『反日特別法』成立の背景(EJ第1319号)
沖縄県の尖閣諸島・魚釣島への中国人活動家の不法上陸事件と沖縄県警による活動家
らの逮捕、それに対する中国政府の抗議と強制送還、台湾総統選挙の再集計(験票)問
題、北朝鮮の日米批判――日本周辺が尋常ならざる状況になっています。
2003年10月9日のEJ第1208号において、「反韓史観」というものについ
て説明しました。3月2日に韓国で成立した「反日特別法」は、この「反韓史観」に基
づいています。
「反韓史観」を再現しておきます。
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韓国は親日・親米の民族勢力によって発足したアメリカ帝国
主義の植民地であり、そもそもが誕生してはならない国なので
ある。これに反して、北韓は抗日愛国勢力によって打ち立てら
れた人民主権の国家であるゆえに、北韓を中心に統一された場
合のみ、民族の将来は保障されるものである。
――『反韓史観』
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これは、故金日成がさかんに唱えていた主張なのです。要するに、韓国という国は、
旧日本軍の残した遺産を使って、親日・親米の人たちが中心になってつくった国であっ
て、本来ならば誕生してはならない国であるという論理です。
この前提には、朝鮮半島は、抗日愛国勢力による人民主権の国家でなければならない
という考え方があります。しかし、北朝鮮については、抗日愛国勢力による人民主権の
国家であって問題はないので、韓国もそういう国家に改造する必要があるというわけで
す。この考え方は、韓国における親北・左派勢力の考え方と一致し、その頭目が金大中
前大統領なのです。
金大中は自分が大統領在任中にそういう基盤をつくり、盧武鉉大統領をけしたてて、
ついに「反日特別法」を圧倒的多数をもって成立させたのです。金大中の引いた路線が
着実に実っていることになります。
何しろ金大中という人は、自分が大統領在任中に「一民族二体制」を根づかせて、次
の大統領として仮に「アンチ金大中」が就任しても絶対に元の路線には戻せないように
してやる――と明言していた人なのです。盧武鉉大統領は完全に金大中の配下ですから
計画は急ピッチで進んでいることになります。
2000年6月13日、金大中と金正日は南北首脳会談において南北共同宣言を行っ
ているのですが、そのとき重要なことが約束されているのです。南北共同宣言の第二項
には次のようなことが書いてあります。
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両国の統一のための南側の連合制案と、北側の低い段階の連
邦制案は、互いに共通点が多いことを認め、今後この方向で統
一を目指していくこととした。
――南北共同宣言の第二項
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「南側の連合制案」とは何でしょうか。
金大中は、次の「三段階統一案」というものを前から提案していますが、「連合制」
というのはその第一段階に該当します。
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第一段階:南北連合 ・・ 国と国が主権を持って連合
第二段階:連邦制移行 ・ それを連邦制レベルに移行
第三段階:完全統一 ・・ ひとつの国として完全統一
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韓国の憲法には、「南北統一」について、「自由民主主義体制で統一する」と明記され
ています。北朝鮮は、「主体思想で統一する」としてあります。これは、動かし難いも
のです。
そこで、金大中案は、まず、第一段階として、自由民主主義の韓国という国家と主体
思想の北朝鮮という国家が、それぞれ主権を持ったまま連合する――これを南北連合と
いうのです。
これに対して、北朝鮮の提唱する連邦制案というのは、実は故金日成がかねてから唱
えていたものであって、両国の社会体制はそれまで通りそのまま維持する、すなわち、
資本主義と社会主義を維持したうえで連邦制を組むというものです。
したがって、基本的なところは、金大中案と同じではないかというわけなのです。こ
の体制でしばらくやって、時間をかけて国家統一を実現しようというわけです。
しかし、これに対して「騙されてはならない」と警鐘を鳴らしているのは、北から亡
命したファン・ジャンヨブ氏なのです。北朝鮮の連邦制統一法案は、体制競争で勝利す
るための戦略的法案であって、うかうかとこれに乗ると、必ずや朝鮮半島は主体思想の
もとに統一されてしまうことになるといっています。これは、金日成が練りに練り上げ
た必勝の統一法案だというのです。
金日成の考え方はこうです。
北と南が社会体制はそのままで連邦制を組んだとします。そしてお互いに自由に連邦
間を行ききして話し合いや宣伝などをやることになります。
その場合、北はひとつの思想で統一された国家であり、南からいかに宣伝されても少
しも影響を受けることはない――しかし、南は自由の国であるから、北から南に行って
社会主義の優越性などの宣伝を行えば、少なくとも南の人民の半分は思想的に奪い取る
ことはできるはず――金日成はこう考えたのです。
そうするとこういう結論になります。
現在、南の人口は北の2倍ある――しかし、南の半分、つまり1は北が取れるので北
の1と合わせて2となる――つまり、北2に対し、南1となるので、その時点で総選挙
を仕掛ければ、北は勝てるし、戦争をしても北が勝利することになる――こう金日成は
いっているのです。
この可能性はとても高いです。もしかすると、現在の韓国の3分の1は、既に親北化
している可能性があります。金日成、金正日、金大中の3金が長い間にわたって、少し
ずつやってきたことが実りつつあるのです。金大中は国を売ったのです。
・・・[2004年時点の東アジア情勢/16]
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