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2007年01月26日

ノアの洪水以前の地球は地上の楽園(EJ第1008号)

 トマス・バーネットは、地球上をすべて水で覆い尽くすには水が足りない――と考え
ていました。彼の計算によると、創世記に述べられているように、山々を15キュビッ
トの深さまで覆うとすれば、現在の海の水のおよそ8倍は必要になるが、それらの水は
どこからきたのであろうか――ということだったのです。
 そこで彼は逆転の発想をします。大洪水以前の地球と以後の地球(つまり、現在の地
球)は違うのではないか――彼はこう考えたのです。彼は次のように記述しています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      ・・・大洪水以前の地球の表面は平坦で、整然としていて、ど
      こも同じようだった。山もなく、海もひとつもなかった。・・
      海もなく、エリュシオンの野のように平坦であった。そのすべ
      てを旅しても山にも岩にも出会うことなく、しかも、人が住む
      世界としてのすべてのものがよくそなえられていた・・数百年
      にわたってこういう状態が続いていた――バーネット
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 平坦な大地を覆うのは、現在の海の水だけで十分なのです。それにバーネットは聖職
者ですから、ともすると、2つの地球論に走りやすかったといえます。つまり、神は当
初人類には恵まれた環境を与えていたのですが、人類は悪の限りを尽くしたので、神は
怒り、大洪水を起して人類を滅ぼし、環境を変えてしまったという説です。
 もうひとつ、数学者でもあるバーネットは、大洪水以前、地球上にどのくらいの人類
が生きていたかを計算しています。その答は、次のように算出されています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
             107億3741万8240人
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 この数字が正しいといると、当時世界はユダヤのみではなく、世界の大部分に人は住
んでおり、これだけの人を神は洪水によって、溺死させたということになります。バー
ネットの説く地球生成論をごく簡単に説明しましょう。
 まず、最初に何があったかというと、「あらゆる物体の素材と成分とが、たがいに混
沌として入れまじっている」状態であったとバーネットは述べています。
 これらのさまざまな要素が、神の命令によって、それぞれの重力に応じた早さで中心
に向かって落下したときに地球は生まれたのだとしているのです。
 まず、最も重い要素である固体の物質は、まっすぐ中心に落下し、卵の黄身のような
固い核を作ったのです。次に重いのは水でこれも落下し、固い核の周りに球体を形成し
ます。バーネットはこれが聖書でいう「大深淵――地中に隠された地下水」であるとい
っています。
 そこには、石油などの油も含まれており、これらはしだいに分離して水面に浮かんだ
のです。空気はどうか――空気よりも重く水よりも軽いこまかな粒子が空中に充満して
、これらもちょうど雪片のように下の方に落ちていって、水の球体の上の石油や油の表
面にくっつきます。その結果ねばねばしたかたまりができ、これが太陽の熱で固められ
地球の外側の殻となったのです。
 この殻が、ちょうど卵の殻が白身をおさえているように水をおさえている――とバー
ネットはいいます。そしてバーネットは、聖書で「神は地を水の上に敷かれた」といっ
ているのは、このことをいっているのだと解説しています。
 ここで関心のあるのは、ノアの洪水以前の地球の環境です。バーネットは、神はパー
フェクトであり、その最初の創造(地球の環境)は完全であったといっています。
 当時、地球はつねに太陽から同じ距離にあり、そして、地軸はまだ傾いていなかった
ので、地球は常夏の状態を享受していたといいます。バーネットは、次のように述べて
います。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      きびしい気象はなく、氷や雪やひょうのように極端な寒さから
      生ずるものはなく、雷もなかった・・・風はといえば、その土
      地では強風も突風もなかった・・・当時、自然はこういう混乱
      にはまったく無縁だったのである――バーネット
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 地上の楽園――最近よく聞くことばですが、このバーネットが述べる世界は、まさに
地上の楽園といえます。バーネットはこの地上の楽園の環境そのものがそもそも大洪水
の原因であるといっているのです。
 どういうことか、説明しましょう。太陽が一年中照らしているので、地下水の大部分
は水蒸気となり、それが地殻を圧迫するようになります。水蒸気は空に上がって雨とな
って地上に落ちてきますが、それが繰り返されると、やがて地殻は乾燥し、ひび割れし
て大きな裂け目ができるようになります。
 この地殻の巨大な破片が水の層にどんどん落ちていき、そのため水は、上方に押し上
げられ、割れ目からほとばしり出て、水は世界中に広がっていったのです。これが聖書
でいう大洪水です。
 このようにして最初の完全な世界は荒廃し、かつて平坦であった地殻にはしわができ
て山となります。そして、現在の世界ができたのですが、バーネットは現在も整然とし
た世界の崩壊が進行中であるといっています。
 地殻のひび割れは現在も地震というかたちで起こっており、これが繰り返されると、
大地の核は空気と水と物質の粒子の混沌としたものでとりかこまれ、ここで、天地創造
の最初のプロセスが繰り返さるといっています。そして、再び山も海もない平坦な地殻
を形成するはずであるとバーネットはいうのです。
 以上がトマス・バーネットの『地球の理論』です。当時、この理論はもてはやされ、
長期にわたって強い影響力を持ち続けたのです。ケプラー、ガリレオ、ニュートンが既
に存在した時代の理論です。EJ第1009号はウィストンの理論を紹介します。
                          ・・・ [ノアの洪水/09] 

バーネット/地球の理論.jpg    
                             

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