ユダヤ地下政府とタルムード思想(EJ第557号)
EJ550号で、アッシリア帝国に滅ぼされた北朝イスラエル王国の人たちがアッシ
リアの捕囚になり、のちに「イスラエルの失われた10部族」と呼ばれるようになった
経緯についてお話ししました。そして、その10部族の一部が契約の箱(アーク)を持
って日本に渡来し、四国の剣山にそれを隠したという仮説を立ててここまでお話しして
きました。
しかし、宇野正美氏はこれとは違う説を主張しています。アークを持って日本に渡来
したのは、南朝ユダ王国の一部の人たちであるというのです。というのは、イスラエル
の神殿は南朝ユダ王国の領内にあり、北朝イスラエル王国の人がアークを持ち出すのは
困難であるからです。
それに北朝イスラエル王国はアッシリア帝国に滅ぼされましたが、南朝ユダ王国はア
ッシリアの攻撃を何とか防いでおり、新バビロニア王国に滅ぼされるまでに100年以
上の期間があったのです。しかし、北朝イスラエル王国があっさりと滅ぼされるのを目
の前で見て、南朝ユダ王国の一部の人がアークを持って日本に逃れたのではないかとい
うのが宇野正美氏の説です。
しかしこの南朝ユダ王国、つまりユダヤ国家は新バビロニア王国に滅ぼされたあと、
何回も建国を試みるのですが、その後も多くの国に滅ぼされます。
新バビロニア王国は、その後ペルシャに滅ぼされるのですが、ペルシャはユダヤ人に
理解があり、捕囚のユダヤ人を開放してパレスチナに戻してやるのです。喜び勇んで彼
らは再びパレスチナに王国を樹立し、破壊されたソロモンの神殿を再建します。これが
「ソロモン第2神殿」です。
しかし、メソポタミア地方に住んでいたはずの北朝イスラエル王国の人々は、ほとん
どパレスチナに戻ってこず、いつの間にかメソポタミアからも消えてしまったのです。
「イスラエルの失われた10部族」といわれるのはそのためです。
新しく王国を樹立した南朝ユダ王国は単に「ユダ王国」と呼ばれますが、やがて「ユ
ダイヤ」とか「ユダヤ」とか呼ばれるようになり、「ユダヤ王国」になります。
しかし、ユダヤ王国の安泰は長く続かなかったのです。アケメネス朝のペルシャがエ
ジプトのアレキサンダー大王によって滅ぼされると、パレスチナ地方は「マケドニア・
ギリシャ」の支配を受け、引き続き「プトレマイオス朝エジプト」、「セレウコス朝シ
リア」の支配を受けるのです。
しかし、度重なるユダヤ人への弾圧にユダヤ人が一斉に決起してエルサレムの完全奪
取に成功し、ユダヤが独立を宣言するに至ります。これを「ハスモン朝ユダヤ」といい
ますが、この体制がしばらく続くのです。
そして、ユダヤはローマ帝国の支配下に置かれ、さまざまな迫害を受けたあと、世界
帝国ローマを相手に2回の戦争(ユダヤ戦争)を行い、コテンパンに敗れてエルサレム
のソロモン第2神殿はローマ軍によって破壊されてしまいます。神殿はその後今日に至
るまで再建されていないのです。
アッシリアに滅ぼされてから、ローマによってソロモン第2神殿を壊されるまでの長
い間にユダヤ人の指導者層たちの考え方に大きな変化が起こっています。それは、バビ
ロンの捕囚になったことが直接的な原因だったのです。
というのは当時の新バビロニア王国では、占星術や偶像崇拝が流行していたのです。
これらは『旧約聖書』の中で厳格に禁止されていることなのですが、バビロンの捕囚に
なったユダヤ人たちはこれに染まっていくのです。
それから、国が滅び捕囚されたのは、律法を破ったからであり律法を尊重すべきであ
るという考え方です。趣旨はおかしくないのですが、次第に極端になっていきます。食
べ物から安息日の規定など、何でも律法で縛るようになり、しまいには人間は律法のた
めにあると極端に考えるようになってしまったのです。紀元前後のパレスチナ地方には
サドカイ派とかパリサイ派など、極端な思想を持つユダヤ教徒がたくさんいたのです。
このような時代を背景にイエス・キリストが登場するのです。
こうした結果、当時のユダヤの指導層は「タルムード」という思想を持つようになり
ます。「タルムード」は、書物のかたちをとっており、『旧約聖書』の注釈やユダヤ人
の知恵を集大成した内容になっています。ここで重要なのは、そこに秘められている思
想なのです。これを一言でいうと「ユダヤ人のみが人間であり他の民族はゴイム(獣)
である」ということになります。自分たちは特別に選ばれた人間であり、世界を支配し
なければならないと信じてしまったのです。
ユダヤとローマとの第1次ユダヤ戦争の頃、つねにソロモン第2神殿で祈りを捧げて
いたユダヤの指導層全員が突然姿を消してしまったのです。そして、ガラリヤ湖南方、
ヨルダン河東岸にある「ペラ」というギリシャ人都市へ集団移住してしまいます。これ
は神託によるものとされていますが、やがてペラからも姿を消してしまうのです。そし
て、歴史の闇の中に消えたユダヤの指導者たちの消息は今もってもわからないのです。
宇野正美氏によると、彼らは地下に潜り、「地下政府」を設立したというのです。こ
のユダヤ人の地下政府は、タルムードの思想のもとに長い時間をかけて着実に力を蓄え
て、世界の政治、経済に大きな影響を及ぼすようになってきているといいます。その目
指す目標は、ユダヤ人の恨みを晴らすことであり、世界政府を樹立することなのです。
初期の頃からEJを読んでいただいている読者であれば、ここまで書けばわかっていた
だけると思いますが、宇野正美氏のいうユダヤの地下政府とはフリーメイソンに他なら
ないのです。
2週間にわたって、ユダヤと日本の不思議な関係についてお話ししてきました。しか
し、まだ、まだお話ししなければならないことはたくさんあります。1948年のイス
ラエルの建国をめぐる地下政府の画策、日本史に大きな影響力を持つ「秦氏」の話は断
続的になりますが、引き続きお話ししていくつもりです。
・・・ [日本人とユダヤ人/10]
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://www.intecjapan.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/50