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2007年06月20日

●本当の平和主義はどうあるべきか(EJ第1388号)

 日本の周辺諸国は、戦争を放棄している現在の憲法の下で、膨大な国防予算をかけて
自衛隊が強力な軍隊として育ちつつあることを不安視している――こういうことがよく
いわれています。
 しかし、これは大いに疑問であると思うのです。日本の国内には左派勢力を中心とし
て「何が何でも反戦!」というグループがいて、マスコミも何かというと反戦キャンペ
ーンを強める傾向があるのです。
 例えば、沖縄では、反米軍基地・反自衛隊の声が主流であるようにマスコミは伝えま
すが、その一方において米軍に基地を提供することを容認し、自衛隊誘致に熱心な地域
もかなりあることを知りながら、積極的に伝えようとはしていないのです。
 沖縄県が米軍基地から得る収入は年間2000億円で、これは観光収入に次ぐ収入源
となっているのです。もうひとつ見落とすべきではないのは、米軍基地が8000人の
日本人を雇用する沖縄県庁に次ぐ大口雇用先となっている事実をです。
 このことは、沖縄に駐屯する自衛隊の場合も同じであり、現在沖縄の自衛隊は、全国
水準の給与が保証される数少ない高収入就職先として人気の高い職場となっているの
です。このこともよく知った上で、沖縄の米軍基地問題を考える必要があります。
 同じことが日本の周辺諸国についてもいえるのです。日本のマスコミは、中国と韓国
の声を「近隣諸国の声」あるいは「アジア諸国の声」として複数形にまとめて伝えており、中国・韓国以外の諸国の声をあえて抹殺しているようなところがあります。
 インドの最高裁弁護士のラケシュ・デヴィーディ氏は、中国の軍拡を懸念して、次の
ようにいっています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
       アジアで強いリーダーシップをとれる民主国家は日本とイン
      ドしかいない。中国をけん制するためにも両国が日米同盟と同
      様の関係を構築していかなければならない。
                ――ラケシュ・デヴィーディ最高裁弁護士
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 これは、日本が軍備を強化してインドと軍事同盟を結び、中国の軍拡に対抗しようと
呼びかけているのです。こういう考え方を持つ国はインドだけではなく、台湾をはじめ
マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム、パラオ、オーストラリアなど多くの国々が
日本の軍事的貢献あるいはプレゼンスを求めているのです。
 これらのアジア諸国は、かつての日本軍が、歴史上ナポレオンやヒットラーも打ち破
ることができなかった帝政ロシア軍を破り太平洋戦争では、アジアのちっぽけな島国が
世界最強の米国軍や中国軍、大英帝国軍を向こうにまわして4年間も戦い抜いたことに
対する畏敬の念が明らかにあるのです。
 もちろんそれらの諸国は、日本への畏敬の念の裏返しでもある日本の軍拡へのシフト
の恐れもあるのですが、少なくとも中国と日本とは違うと考えている人が多いです。
 もし、このことに違和感を覚える人がいたら、ぜひ太平洋戦争がどういう戦争であっ
たのか、どういう経緯で戦争にいたったのか、占領統治した日本軍が相手国に何をした
かについて客観的に調べてみるとよいと思います。今なら小林よしのり氏の『戦争論』
をはじめ、多くの文献があるからです。
 本来東南アジア諸国は、太平洋戦争の激戦地であり、その被害の大きさから日本軍に
対する憎悪が強いと思われがちですが、歴史認識と対日感情は日本で報じられているも
のとは大きく異なるのです。あるフィリピン人は次のようにいっています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
       かつて日本の統治を受けた台湾や韓国を見てください。立派
      に経済的な繁栄を遂げているでしょう。これは日本の「教育」
      の成果です。かたや、アメリカの統治を受けたフィリピンでは
      人々は鉛筆すら作ることができなかったのですよ。それはアメ
      リカが自分達の作ったものを一方的にフィリピンに売りつけて
      きたからです。            ――マリオ・ピネダ氏
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 また、マレーシアの元上院議員であるラジャー・ダト・ノンチック氏は、次のように
いっています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
       私たちアジアの多くの国は、日本があの大東亜戦争を戦って
      くれたから独立できたのです。日本軍は、永い間アジア各国を
      植民地として支配していた西欧の勢力を追い払い、とても白人
      には勝てないとあきらめていたアジアの民族に、驚異と感動と
      自信を与えてくれました。長い間眠っていた「自分たちの祖国
      を自分の国にしよう」というこころを目醒めさせてくれたので
      す。  名越二荒之助編、『世界から見た大東亜戦争』、展転社
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 しかし、日本人の多くは「かつて日本軍はわざわざ海外に出ていって悪いことをした
のだから、これからも日本の軍隊が海外に出ると危ない」と考えています。これは「太
平洋戦争が侵略戦争であった」という催眠術をかけられているから、こういう発想にな
ってしまうのです。もし、本当に旧日本軍がそんなことをしていたら、日本は台湾をは
じめ、東南アジアの諸国から総スカンを食っているはずです。中国や韓国は思惑の違い
があるのです。
 外国の武力侵攻に対して一切抵抗しないという「非武装中立」の本質は、侵略国の武
力行使を結果として容認することになるのです。これは「容戦主義」であり、本当の平
和主義とはほど遠い考え方であると思います。
 毎年秋になると、富士総合火力演習という陸上自衛隊の大規模な実弾射撃演習が行わ
れます。この訓練には、各国の駐在武官が招待されています。
 その演習は精緻を極めるもので、ほぼ百発百中の実弾射撃が目の前で展開されるので
す。そして、各国の駐在武官に対して、暗に日本への侵略がいかに高くつくかを認識さ
せる狙いがあるといわれます。これは、安価にして、もっとも効率のよい、効果的な抑
止力となっているわけです。            ・・・[自衛隊の実力/19]

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