ジェミニ計画では何をやったのか(EJ第1411号)
ケネディ暗殺の後、ジェミニ計画がスタートします。その前にマーキュリー計画とい
うのがあったのですが、これは宇宙飛行士が1人の計画、ジェミニ計画は宇宙飛行士が
2人の計画です。
ジェミニ計画は、月着陸を前提として、そのために必要となる実験をすべてやること
になっていたのですが、その中心は長時間飛行とランデヴーとドッキングの3つにあっ
たのです。
ジェミニ計画の記録は3号からはじまっていますが、1号と2号は無人のタイタンロ
ケットを打ち上げており、宇宙飛行士が乗り込んでの飛行は1965年3月の第3号か
らです。そこでジェミニの「G」とタイタンの「T」をとって「GT」というのです。
この計画は、1966年11月の第12号まで、かなり集中して行われ大きな成果を上
げています。
そのすべてをメモ的に記すと、次のようになります。
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1965. 3.23/GT− 3号
・人の操縦で2、3回の軌道変更の実験を実施
1965. 6. 3/GT− 4号
・66周97時間。米国人初の宇宙遊泳に成功
1965. 8.21/GT− 5号
・128周190時間56分。電力部分の故障
1965.12. 4/GT− 7号
・220周330時間35分。2週間長期飛行
1965.12.15/GT− 6号
・GT−7号と1メートルのランデヴーに成功
1966. 3.16/GT− 8号
・無人のアジェナロケットと初ドッキング成功
1966. 6. 3/GT− 9号
・ドッキングには失敗。レーダーの必要性認識
1966. 7.18/GT−10号
・アジェナロケットとドッキングして40時間
1966. 9.12/GT−11号
・アジェナを90メートルの綱で引く実験成功
1966.11.11/GT−12号
・3日間で5時間半の船外活動。宇宙での作業
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GT−3号は、グリソム船長とヤング副操縦士が乗り込んで行われたのですが、この
ときは手動で軌道を変更することがテストされ、これはいずれも成功しています。
GT−4号は、マクディビット船長とホワイト副操縦士が乗り97時間に及ぶ長時間
飛行とホワイト副操縦士による宇宙遊泳に成功しています。米国人としては、はじめて
の宇宙遊泳ということになります。
GT−5号は、クーパー船長とコンラッド副操縦士が乗ったのですが、電力部分が故
障してしまい、予定したことはほとんどできなかったのです。しかし、190時間に及
ぶ長時間飛行には成功しています。
1965年12月4日、トラブルがあって先にGT−7号が打ち上げられ、330時
間を超える長期有人飛行に成功します。しかも、船内で宇宙飛行士は、宇宙服を脱いで
飛行しています。さらに、15日に打ち上げられたGT−6号と約1メートルのランデ
ヴーに成功したのです。
年が変わって1966年3月にGT−8号が打ち上げられたのです。船長は月面着陸
に成功したアポロ11号の船長になるアームストロングとスコット副操縦士です。これ
については、少し詳しく述べることにします。
GT−8号が軌道に乗る90分前に打ち上げられた標的衛星アジェナにGT−8号が
5時間後に追いつき、慎重に周囲を回って点検し、8号の先端をアジェナのドッキンク゜
・ポートに接触、ドッキングに成功しています。これは、月軌道上で着陸船を司令船に
ドッキングさせる必要があり、どうしてもやっておかなければならない実験だったので
す。
ところが、ドッキングしたのはよかったのですが、アジェナのエンジンを噴かしたと
ころ、宇宙船がぐるぐる回転をはじめ、きりもみ状態になってしまったのです。アーム
ストロング船長は、これは容易ならざる事態と判断し、再突入用の姿勢制御システムを
作動――本来やってはならない操縦を行って、難を逃れるのです。このようにトラブル
が生じても、それを解決し、無事に地球に帰還することも大事な経験なのです。
GT−9号は、スタッフォード船長とサーナン副操縦士が乗りランデヴーとドッキン
グを行ったのですが失敗――その結果、ランデヴー計画にはレーダーが必要なことが判
明するのです。
GT−10号はヤング船長とコリンズ副操縦士が乗り、ランデヴーとドッキングはほ
ぼ完璧にこなしています。アジェナロケットとドッキングし、アジェナの燃料を使って
軌道遠地点762キロメートル(有人飛行として最高度)まで押し上げることに成功し
ています。さらに、GT−8号と切り離したアジェナロケットとランデヴーし、コリン
ズ副操縦士は船外に出て、背中の推進装置を使ってアジェナに達し、実験用測定装置の
取り外しに成功しているのです。
GT−11号は、コンラッド船長とゴードン副操縦士が乗り、GT−10号でやった
ことのフォローを行っています。アジェナとのドッキングでは遠地点1440キロメー
トルと記録を更新しアジェナを90メートルの綱で引く実験も行っています。
GT−12号はラベル船長とオルドリン副操縦士が乗り、アジェナとのドッキングの
ほか、時間をかけて船外活動を実施。3日間に5時間半の船外活動を行っています。こ
れは、月面で人間が宇宙服を着てどれほど活動ができるかを試したのです。
どうでしょう。これだけのことをやって月着陸に臨んでいるのです。このあともアポ
ロ計画として11号まで10回も飛行しているのです。これでも月着陸はなかったとい
えるでしょうか。 ・・・ [アポロ計画/022]
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