どのようにして月に行くか(EJ第1396号)
どのようにして月に行って戻るか――その方式がLORに決定したことについては昨
日のEJで述べています。EORとLORは、次のことばの略です。
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EOR ・・・ Earth-Orbit Rendezvous
LOR ・・・ Luna -Orbit Rendezvous
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アポロ計画で使われたロケットは「サターン」という名前が付いています。サターン
には次の3種類があり、月飛行には「V」が使われたのです。
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全長 重量 地球軌道運搬能力
サターンⅠ 57.8m 528t 10t
サターンⅠB 68.3m 590t 17t
サターンV 110.6m 2900t 129t
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このうち「サターンⅠ」と「サターンⅠB」は、月へ何かを運ぶことを想定していま
せんが、「サターンV」については、月に45トンのものを運べる能力を有していたの
です。
サターンVは3段式ロケットですがその3段目の先端に位置するのが、いわゆる「ア
ポロ宇宙船」であり、次の3つの部分から成っています。
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1.司令船 コマンド・モジュール ・・・ CM
2.機械船 サービス・モジュール ・・・ SM
3.着陸船 ルナー ・モジュール ・・・ LM
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CM/司令船には、3人の飛行士が乗り、誘導・制御・航法用機器、姿勢制御スラス
ター、出入口および船外活動用ハッチ、先端にはドッキングボード、パラシュートが装
備されています。
SM/機械船には、月に向かう遷移軌道における推進システム姿勢制御システム、電
力供給用の燃料電池とその燃料、飛行士たちの酸素や水その他サブシステムが積まれて
います。
LM/着陸船には、降下用エンジンとその燃料および4本の脚を持つ着陸用の下半分
と、はるかに複雑な上昇用の上半分からできているのです。つまり、降下用の下半分は
上昇するさいの発射台の役割をするのです。
上昇用のシステムには、エンジンと燃料、飛行士を収容する生命維持装置を付けた加
圧室、出入り口であるハッチ、姿勢制御システム、通信システム、ドッキング用ハッチ
ランデヴー用の機器が積まれているのです。なお、LMにはアポロ宇宙船15、16、
17号では、月面車がコンパクトに畳まれて着陸部分に付けられたのです。
さて、このシステムでどのように月に行くかです。まず、宇宙船を月への遷移軌道に
乗せるところまでをまとめると、次の5段階になります。
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1.宇宙船を地球周回軌道に乗せる
2.主要システム最後の総点検実施
3.ロケット着火/月への遷移軌道
4.3段目ロケットの切り離し実施
5.CSMとLMのオペレーション
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一番大変なのは、実は地上からロケットを発射させて宇宙船を地球周回軌道に乗せる
までなのです。サターンVロケットの第1段と第2段、第3段が順に点火され、打ち上
げ後、約8分30秒で地球周回軌道に達するのです。
この時点で第3段ロケットはまだ切り離されておらず、残っているのです。宇宙船を
月への遷移軌道に乗せるという重要な役目が残っているからです。
地球周回軌道に入ったら軌道上で主要システムの最後の総点検を行い、月への遷移軌
道を正確に定めるのです。そして、3段目ロケットに再着火し、6分後に宇宙船を月の
遷移軌道に投入するのです。そのうえで、3段目ロケットを切り離します。分離された
3段目は、制御を失ったまま月に向かい、月面に激突することになります。
これからCSM――すなわち、司令船と機械船の結合体――と着陸船LMとの間に複
雑なオペレーションが開始されるのです。まずCSMがLMから切り離され、少し前方
に加速し、そこで180度方向転換をして、前からLMとランデヴーし、CMの先端を
LMのドッキング用ハッチに結合します。これで飛行士たちは、CMとLMを自由に往
復でき、居住空間が広がってリラックスできるわけです。こうして飛行士たちは、月へ
の3日間を過ごすことになるのです。
ここまでの一連のプロセスは、映画『アポロ13』において、すべて見ることができ
ます。ご存知のように、アポロ13号は、1970年4月11日に打ち上げられたので
すが、月までの行程の6分の5を過ぎた13日午後10時に機械船SMの中の酸素タン
クのひとつが爆発し、同時に3個ある燃料電池の2つまでが使えなくなってしまうので
す。つまり酸素と電力という宇宙飛行の生命線がほとんど断ち切られてしまったのです。
ヒューストン飛行管理センターからの指示にしたがい、月への着陸を断念して、大変
な苦労をして地球に無事に戻るのですが、ロケットの地上からの発射から地球周回軌道
に乗り、月への遷移軌道へ移り、CSMとLMのドッキング、CMとLMの内部の様子
などすべて映画の中で見ることができます。
私もこの映画を観たうえで、今朝のEJを書いております。今ならDVDの格安価格
で手に入りますので、参考のためぜひご覧いただきたいと思います。もっとも副島隆彦
氏は、この映画をボロクソにけなしてはいますが・・・。
・・・ [アポロ計画/007]
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