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2007年03月26日

6回目に失敗するパターン(EJ第1347号)

 H−Ⅱロケットのあとを引き継いだH−ⅡAロケットは、2001年に登場するので
すが、ここまで6回の打ち上げが行われているのです。H−ⅡAロケットがどのような
ロケットであるかについては後で述べることとし、6号機までの打ち上げの記録を見て
みることにします。
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       1.H−ⅡA1号機  成功  2001. 8.29
       2.H−ⅡA2号機  成功  2002. 2. 4
       3.H−ⅡA3号機  成功  2002. 9.10
       4.H−ⅡA4号機  成功  2002.12.14
       5.H−ⅡA5号機  成功  2003. 3.28
       6.H−ⅡA6号機  失敗  2003.11.29
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 これを見ると驚くべき事実がわかります。それは、H−ⅡAロケットもH−Ⅱロケッ
トと同様に、第1回から第5回までは成功しているのに、第6回で失敗していることで
す。パターンが同じなのです。これでは、開発担当者としては、第7号機の打ち上げに
躊躇してしまいますね。どうして、このようなことが起こるのでしょうか。
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      1.H−Ⅱ1号機  成功  ○ H−ⅡA1号機  成功
      2.H−Ⅱ2号機  成功  ○ H−ⅡA2号機  成功
      3.H−Ⅱ3号機  成功  ○ H−ⅡA3号機  成功
      4.H−Ⅱ4号機  成功  ○ H−ⅡA4号機  成功
      5.H−Ⅱ6号機  成功  ○ H−ⅡA5号機  成功
      6.H−Ⅱ5号機  失敗  × H−ⅡA6号機  失敗
      7.H−Ⅱ8号機  失敗  × H−ⅡA7号機   ?
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 最初は失敗が多いが、だんだん成功率が高くなるというならわかりますが、最初は成
功しているのに後になって失敗するというのは、ロケットの開発において、そこに何か
重要な欠陥が潜んでいることを示唆しているのです。
 この問題はさておき、H−Ⅱの後を継いだH−ⅡAロケットがどのようなロケットか
について説明しましょう。H−ⅡAロケットの特色を上げると、次の3つがあります。
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      1.液体酸素と液体水素を推進剤とする高性能なエンジンを搭
        載する国産の主力ロケットである
      2.さまざまな重さのペイロード(主に人工衛星)を宇宙空間
        各種軌道に投入できる能力がある
      3.このクラスのロケットとしては技術水準・価格(打ち上げ
        費用)ともに世界のトップレベル
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 ロケットには、噴射する推進剤が液体である「液体ロケット」と固体である「固体ロ
ケット」があります。液体ロケットは高性能だが取り扱いが難しく、まして液体酸素と
液体水素を組み合わせて使うH−ⅡA(H−Ⅱも同様)ロケットは、非常に高い性能を
発揮するものの、取り扱いの難しさが群を抜いているのです。
 それというのも液体水素が摂氏零下250度と非常に低温なうえに蒸発しやすく、非
常に小さな隙間からでも容易に漏れてしまう性質を持っているからです。日本は、この
難しい技術に挑戦しH−Ⅱからは推力の大きな第1段に使用しています。そういう意味
において、「液体酸素と液体水素を推進剤とする高性能なエンジン」は、H−ⅡAの第
1の特色といえるのです。
 これに対して固体ロケットは、性能が低く、一度着火したら燃え尽きるまで止める手
段がないという問題点があります。しかし長期保存が容易で取り扱いが簡単であり、推
力は大きいという利点を持っています。
 H−Ⅱ、H−ⅡAには、液体酸素と液体水素の本体の横に固体ロケットを装備してい
ますが、これは、それぞれの欠点を補う措置なのです。米国のスペースシャトルや、欧
州の「アリアン5」も同様の形式を採用しています。
 第2の特色ですが、現時点における宇宙開発ロケットの目的は人工衛星を、地球を回
る軌道に打ち上げることです。「ペイロード」ということばは「最大積載量」という意
味なのですが、人工衛星そのものを指すことばとして使われます。
 H−ⅡAは、次の重さの人工衛星を地球を回る軌道に打ち上げる能力があるのです。
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         地球低軌道 ・・・・・・・・・ 10トン
         静止トランスファー軌道 ・・・  4トン
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 また、難しいことばが出てきましたが、地球を回る軌道については改めてご説明しま
す。ロケットを理解するには、軌道の種類については知っておく必要があるからです。
 人工衛星を打ち上げる技術は軍事力と密接な関係があります。日本が米国やロシア、
それに中国といった宇宙開発先進国に大きく水を空けられているのは、日本が軍隊をも
っていないことに関係があります。日本では、軍隊を持つことは悪という考え方がいま
だに強くありますが、重要技術のほとんどは軍事目的のために開発されていることを知
るべきです。インターネットなどはその象徴的なものといえます。
 第3の特色ですが、技術水準が高いことは確かです。ロケットの打ち上げ失敗や人工
衛星の軌道乗せ失敗などは、どこの国でもやっていることであり、新規の技術開発には
つきものであるといえます。多少の失敗にくよくよすることはないのです。
 それに価格が安いことは、日本のロケットの大きな特色ですがその反面、大きなネッ
クにもなっているのです。なぜ、日本はロケット開発に関してはかくもケチケチ作戦な
のでしょうか。これは明日のEJで取り上げます。 ・・・ [日本宇宙開発/02]

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