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2006年10月02日

異常さに気づいていながらなぜか黙認(EJ第1480号)

 前回のEJで述べたように、モハメド・アタ、マルワン・アルシェヒ、ジアド・ジャ
ラの3人は、ドイツのハンブルグ市内の大学の卒業生であり、ヨーロッパでの生活が長
かったことことにより、英語もかなり話すことができたのです。したがって、この3人
は比較的スムーズに飛行免許を取得できたといえます。
 しかし、C機――アメリカン航空77便に乗ったとみられるハニ・ハンジェルは言葉
の面で相当手こずったようです。なお、航空免許を取ろうとしたのは、アタ、アルシェ
ヒ、ジャラ、ハンジェルの4人だけではないのですが、この4人以外の者は結果として
誰も飛行免許は取得できていないのです。
 ハニ・ハンジェルは、2001年のはじめにアリゾナのフェニックスにある「パンナ
ム航空学校」で飛行訓練を受けています。しかし、彼の英語能力はお粗末であり、パイ
ロットとして最低限必要である管制官との会話もロクにできなかったといいます。
 しかも、ハンジェルの希望したコースは、ボーイング737の訓練だったのです。こ
のコースは、既に小型のパイロット資格を持っていることが条件となるのですが、彼は
その免許を持っていると主張し、関係書類を持参しています。
 小型機でも管制官とのやり取りは不可欠であり、それでも彼が資格を持っていること
に疑問を抱いた教官はFAA(米航空宇宙局)と連絡を取り、彼の資格が有効なものか
どうか調査を依頼したのです。
 これを受けてFAAは審査官を送り込んでハンジェルの免許を調べた結果、問題がな
いことが判明しています。しかし、彼の免許は、何ヶ所もの航空学校で奮闘を重ねた結
果1999年にアリゾナ州スカッツデールの航空学校で取得したものであり、そのとき
の審査官がアラブ系米国人であったという幸運に恵まれたものであったことがわかった
のです。
 ハニ・ハンジェルの飛行免許の件だけでなく、アリゾナ州の他の航空学校でもアラブ
人たちがしきりとボーイング級の飛行機の操縦を習う動きが多発している――この動き
に不審の念を抱いたのは、アリゾナ州フェニックスのFBI捜査官ケネス・ウイリアム
ズ氏です。
 彼は、飛行訓練を受けているアラブ系外国人のリストを付けてそのことを覚書として
次のように書いて、ワシントン本部に送っています。その覚書はあとで「フェニックス
・メモ」として有名になります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
       オサマ・ビンラディンの信奉者が米国を攻撃するために航空
       学校で訓練を受けている可能性がある。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 しかし、その覚書に関心を示すワシントンのFBI高官は皆無であったといいます。
もっとも覚書に添付され、送付されてきた
 飛行訓練受講者の名簿の中には、9.11の実行犯19名の名前はなかったのですが
…。しかし、このことは、非常に多くのアラブ人が飛行免許を取得しようとしていたこ
とを明確に示す証拠といえます。
 この明らかに異様な動きに対して政府も、FBI高官も、そしてCIAまでも、何の
動きも見せていないのです。おかしいとは思いませんか。航空学校の授業料は相当高額
であり、それに加えて米国での長期にわたる滞在費もかかるのです。普通のアラブ人が
容易に払える金額ではなく、明らかにどこかの組織から資金が拠出されていたと考えら
れるのです。
 ハニ・ハンジェルが搭乗したのはC機――アメリカン航空77便です。実はこの飛行
機には次の2人のサウジアラビア人も一緒に乗っていたのですが、この2人はそのとき
FBIから国際手配されていたのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
               ハリド・アルミダル
               ナワフ・アルハズミ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 この2人の容疑は2000年10月にイエメン南部のアデンで起こった米駆逐艦「コ
ール」の爆破テロに関与したというものです。爆発物225キロを積んだ小型船が駆逐
艦「コール」に激突し、米兵17名が死亡した事件です。
 1999年12月に、CIAはイエメンの電話を傍受し、1月にクアラルンプールに
おいてアルカイダ幹部会議が開かれることそしてその会議に上記の2人――ハリド・ア
ルミダルとナワフ・アルハズミが出席することを突き止めたのです。
 会議が行われた場所はビンラディン信奉者である微生物学者の高層マンションの一室
です。ところが奇怪なことに、そこまで突き止めていながら、CIAはこの事件に急に
興味を失ってしまったようなのです。その原因は不明ですが、とにかくCIAは、次の
当然やるべきことを全くやっていないのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      1.要注意人物として米国入国帰化局(INS)に知らせる
      2.テロの容疑者として国際指名手配するようFBIに通告
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 これはおかしな話です。もし、このときCIAがINSに連絡していれば、その後米
国に入国した2人は入国審査で引っかかっていたと思われるからです。なぜ、CIAは
急に消極的になってしまったのでしょうか。上層部から「手を引け」とでもいわれたの
でしょうか。
 2000年10月12日に米駆逐艦「コール」が自爆テロを受けますが、FBIは
これにハリド・アルミダルが関与していると見ているのです。そして2001年夏にな
ってビンラディンが大規模な対米テロを仕掛けるという情報が流れてきます。
 この時点になってはじめてCIAは動き、アルミダルとアルハズミの2人を国際指名
手配リストに載せているのです。しかし、既に遅し――彼らはC機に乗ってテロを実施
したのです。・・・ [9.11/006]


国際手配の2人.jpg

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