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2007年08月01日

ユーモアある人を採用せよ(EJ第269号)

 サウスウエスト航空の最大の売りは「格安運賃」です。一体どの程度安いのでしょう
か。サウスウエスト航空はどの路線においても格安運賃を設定し、自ら「低運賃エアラ
イン」と名乗っているのです。
 サウスウエスト航空の場合、どの市場に参入しても必ず運賃を三分の一から半分に抑
えられるということでそれを実現してきたのです。例えば、ダラス〜ヒューストン間で
はこの低価格戦略によって実に69%のシェアを牛耳る戦果を上げています。
 具体的な例を上げると、かってダラス〜サンアントニオ間でブラニフ航空のエコノミ
ークラスが62ドルだったときに、サウスウエスト航空の運賃はたったの15ドルだっ
たのです。これでは競争相手はお手上げでしょう。
 また、1991年にサクラメント市場に参入したとき、サクラメント〜オンタリオ間
の普通運賃は、他社が440ドルだったのに対して、サウスウエスト航空は118ドル
だつたのです。
 また、オハイオ州のコロンバス〜セントルイス間では、平均的普通往復運賃が672
ドルであったときに、サウスウエスト航空は98ドル。クリーブランドでは、シカゴま
での普通片道運賃が、他社の310ドルに対してサウスウエスト航空では59ドルとい
った具合なのです。
 サウスウエスト航空のこうした格安運賃政策は、米国全土の地方自治体や企業が誘致
キャンペーンを巻き起こしています。ミルウォーキーのミッチェル国際空港にいたって
は、サウスウエスト航空を誘致するために、専用のゲートを設けてペンキを塗り、カー
ペットまで敷く熱の入れようでしたが、サウスウエスト航空はまだ乗り入れてはいない
ようです。
 しかし、どのようにしたら、このような低価格が実現できるのでしょうか。その実現
には、従業員が本当に一生懸命に働くことが基本になります。それでは、サウスウエス
ト航空にはどのような人材がいるのでしょうか。
 サウスウエスト航空には人事部という部署はなく、人材部が設置されています。同社
の従業員採用の基本は「ユーモアのセンスがあること」という変わったものです。その
理由は、ユーモアのセンスのある人は、変化にも素早く対応できるし、プレッシャーの
中でも面白いことを考え出すことができるから、といっているのです。
 現在のサウスウエスト航空のCEOであるハーブ・ケレハーはこういっています。
「サウスウエスト航空にとって従業員は、単なる資源ではない。欲求と感情を持つ生身
の人間であり、この人たちを満足させることこそ最も重要な課題である」と。
 先日、サンデープロジェクトの特集で、リストラせず終身雇用制を貫いている横川電
機(株)が取り上げられていましたが、その横川電機の社長が「当社は『人材』を『人
財』と考えています。職員は材料の『材』ではなく、財産の『財』だと考えています。
ですから当社には定年はないし、リストラをしないということを社是にしております」
といっていましたが、考え方はサウスウエスト航空のケレハーCEOと同じです。
 さて、ケレハーCEOによると、なぜユーモアのセンスが必要であるかというと、仕
事のことはいくらでも教えられるが、どんなに会社が頑張っても教えられないものがあ
る。それは、一人ひとりが持って生まれた資質である。資質は変えられないし、教えら
れるものではない。だからそういう資質を重視するわけです。
 ところで、同社の採用面接では、面白い逸話がたくさんあるのです。あるとき、8人
のパイロット志願者がケレハーの面接を受けたときのことです。そのとき8人全員がダ
ークスーツに黒い靴を履き、礼服用の靴下という服装をしていたのです。普通の会社で
あれば当然の服装ですね。
 ところがケレハーはそれをからかったのです。そしてこういったのです。「そんな面
白くない格好していないで、当社のバミューダショーツに着替えてリラックスしてごら
んなさい」と。これを聞いて8人の応募者のうち2人は憤慨して、そのまま帰ってしま
ったというのです。
 何しろスーツのジャケットにネクタイ、黒靴、靴下にバミューダショーツですから、
見るからに珍妙な格好です。帰った2人はそんなみっともない格好ができるかというこ
とで帰ってしまったのでしょう。その気持はわからないでもありません。どういう格好
かは、添付ファイルをごらんください。
 しかし、残った6人はそういう格好に着替えてもう一度面接を受け、全員採用になっ
たというのです。サウスウエスト航空のパイロットはそういう馬鹿らしいことでも、ユ
ーモアのセンスで受け入れられる人でないと困るというのが、ケレハーCEOの考え方
なのです。
 ここに興味あるデータがあります。1995年にサウスウエスト航空の人材部は、採
用予定者は5473人に対して、外部からの応募者12万4000人を受け付けたので
す。凄い人数です。しかも、同社の人材部では、その中から3万8000人に面接を行
い、5444人を採用しているのです。この数字は、同社がいかに人材を慎重に選ぶ会
社であるかを示していると思います。
 サウスウエスト航空のユーモア6原則をご紹介します。
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       1.おかしいことを考えよ
       2.遊び心に満ちた態度を取れ
       3.最初に笑う人間になれ
       4.あざ笑うのではなく共に笑え
       5.自分自身を笑え
       6.仕事は真剣に、だが自分のことで深刻になるな
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 サウスウエスト航空は、従業員の離職率が一番低いことで知られています。それは仕
事が楽しいからといわれています。そしてもちろん同社は「レイオフはしない」ことを
社是としています。             ・・・[サウスウエスト航空/03]


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