ロングテール理論で広告が変わる/0001号
●ロングテール理論とパレートの法則
最近「ロングテール(長い尻尾)理論」という言葉がよく使われます。「ロ
ングテール理論」とは一体何でしょうか。
小売業の世界に次のような法則というか経験則があります。
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20%の売れ筋商品が80%の利益や売り上げをもたらす
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小売業には「売れ筋」「死に筋」と呼ばれる商品があり、数ある商品のなか
から売れ筋商品をいかにして発見し、それを限られた店舗スペースにどのよう
に並べるかが商売の鍵を握るといわれているのです。
これは一般に「80対20の法則」といわれ、今から100年ほど前に経済
学者のパレートが発表した法則です。提唱者の名をとって「パレートの法則」
ともいわれます。この法則は次の言葉によって有名になったのです。
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世界の冨の80%は、人口の20%の人々によって占有される
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ここで、「人口の20%の人々」とはユダヤ人のことを指しているといわれ
ています。また、この考え方は、ビジネスの世界では「大事な20%と、取る
に足らない80%」として、次のような経営のルールになっています。
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取るに足らない80%は無視して、重要な20%にリソースを投入せよ、
それが経営の効率性を高める
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この法則は、リアルの世界の書店で本を売るときにも当てはまります。売れ
ないと考えられる80%の本を無視し、売れると考える20%の本を中心に商
売するという考え方です。店舗のスペースが限られているからです。
ところが、このパレートの法則の逆を行くのが「ロングテール理論」なので
す。米国に「バーンズ・アンド・ノーブル」という大型書店があります。この
書店が持っている本の在庫は約13万タイトル――しかし、ネット書店のアマ
ゾン・コムは、全売り上げの40%を第13万位以下の本――要するに売れな
い本から上げているのです。
1年間にどのような本が売れたかを示すグラフを作る場合を考えてみましょ
う。縦軸に「売れた部数」をとり、横軸に左から売れた順に一冊ごとに書名を
書いていくことします。そうすると、グラフは左から急降下するカーブを描き
右に向ってゼロすれすれの長い線ができるはずです。恐竜の尻尾のようなこの
長い線のことを「ロングテール――Long Tail」というのです。
アマゾン・コムは、ネット書店であるため、230万タイトルという膨大な
書籍を保有できるのです。したがって、リアルの世界の書店では取るに足らな
い13万位以下のいわゆる“売れない”本――1年に一冊売れるかどうかの本
の売り上げが、積もり積もって売り上げの40%を占めているのです。これが
ネットの世界を支配するロングテール理論です。
●広告・宣伝の世界が変えるロングテール理論
ロングテールというネットの世界の法則が、リアルの世界にも影響を及ぼし
つつあります。とくに影響が大きいのは広告・宣伝の世界です。
テレビCMはもちろんのこと、新聞でも雑誌でも広告・宣伝には半端でない
お金がかかります。したがって、主要メディアに広告が打てるということは企
業のひとつのステータスになるほどです。
そういうわけですから、広告・宣伝会社の営業部は広告予算を持っている企
業に絞って営業を行っているのです。顧客数はせいぜい数千社程度であると推
定されます。これは、リアルの書店が売れそうな本に絞って店舗に並べるのと
同じ考え方です。
しかし、ネット広告に関してはいうならば、「広告・宣伝はお金がかかるも
の」というリアルの世界の常識は通用しないのです。ネット広告のコストはき
わめて低廉であり、しかもリスクが少ないのです。したがって、ネット広告で
あればどのような企業でも出すことができるのです。例えば、数人でやってい
る個人企業でも、セールスパーソン個人でも広告が出せる時代なのです。この
考え方に立つと、広告・宣伝の営業のターゲットは大幅に広がります。
ネット広告なんか誰が見るものか――こういう批判をする人は少なくないで
しょう。しかし、それはネットの世界を知らない人々であり、ネットを利用し
ようとしない人々の意見です。
ネットの世界はいま大きく変わろうとしています。しかし、ネットの世界は
のぞいてみようとしない限り見えない世界です。それはネットを使っている人
でないとわからない世界なのです。
はっきりしていることは、現代のビジネスはネットの世界を無視してはでき
なくなっているということです。PCを今ビジネスの世界から外せないように
ネットの世界もビジネスの世界に深くかかわっています。
今やビジネスパーソンのほぼ100%がケータイを持っており、誰でも、い
つでも、どこでもネットの世界にアクセスできるのです。したがって、ネット
広告もビジネス上の重要なツールとして使えるのです。 以上
