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2007年06月11日

●自衛隊は在日米軍の補完部隊(EJ第1381号)

 イージス艦やF15戦闘機は米国で開発した兵器です。日本はこれを「ライセンス生
産」しているのですが、この「ライセンス生産」とは何でしょうか。
 「ライセンス」とは生産許可です。自衛隊における「ライセンス生産」とは航空機、
車両、火器、電子機器などを海外のメーカからライセンスを取り、国内メーカによって
生産します。
 もっとも海外のメーカといっても兵器の場合、そのほとんどは米国に限定されていま
す。ライセンス生産で問題となるのは、国産化率です。一口にライセンス生産といって
も、その国産化率はものによって違ってくるのです。
 とくに日本の場合は技術力が高いですから、ほとんど100%国産で生産できるので
本来であれば国産化率は高くなるはずです。しかし、戦闘機やジェットエンジンのよう
に国産化率が制限されるものがあります。それは政治的理由によるものです。
 おそらく日本はどのような兵器でも、生産許可とその設計図を渡されれば、国産化率
100%で生産し、その品質は元のメーカのそれよりも高くなる――それが日本の技術
の凄いところです。
 部品自体の品質は日本の方が優れているので、国産化率は高くなる傾向にあります。
しかし、それではライセンス生産とはいえ日本製品になってしまうので、兵器について
は、日本側に技術情報が開示されない「ブラックボックス」の機器が一部必ず搭載され
るのです。そして、この機器は日本で修理することができないようになっています。イ
ージス艦やF15戦闘機にもそのブラックボックス機器は搭載されています。つまり、
兵器の肝は完全に米国に握られているのです。
 EJ第1378号で、F2戦闘機は日米共同開発であり、その開発分担比率は日本6
:米国4であると書きました。この開発において、日本独自の複合材による主翼の一体
形成技術とアクティブ・フェーズド・アレイ・レーダー技術は米国に吸い上げられてい
るのに、日本が米国から得た最新技術はほとんどなかったといいます。それでいて米国
は、開発分担比率は4しか負わないのですから、米国にとっては大変有利なわけです。
 しかも、米国は日本から吸い上げた最新技術を転用して兵器を生産し、海外に輸出し
て莫大な利益を上げているのです。ところが開発元である日本は武器輸出を禁じられて
いるので何もできない――米国としては、兵器市場において日本は絶対に競合相手にな
らないのですから、こんな有難いことはないのです。
 また、このようにして開発した兵器の重要な一部――長距離ミサイルや長距離砲、地
対艦ミサイル、多連装ロケットシステムなどは日本国内で試射ができないので、日米安
全保障条約に基づいて、米国の演習場を借りて行っているのです。
 このように自衛隊はいろいろな面で不本意な対米従属を強いられており、安全保障面
においては、米国なしには何もできないシステムになっているのです。いわば、現在の
自衛隊は、米軍の補完部隊となのです。つまり、自衛隊は米軍と一体化してはじめて完
結した戦力になれるのです。こうしておくことで、自衛隊が自立することをむしろ防い
でいるといってもよいと思います。これは、米国の安全保障の戦略なのです。
 自衛隊が米軍の補完部隊であることは、在日米軍の戦力の配備状況を調べて見ると納
得できます。
 米軍の総兵力は137万人――そのうちアジア太平洋地域に海外展開する兵力は9万
人、そのうち4万人が在日米軍です。これに対してオーストラリアに駐留する在豪米軍
は188人、フィリピン、タイ、シンガポールなど東南アジア諸国のそれをすべて足し
ても500人を切るのです。このことから考えても米軍の世界戦略上、日本がいかに重
要な拠点であるかがわかります。
 ところが意外なことに、在日米軍の総兵力のうち、陸軍戦力はわずかに1800人程
度であり、装備にしても米陸軍の主力戦車M1はおろか戦闘車両(FV)は1両もなく
上陸してくる敵を迎え撃つ米陸軍主力戦闘ヘリ・AH64アパッチもないのです。
 これに対して、米海軍は、艦載機を含め作戦機約200機を日本各地の地上の米航空
基地に展開させ、さらに第七艦隊を主力とする艦艇40隻を横須賀・佐世保に停泊させ
ています。海軍は陸軍とは比較にならない規模の兵力を配備しています。
 しかし、基地防空を担当するはずのパトリオットミサイルを配備していないうえに、
周辺海域の安全航行を確保するための掃海部隊も置いていないのです。
 さらに日本の北の守りである北海道には米軍は一切の兵力を置いておらず、その代わ
り、沖縄には1万9000人の米海兵隊が駐留しています。このように考えると、非常
にちくはぐな感じがします。
 しかし、このちくはぐ感は、そういう地域に置かれている自衛隊や各種装備を見ると
納得がいくのです。パトリオットミサイルについていうと、米軍基地のある三沢、横田
、横須賀、岩国、沖縄については、航空自衛隊のパトリオットミサイルのカバーエリア
に入っています。つまり、在日米軍基地の防空は、航空自衛隊がその任務を負っている
のです。
 米軍が1兵もいない北海道に関しては、陸上自衛隊がその戦力の大半を割いて防衛し
ていること、さらにF15戦闘機で編成された航空自衛隊の二個飛行隊(約40機)が
空を守っているのに対し、米海兵隊が1万9000人もいる沖縄では、陸上自衛隊の第
1構成団が配置されているものの、戦闘の主力となる普通科部隊(歩兵)は1個連隊に
相当する人数しか配備されていないといった具合です。
 要するに、日本という国を米軍と自衛隊がうまく役割分担して守っていることになり
ます。そのためにこそ、米軍と自衛隊はかなり頻繁に共同訓練を重ねてきており、その
息はぴったりと合っているのです。米国は、極東の重要拠点である日本列島を自衛隊の
戦力に合わせて、米軍を効率的に配備している――そのようにいえると思います。自衛
隊は在日米軍と一体となって日本列島を守っているのです。
・・・ [自衛隊の実力/12]

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