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2008年07月28日

シドニア地区の立体構造物の正体(EJ第1536号)

 1975年の夏のことです。NASAは火星の周回軌道に向けて2機の無人探査機を
打ち上げています。ヴァイキング1号と2号です。1976年の夏にヴァイキング1号
は探査機が火星の周回軌道に達し、7月20日に同探査機から発射された着陸船が火星
の地表に降り立ったことは既にお話しした通りです。
 さて、火星の赤道から見て約41度北に「シドニア地区」と呼ばれる荒地があります
。探査機が35回目の軌道周回を行ったさい、このシドニア地区を撮影した写真を送っ
てきたのですが、その中に驚くべきものが写り込んでいたのです。
 35回目の軌道周回で撮影された写真は全部で72枚あるのですが、その中の1枚に
「35A−72」と名づけられた写真があります。添付ファイルの写真Aがその「35
A−72」です。
 その「35A−72」には、どのように見ても人間の顔としか思えない形状をした台
地が写っているのです。その台地には、矢印を付けておきました。そして、その台地を
拡大したのが写真Bです。どうでしょうか。その幅は1.6キロもありますが、どう見
ても人間の顔にしか見えません。
 この火星の顔のことを「人面岩」というのですが、この岩に最初に気が付いた人物が
トビー・オーエンという人です。オーエンはNASAが画像処理を依頼している「ディ
ープ・スペース・ネットワーク」の画像処理班の一人です。オーエンは続いて火星に飛
来してくるヴァイキング2号の安全な着陸地点を大きなルーペで探しているときに偶然
に人面岩を発見したのです。
 オーエンは驚きの声を上げて周りにいる人にその写真を見せましたが、幅が1.6キ
ロもある人の顔が火星表面にあるはずがないという常識的な考え方で、この顔の存在を
否定してしまったのです。かくして、いわゆる火星の人面岩論争が始まるのですが、そ
の決着はいまもってついていないのです。
 オーエンが声をかけた一人にジェリー・ソフェン博士がいたのですが、彼は記者団に
この「35A−72」を見せて次のようにいったそうです。
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       光と影は、ときとしてとんでもないものを造りだしてしまう
      ようです。これが人間の顔のように見えるのは、光が当たった
      角度によってできた陰影が原因と思われます。数時間後に同じ
      地域を撮影した写真には、このような構造物はまったく写って
      おらず、ごく普通の台地が写っているだけでした。
                     ――ジェリー・ソフェン博士
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 ソフェン博士が行った記者会見の記者席に後にこの人面岩の権威といわれる存在にな
るリチャード・C・ホーグランドがいたのです。彼はそのとき「アメリカン・ウェイ」
誌の記者という資格でその記者会見に参加していたのです。
 とくかく博士と名乗る人物が「光と影のいたずら」といえば、情報もなく、知識もな
い人間はそれに一応納得するはずです。ホーグランドも博士の説明に納得した一人です

 さて、人面岩の発見と検証について抜きには語れない次の2人の人物がいます。
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      ヴィンセント・ディピエトロ ・・・・ 画像処理の専門家
      グレッグ・モレナー ・・・・ コンピュータ・サイエンス
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 ヴィンセント・ディピエトロは、14年以上にわたる画像処理及びデジタル技術の専
門家ですが、彼は『地球外生命体考古学』というタイトルの付いた小冊子で火星の人面
岩をはじめて見たのですが、そのときはあまり関心を持たなかったのです。
 それから2年半後に、メリーランド州グリーン・ベルトにあるNASAのゴダード宇
宙飛行センター内に設置された国立宇宙科学センターで同じ人面岩の写真を見つけたと
き、彼はそれを不思議に感じたのです。なぜなら、NASAが何の意味もなく、写真を
保存するはずがないからです。
 NASAは、既にジェリー・ソフェン博士によって、その写真は「光と影のいたずら
」と片付けてしまっており、本当にそうであればそんな写真を残しておくはずがないか
らです。
 ディピエトロは、友人のグレッグ・モレナーにこのことを相談したところ、モレナー
もその写真に興味を持ち、空いている時間を利用して一緒に調べてみることにしたので
す。
 検証の方法は、コンピュータによる画像処理で、画面内にある被写体の輪郭を際立た
せ、全体像をより明確にするという方法なのですが、画質向上のために何回も試行錯誤
を繰り返した結果、通常NASAが画像解析に用いる手法とは異なる新技術の開発に成
功したのです。この手法を「SPIT」といいます。
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      SPIT = Starburst Pixel Interleaving Technique
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 このSPITという手法によって人面岩画像の検証作業を進めた結果、幅1.6キロ
の台地が人間の顔を思わせる完全な左右対称構造であることがわかったのです。太陽光
が当たっていなかったため影となっていた部分には、明るい部分に写った目と同じ大き
さと形状をしたもうひとつの目も確認できたのです。眉毛も鼻も口も、人間の顔と同じ
ように配置されていたのです。
 ヴァイキング1号がこの写真を撮影したとき、太陽光線は10度というきわめて低い
角度から当たっており、陰に隠れた部分に写っているものはまったく判別できなかった
のです。ところが、SPITによる画像解析技術によって、それが白日の下に明らかに
なったのです。
 NASAは人面岩の存在を否定していますが、SPIT分析では、それは「光と影の
いたずら」ではなく、左右対称の立体構造をしていることが判明したのです。しかし、
「35A−72」という1枚の写真だけではいかにも説得力がなかったのです。
                          ・・・[火星の研究/15]


     ≪画像および関連情報≫
      ・写真A ・・・ シドニア地区
      ・写真B ・・・ 人面岩
      ・グレック・モレナー&ヴィンセント・ディピエトロ

35A−72と人面岩

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