INTEC JAPAN/BLOG

このブログは、異文化研修の教育機関(株)インテック・ジャパンの情報発信用です。(株)イー・メディアとの提携により、同社のドキュメント・レポート「Electronic Journal」をウィークデイの毎日お届けします。
「Electronic Journal」は様々な情報を400字詰原稿用紙7枚にまとめて配信する日刊メールマガジンです。

<< 北朝鮮の3段階戦略(EJ第1322号) | トップ | 金大中前大統領がやったこと(EJ第1324号) >>

2007年07月20日

ワイドな視点から世界をとらえる(EJ第1323号)

 6月22日から始めた朝鮮半島問題――途中で台湾のことにも触れましたので、今朝
で20回目になります。このテーマは来週も続きます。もうウンザリという人もいるか
も知れませんが、日本にとって非常に重要なことですから、ぜひ読んで考えていただき
たいと思います。現在の日本を考える一視点が提供できればと考えて書いております。
 しかし、こういうテーマを取り上げて書いていると「右寄りで硬派の主張」というレ
ッテルを貼られてしまう恐れがあります。現在、大半の日本人は、左右どっちつかずの
事なかれ主義――というよりも、どちらかというと反戦平和を唱える左寄りの人が多い
ようですから、少しでも右寄りのことを書くと「右寄り思想」とか、「右翼」とか極め
つけられてしまいます。
 ある知人がいっていたのですが、外国では自国の国旗をTシャツやバッグや車などに
平気でデザインしますし、それを着たり、持ち歩いたり、走ったりしても、何も不思議
ではなく、なかなかお洒落で、ごく日常的なことです。
 しかし、日本で日の丸のTシャツを着たり、日の丸入りのバッグを持ったり、車に日
の丸をデザインしたりすると、たちまち右翼と思われてしまいます。それにいまだに学
校では、国旗・国歌でもめています。そういう意味では韓国だけでなく、日本も異常な
のです。自分の国の国旗や国歌に敬意を払わない国――それが日本なのです。そんな国
が世界にあるでしょうか。
 EJを書くとき私は、このテーマに限らず、収集した膨大なデータを客観的に分析し
ごく常識的なことをできるだけ平易に書いているつもりです。現在の日本は内政でも外
交でも非常に厳しい状況の只中にあると思います。しかし、そういう厳しい現実から目
を叛けている日本人があまりにも多いと思うのです。
 それに新聞も必ずしも真実を伝えていません。日本の新聞だけを読んでいても世界の
動きはわからないと思います。そのため、外国の新聞や雑誌にも目を通し、ワイドな視
点に立って物事を見る――そうでないと、世界全体がどう動いているのかが見えてこな
いのです。EJでは、組織で情報を集めているわけではないので、そういう立場に立つ
のは難しいのですが、できるだけ努力しているつもりです。もう少しお付き合いください。
 韓国がおかしい――多くの識者がそういっています。4月1日発売の新刊書に『北朝
鮮化する韓国』という本があります。まさに、そのものズバリのタイトルですね。こう
いう本が出るということは、EJで主張しているようなことが現実に起こっていること
の証拠でもあります。
 韓国は、4月15日に総選挙が行われます。3月31日に既に公示され選挙戦がはじ
まっています。この総選挙は弾劾訴追で憲法裁判所の最終審判を待つ身の盧武鉉大統領
の信任投票の性格が強いのです。しかし、弾劾反対の世論の高まりと与党人気という2
つの追い風を受けて、与党が圧勝する展開なのです。具体的には、「議席の過半数」か
3分の1の「100以上」をクリアしそうな勢いなのです。弾劾が可か否かの瀬戸際に
立つ大統領の現在の与党「ウリ党」が圧倒的な勝利の予想――普通は考えられないこと
ですが、現在の分析ではそういう可能性が高いのです。
 現在、韓国の政界はかなり複雑になっていますので、整理しておきましょう。
 もともと盧武鉉大統領の与党は「新千年民主党」という党なのです。ところが、20
03年9月19日、盧武鉉派の議員が「国民参与統合新党」を結成して、新千年民主党
を脱党してしまったのです。その原因は、盧武鉉派の急進路線が新千年民主党に受け入
れられないため、集団脱党となったのです。そして、盧武鉉大統領自身も新千年民主党
から脱党しています。大統領が脱党すること自体は別に珍しくはないのですが、政権奪
取直後の脱党は異例なことといえます。
 そして、10月27日に新党の名前は、「開かれたウリ党(ヨルリン・ウリダン)」
(以下、ウリ党)と決まったのですが、この名前は韓国人にも奇妙な名前に感じられそ
うです。盧武鉉大統領は直ちにウリ党入党を宣言しますが、現時点では入党していない
ので、おそらく総選挙後に入党するものと思われます。
 このウリ党の正体は何でしょうか。
 それは改革を表に掲げた社会主義的な政党であり、急進的な革新政党といえます。韓
国の既存政党は極度に腐敗しており、新千年民主党も例外ではないのです。したがって
ウリ党はそれらと決別したクリーンな政党というイメージを作るべく新千年民主党から
脱党したものと思われますが、今のところ国民が味方について大成功といえます。そし
て、ひそかに彼らは憲法改正に必要な3分の2以上の議席を得ようとして、脱党という
思い切った手段に出たのだと思います。
 韓国では政治の不正行為や腐敗行為のことを「非理(ピリ)」といっており「非理」
を暴露して野党を切り崩すことは政治手法として使われています。今回はこれに大統領
弾劾ということが加わったので、非理の暴露が効果的に効いたのです。
 しかし、もともと韓国の混乱は、盧武鉉大統領の側近の非理が発覚して、昨年の10
月16日逮捕されたことがキッカケなのです。これを受けて大統領は、再信任を求める
と言明し、殊勝な姿勢を示しておいて、そのうえで対立陣営――ハンナラ党と新千年民
主党の非理をあぶり出す戦略に出たのです。これは大統領による野党へのブラフ以外の
何ものでもありません。
 実際の動きとしては、12月6日に検察は、三星、LG、SK現代自動車、ロッテを
捜索しています。これは、大統領の反撃なのです。その結果、1月12日、最高検察庁
は政治資金法違反と収賄の疑いで与野党議員8人を逮捕しています。ハンナラ党5人、
民主党2人、ウリ党1人という内訳です。
 これをきっかけにして韓国のマスコミは、ハンナラ党の非理に焦点を合わせて過熱ぎ
みの報道をはじめています。その結果が圧倒的なウリ党支持なのです。完全なドロ合戦
ですね。             ・・・[2004年時点の東アジア情勢/20]

kNi.jpg

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://www.intecjapan.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/718

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

カレンダー

最近のコメント