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2007年06月07日

●世界のハイテク兵器を支える日本の技術(EJ第1379号)

 「F−2戦闘機」についてもう少し書きます。
 F−2戦闘機は、機体の製造工程で「複合材(炭素繊維)の一体成型」という最先端
技術が採用されています。これによって主翼の強度が増し、高い飛行性能を実現させて
います。この技術は米国の航空機産業界でどうしても実用化できなかったものを日本の
技術でクリアしたものです。
 F−2戦闘機は、攻撃面においてF−1戦闘機に比べて高性能になっています。まず
戦闘機としては世界ではじめてアクティブ・アレイ・レーダーを搭載して、複数の目標
を同時に探知して攻撃できるのです。このレーダーは、イージス艦に搭載されているも
のと同じです。
 続いて、F−2戦闘機は、日本の電子技術の粋を集めた設計になっており、パイロッ
トが攻撃しやすいよう種々の配慮が払われているのです。F−2戦闘機のコックピット
は視界が広くとられており、従来のアナログ計器類の代わりに大きな3つの液晶ディス
プレイが設置されています。
 それから、F−2戦闘機では、従来両足の間にあった操縦桿がパイロットの右太腿の
外側に配置されているのです。これを「サイドスティック」というのですが、これは重
要な変更なのです。なぜなら、パイロットの右手が少しでも右に触れれば右旋回、左に
触れれば左旋回、手前に引けば上昇というように手のひらの微妙な感覚を感じ取って、
飛行機を自由自在に操れるようになったからです。
 戦闘機の操縦桿が股の間にあるなんてご存知でしたか。確かに股の間にあるのと右サ
イドにあるのとでは、操縦の感覚が大きく違ってきますが、これは日本のお家芸といえ
ます。
 それから、宙返りをした場合などに起こるパイロットの空間識失調に対しては、その
ためのリカバリー・スイッチが用意されており、そのスイッチを押せば機体を自動的に
正常化させることができるのです。
 また、F−2戦闘機にはIEWSという統合電子戦システムが搭載されており、もし
自機が敵のレーダーに捕捉されると、敵のレーダー波を感知して電波妨害を行い、敵の
ミサイル攻撃を回避するための各種の欺瞞装置を数多く備えているのです。
 さらに、F−2戦闘機は対艦攻撃力が大幅に向上しています。F−1戦闘機では2発
しか搭載できなかった対艦ミサイルを4発搭載できるようにしており、F−1と同数の
F−2を実戦配備するだけで、日本の洋上阻止力は倍増することになるのです。
 加えてF−2戦闘機のエンジンはF110エンジンといって、コンピュータ制御機能
を備えています。したがって、その信頼性はきわめて高く、このエンジン1本の推力は
F−1の4本分に匹敵するといわれます。
 航空自衛隊のパイロットは、こういうハイテク電子機器の扱いに非常に熟達しており
すべての機能を完璧に使いこなせるので世界一なのです。ちなみに、F−2戦闘機の値
段は1機120億円と世界最高の価格が付いています。
 第5の自衛隊の世界一は、「百発百中の精度誇るハイテク・ミサイル」です。
 日本人はあまり知らない話ですが、日本は非常に優れたミサイル技術を持っており、
それが周辺諸国の大変な脅威になっているというのです。
 自衛隊が保有している88式地対艦ミサイル「SSM−1」という兵器があります。
開発当時の話ですが、米国国内の射場を借りて行った試射実験で、100キロ以上先の
目標に全弾が命中しこの実験に立ち会った米軍関係者を驚愕させたのです。
 この地対艦ミサイルは、山の背後から発射されると、山谷を這うようにして飛び、海
面すれすれの高度で飛翔して水上艦艇を撃破するのです。日本の国土は山脈が連なって
いるので、それを意識して開発したミサイルであり、日本が外部から攻められたときの
国土防衛に適しているのです。そのために、陸上自衛隊には、世界でも珍しい「地対艦
ミサイル連隊」を全国に5個連隊が配備されているのです。
 このSSM−1による防衛網を突破して侵入してきた敵に対しては、ハイテク・ミサ
イル「96式多目的誘導弾」が襲います。このミサイルは、世界ではじめて光ファイバ
ーTVM赤外線画像誘導方式を採用しており、はるか後方の射手が、光ファイバーで送
られる画像を確認しながら、飛翔するミサイルを誘導するのでその命中精度はきわめて
高いのです。
 ところで日本は、こういう防衛開発費をどのぐらいかけているのでしょうか。
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       ≪2003年度≫
       日本の防衛予算総額 ・・・・・ 4兆9265億円
       うち防衛研究開発費 ・・・・・   1470億円
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 日本の防衛研究開発費は年間1470億円であり、防衛予算総額のわずか3%です。
これは、米国の30分の1であり、英国やフランスと比較しても半分以下です。防衛予
算総額に占める防衛研究開発費の割合で比較しても、米国14%、英国・フランスはと
もに10%と比較にならないのです。
 それでも88式地対艦ミサイル「SSM−1」や、ハイテク・ミサイル「96式多目
的誘導弾」のような優れた兵器を開発できたのは、日本の工業技術のレベルが非常に高
いからです。
 現在、自衛隊で使われている国産兵器は、日本を代表する一流の企業群によって、設
計・製造・ライセンス生産が行われてきた結果であるといえます。民需製品開発で培わ
れた高い技術力と品質管理のノウハウが惜しみなく注ぎ込まれているのです。
 これは、現在問題を抱えているロケットや衛星の開発と同じスタイルなのですが、兵
器の面ではうまくいっているようです。それが周辺諸国に大変な脅威になっているので
す。                      ・・・ [自衛隊の実力/10]

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