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2007年01月18日

創世記によるノアの箱舟神話(EJ第1002号)

 「ノアの洪水」の話を知らない人はないでしょう。しかし、多くの人、とくに日本人
はその詳細について知っている人はとてもわずかです。ところで、ノアの箱舟はどのく
らいの大きさであるかご存知ですか。
 創世記によると、神がノアに与えた指示は次の通りです。
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      箱舟の長さ300キュビット、幅50キュビット、高さ30キ
      ュビットとする。それに屋根をつけ、三階建てで各階は部屋に
      分かれ、横にドアをつけ、窓をつける。
      ――ノーマン・コーン著/浜林正夫訳『ノアの大洪水』大月書
      店刊より。
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 1キュビットは約52センチです。書籍によっては、「1アンマ」という単位を使っ
ています。1アンマ=1キュビットというわけです。1アンマとは、大人の肘から中指
の先までの長さの単位とされています。ちなみに、私の場合は46センチしかありませ
んが・・・。
 これで箱舟の大きさは次のようになります。
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       長さ ・・・・ 1万5600センチ=156メートル
       幅 ・・・・・   2600センチ= 26メートル
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 これで想像がつくと思いますが、まるでタンカーのような凄く大きな船です。そんな
船をノアが神の命にしたがって、陸地の奥で作り出したのですから、周囲はノアが完全
に気が狂ったと考えたのです。そんな大きな船をこんなところで作って、どうやって浜
辺へ引いていくのか――洪水など誰も考えなかったからです。
 しかし、ある日雨が降り始めると、どこからとこなく、数多くの動物たちがノアのと
ころにやってきます。それらはすべてつがいだったのです。彼らもノアと同じように、
神に命じられた鳥や動物だったのです。ノアは箱舟の扉を開けて彼らを箱舟の中へと導
きます。
 それを待っていたかのように、雨は激しさを増し、豪雨となり14日間降り続くので
す。そして、遂に「大いなる深淵の源がことごとく裂け、天の窓が開かれて」滝のよう
な激しい雨が降り始めるのです。
 どのくらい雨は続いたのかについては諸説があります。40日、40夜、150日間
、1年・・・・いずれにせよ、その結果として、次のようになります。
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      水はますます勢いを加えて地上にみなぎり、およそ天の下にあ
      る高い山はすべて覆われた。水は勢いを増してさらにその上、
      15アンマ(約8メートル)に達し、山々を覆った。
      ――「創世記」第7章19〜20節
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 一番高い山よりも水が8メートルも高くなったのですから、地球上はすべて水で満た
され、その上に浮かんでいるのは、ノアの箱舟だけになってしまったのです。
 やがて雨はやみ、箱舟はアララト山の上に止まったのです。そして水は少しずつ引い
て、やがて地上が見えてきたのです。このとき、地球上で生きていたのは、ノアの一族
と箱舟に乗り込んだ鳥や動物たちだけとなってしまったのです。
 以上が「旧約聖書」の「創世記」が伝える「ノアの洪水」の物語の概要です。果た
して、これが史実でしょうか。
 一体「ノアの洪水」は何時起こったのでしょうか。
 1650年に英国のアッシャー大司教は、聖書でいうところの天地創造は紀元前40
04年と発表しています。ケンブリッジ大学の言語学者ジョン・ライトフットは、これ
を補正して次のように日時まで割り出しています。
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          紀元前4004年10月26日午前9時
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 そして、ノアの洪水があったのは、紀元前2344年という数字が有力視されていま
す。しかし、これは聖書学の年代決定によるものであり、諸説があります。大雑把にい
って今から4500年前に「ノアの洪水」は起こったというのです。
 しかし、現在では、敬虔なキリスト教徒でも、「ノアの洪水」は史実ではなく、神の
道に反してはならないという、戒めのためのたとえ話として、とらえるようになってい
るのです。まして、日本では完全に神話としてとらえています。
 しかし、19世紀の後半になって、あることから、もしかすると、「ノアの洪水」が
史実ではないかという考え方が出てきたのです。その「あること」とは何でしょうか。
 現在、国連の査察が行われているイラク―――ここは、かつて世界最古といわれる
「メソポタミア文明」が発祥したところなのです。「メソポタミア」というのは、古代
ギリシャ語で「大きな河にはさまれた地」という意味なのです。その河とは、チグリス
河とユーフラテス河のことです。
 今から5000年前のことですが、この地にシュメール人と呼ばれる民族が最古の都
市を建設し、古代メソポタミア文明は幕を開けるのです。そのためこれをシュメール文
明と呼ぶこともあるのです。
 シュメール文明で特筆すべきことは、きちんとした文法を持つ言語体系を有していた
ことです。その形から「楔形文字」といわれますが、この言語は、そのあとこの地に興
ったアッカド、古バビロニア、アッシリア、バビロニアというシュメール文明以外の国
家でも使われたのです。
 このメソポタミア地方からは、この楔形文字を刻んだ粘土板が多数出土しているので
すが、19世紀後半になるまで、この文字は誰にも読めなかったのです。・・[ノアの
洪水/03]

ノアの箱舟.jpg

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