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2007年04月18日

中国はなぜ有人飛行に成功したか(EJ第1364号)

 中国の宇宙開発は、1992年から始めて次の通り4回の無人の実験を経て、5回目
の「神舟5号」で有人宇宙飛行を成功させています。その総額費用は、約180億元
(2700億円)になります。
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      神舟1号 ・・ 1999年11月20日 打ち上げ/無人
               ・地球周回軌道14周回/カプセル回収
      神舟2号 ・・ 2001年 1月10日 打ち上げ/無人
               ・生命維持の実験を実施/カプセル回収
      神舟3号 ・・ 2002年 3月25日 打ち上げ/無人
               ・宇宙飛行士ダミー人形/カプセル回収
      神舟4号 ・・ 2002年12月30日 打ち上げ/無人
               ・有人飛行のリハーサル/カプセル回収
      神舟5号 ・・ 2003年10月15日 打ち上げ/有人
               ・有人宇宙飛行成功/世界3番目の快挙
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 これに対して、日本は宇宙開発についても米国追従の姿勢をとり、国際宇宙ステーシ
ョン計画に付き合わされて、20年の年月と3100億円の資金を投入して、いまだに
自力での有人宇宙飛行など夢のまた夢という状態です。
 どうして、中国とこのような差がついたのでしょうか。
 中国は、非常に現実的な計画を立てて宇宙開発に臨んだことがわかっています。その
設計思想は2003年10月14日の「人民網/日本語版」を読むとわかります。ここ
には、「神舟5号」の総設計師へのインタビューが出ています。次のアドレスをクリッ
クしていただくとページが開きます。
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       http://j.peopledaily.com.cn/cehua/20031014/02.htm
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 中国は最初から有人ロケット開発を目指していたのです。さらにその条件として「手
持ちの技術で安全な有人飛行を実現する」という現実的な目標を立てたのです。この場
合、最初に次の重要な選択肢があったのです。
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        1.宇宙往還機の開発 ・・・・・ 米国型
        2.使い捨てカプセル ・・・・・ ソ連型
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 「宇宙往還機」の典型は米国のスペースシャトルで、高度のハイテク技術を駆使した
何度でも再使用できる未来型の宇宙輸送システムです。これに対して、「使い捨てカプ
セル」はかつての旧ソ連の「ソユーズ型」で、宇宙からの帰還はカプセルで回収すると
いうものです。
 中国は、宇宙往還機は複雑過ぎて投資額が大きく、安全性の面でも問題があると考え
たのです。ちょうど中国がこの計画を立てた時期が1986年で、チャレンジャーの事
故の年と重なるのです。そのため宇宙往還機に対する安全性の信頼が揺らいでいたこと
は確かで、それが中国の決断に影響を与えたと考えられます。
 しかし、当時人をカプセルに押し込んで回収するというのは、古いと考えられていた
のですが、あえてこの方式を選択したことが有人飛行の成功につながるのです。この点
「米国のあとをついていけば間違いない」とする日本のロケット開発のコンセプトとは
大きく異なるのです。
 「神舟5号」の総設計師の話によると、地球に帰還するカプセル(帰還モジュール)
は、旧ソ連の「ソユーズ」よりも30%もスペースを拡大して世界最大であること、そ
れに「ソユーズ」の場合は、地球に帰還する際、宇宙船を宇宙のゴミにしてしまうが、
「神舟5号」は帰還モジュール離脱後も宇宙船は軌道モジュールとして約半年間巡航を
続け、科学・技術実験を行うことができるという点で、「ソユーズ」を越えているとし
ているのです。
 これを実現するために、中国は「ソユーズ」の情報をあらゆる手段を駆使して収集し
たといいます。ロシアと交渉して「ソユーズ」の実物を買い取ろうしたといわれます。
しかし、これは実現しなかったので、断片的資料を収集してそれを丹念に学習し「神舟
ロケット」を開発したのです。
 こうした中国の技術開発は「模倣プラスアルファの技術開発」といわれます。まず、
徹底的に真似をして、実験を重ねてそこに何かを付け加えるという技術開発です。つま
り、あえてオリジナルを求めず、模倣したものをツギハギして精度を高めるという少し
カッコの悪いコンセプトです。考えてみれば、日本もかつては「モノマネ日本」といわ
れたものですが、今の日本にはコピーする力すらないという専門家もいるのです。
 世界で3番目になる有人宇宙飛行に成功した「神舟5号」は、2003年10月15
日に、内モンゴル自治区から「長征CZ2Fロケット」で打ち上げられています。搭乗
していたのは、38歳になる人民解放軍のヤン・リーウェイ空軍中佐です。
 「神舟5号」は、全長39.3メートル、最大直径3.36メートル、全備質量45
9トンの2段式液体燃料ロケットです。ロケットが乗った地球周回軌道データは次の通
りです。
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        近地点高度 ・・・・・ 200キロメートル
        遠地点高度 ・・・・・ 343キロメートル
        軌道傾斜角 ・・・・・ 42.4度
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 「神舟5号」は、約7時間かけて高度343キロメートルの円軌道に移行、地球周回
軌道を14回する間に偵察カメラにて通過する軌道直下の国々の偵察撮影を行い、そし
て、10月16日午前6時23分に内モンゴル自治区内に着陸帰還しています。
 中国が行ったことは、まさに目標による管理の典型的な成功事例であると考えます。
日本はどう対抗すればよいのでしょうか。     ・・・ [日本宇宙開発/19]

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