィーは英国に行き、最初に訪れれたテンプ
ル教会です。
法曹関係の施設が密集するフリート街から少し入ったところにそれはあります。これ
はテンプル騎士団によって1185年に献堂された最初で最大の教会です。
9人の騎士の彫像があるロンドンに唯一残る円形の教会であり地下鉄のテンプル駅の
すぐ近くなのに、都心の喧騒から隔絶された静寂さが漂う場所として知られています。
それから、スコットランドの首都、エディンバラの南11キロにあるロスリン礼拝堂
――実はこれこそ多くの学者が議論の対象としている場所であり、「暗号の大聖堂」、
「石のタペストリ」「石の庭園」などと呼ばれるスコットランドの名所なのです。
ここは、テンプル騎士団、薔薇十字団、聖杯伝説、フリーメーソンなどなど、そうい
う謎が一番詰まった場所であるともいうことができます。このロスリン礼拝堂について
は、後で詳しく取り上げることになります。
さて、ダン・ブラウンの「ダヴインチ・コード」の種本になっているのは、次の2つ
の本です。
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マイケル・ベイジェント/リチャード・リー/
ヘンリー・リンカーン著/林和彦訳/柏書房刊
『レンヌ・ル・シャトーの謎/イエスの血脈と聖杯伝説』
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リン・ピクネット/クライブ・プリンス著/林和彦訳
『マクダラとヨハネのミステリー/2つの顔を持ったイエス』
三交社刊
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とくに『レンヌ・ル・シャトーの謎』は重要ですが、次のような内容です。
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マグダラのマリアは娼婦であり、罪深い女とされているが、実
はそれはカトリック教会の陰謀なのだという。実は彼女はキリ
ストと結婚していて、その子どもを宿し、フランスに逃れてき
たというのである。そしてフランスのメロディンガ王朝は彼女
の子孫の血脈であるという。その血脈はシオン修道院という。
テンプル騎士団と密接につながっている秘密結社に受け継がれ
た。聖杯というのも、その聖なる血のことだという。
――海野 弘著、『秘密結社の世界史』/平凡新書/315
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映画に登場する謎の宗教史学者、リー・ティーピングは、『レンヌ・ル・シャトーの
謎』の著者、リーとベイジェントをもじった綴り変えなのです。彼は物語のスフィンク
スであり、謎に満ちていて、いわば物語のエンジンの働きをしている存在です。イアン
・マッケランが演じています。 ・・・[秘密結社の謎を探る/19]
≪画像および関連情報≫
・悪魔には問題があるが、神にもついても疑問はある
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カトリック教会は1885年、レンヌ・ル・シャトー管区に
33歳の、ハンサムで、教養あるソニエールを任命した。ベ
ランジェ・ソニエールは6世紀西ゴート族の聖地の上に建つ
街の小さな教会を修繕し始めた。村の教会は1059年にマ
グダラのマリアに献堂されたものであり、その改修中に彼は
(推測ではあるが)秘密の羊皮紙を、祭壇に隠された西ゴー
トの柱の中の穴から発見した。
http://www.voynich.com/rennes/
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ソニエール――この名前は、ルーヴル美術館長、ジャック・
ソニエールとして使われています。