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2007年08月06日

SW航空の存在意義を問う(EJ第273号)

 サウスウエスト航空が、低運賃での運行を実施していることは、それを利用する人々
にさまざまな恩恵をもたらしています。例えば、サウスウエスト航空を利用すれば、朝
フェニックスに飛んで会議に出席し、夜にはフェニックスの家に戻って、翌日またフェ
ニックスに飛ぶことが可能になります。その方がホテルに泊まるよりも安くつくからで
す。
 また、デトロイトに住む医学生たちが、毎週水曜日の夕刻にシカゴの大学の講義に出
席できるのもサウスウエスト航空のおかげなのです。その医学生たちから講義に出るの
が15分遅れるという手紙が寄せられてその事実を知ったケレハーCEOは、講義に合
わせてフライト・スケジュールを変更したといいます。他の航空会社がそんなことをす
るでしょうか。
 さらにオースチンに本社を置くメキシコ料理店の店主は、店の拡張を計画中ですが新
しい店を置く都市は、サウスウエスト航空の組織のある都市に限ることにしています。
飛行機にすぐ乗れて、出費が低く抑えられるというサウスウエスト航空の便利さが彼の
拡張計画には不可欠だからです。
 ダラスに住むある主婦は、子供たちが学校に行く年齢になるとオースチンにあるテキ
サス大学法学大学院に入学を申し込み、入学が許可されると、ダラスからサウスウエス
ト航空を利用して毎日通い、弁護士資格を手に入れることができたのです。300キロ
以上離れた学校に通うことができたのは、サウスウエスト航空のフライト・スケジュー
ルと格安運賃のおかげなのです。
 最近日本でもスカイマークエアラインズなど格安運賃の航空会社ができていますが、
価格もまだ高く、便数も非常に少ないので米国人がサウスウエスト航空から受けている
サービスとはほど遠いものがあります。新幹線通勤は最近では珍しくなくなりましたが
サウスウエスト航空のような航空会社が日本にあれば、飛行機通勤も可能になります。
名古屋、大阪、仙台などからの東京への通勤も可能なのです。しかし、それには低運賃
であること、空港が近いこと、便数が多いことなどの難問を解決しなければならないの
です。
 サウスウエスト航空ではこれら3つのことをすべてクリアしています。だからこそ支
持されるのです。サウスウエスト航空の場合、支払われた以上のものを与えることに専
心しています。低運賃でひどいサービスを提供したり、高運賃で良いサービスを提供す
ることなら誰でもできます。しかし、低運賃で良いサービスを提供することが至難のわ
ざであることをサウスウエスト航空は理解しているのです。期待以上のものを提供し、
顧客に敬意を払い感謝する――これこそ同社を成功に導いた大きな要素なのです。
 さて、経費削減にはこういう話があります。
 サウスウエスト航空には、デジタル技術とメカトロニクスの訓練を受けた創造力豊か
な技術チームがあります。同社が、アルバカーキに新設する予約センターに800台の
PCが必要になったとき、購買部長のマイク・ゴールデンは、コストの面から考えて購
入するよりも自分達で作った方がよいと判断したのです。
 技術チームが中心となって、社内からPCの組み立て作業の応募をしたところ、ウデ
に覚えのある多くの従業員が参加して、800台のPCはあっという間に組み立てられ
てしまったといいます。この結果、PC1台について50%、総額100万ドル以上を
節約したのです。
 私は、これはいいアイデアだと思います。とくに日本の場合、専門の情報システム部
門でもPCのエンジニアは少ないのが現状なのです。そういう状況を打開し、社内に一
挙にPCに詳しい社員を養成するために、自社のPCくらい自社で組み立てたらどうか
と考えます。PCを組み立て、OSやアプリケーションソフト自らインストールすれば
PCのことは一挙にわかってしまうからです。
 このようにいうと、PCを組み立てるなんて無理と考える人がいるかも知れませんが
、PCの組み立ては、ドライバー一丁あれば可能であり、プラモデルを組み立てる程度
の難易度でしかないのです。現在のPCは、AT互換機といってすべてを部品にばらす
ことができるので組み立てが可能なのです。なお、AT互換機については、EJ229
〜230号で取り上げています。
 PCを自社で組み立てることのメリットは次の通りです。
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      1.コストを低く抑えることができる。
      2.社内にPCに詳しい人が増加する。
      3.修理などは自社内で対応ができる。
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 サウスウエスト航空では「祝典」に力を入れています。それは祝典が事業の推進力に
なっている価値観を従業員に意識させる重要な手段であるからです。事業に貢献した従
業員たちを会社の英雄として褒賞することで、その企業ではどういう行動が望ましいか
が明確になるからです。
 褒賞制度については、どこの企業でもやっていることであり、それほど珍しいことで
はないと考えるかも知れませんが、サウスウエスト航空の場合、年次受賞パーティー以
外に2ヶ月に1度の「勝利者賞」の授賞式があるのです。おそらくこのような短い頻度
で表彰者を決め、表彰式を開いている企業は、多くないと考えられます。
 勝利者賞は、サウスウエスト航空の価値観と理念を実践している10人程度の従業員
が表彰されるものです。同僚、ときには顧客からの推薦によって9人から成る選考委員
会によって審議され受賞者は本社ビルの役員会議室で行われる授賞式に招かれます。
 この他、不定期に与えられる「ユーモア賞」、「社内で一番元気で賞」、「心の英雄
賞」、「破天荒な顧客サービス賞」など多くあり、年中表彰ばかりやっているのです。
これについては『破天荒』に詳しく書かれており、他企業にとってもヒントになること
が多いので参照されることをお勧めします。  ・・・[サウスウエスト航空/06]

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