INTEC JAPAN/BLOG

このフォーラムは、異文化研修の教育機関(株)インテック・ジャパンの情報発信用です。
最新のニュースを毎週月曜日にお届けします。

<< 2006年08月 | トップ | 2006年10月 >>

● 2006年09月 記事 ●

2006年09月04日

ウィキ/Wiki Wiki Webをご存知ですか/0021号

●「ウィキって何!?」――ウィキペディアとの関係

 ブログとSNS――最近はこれらの言葉の認知度はきわめて高いそうです。
しかし、「ウィキ」という言葉をご存知でしょうか。
 「ウィキ」と聞いて、「ウィキペディア」を連想した人は多いと思います。
その方はかなりウェブを利用している人であると思います。なぜなら、そうい
う人であれば、「ウィキペディア」を何度か目にしているでしょうし、利用さ
れたこともあると思うからです。
 「ウィキペディア」というのは、ウェブ上の常識破りの百科事典の名称なの
です。登録などの必要はなく、無料で誰でも利用できるウェブ・サービスのひ
とつです。
 このウィキペディア――日本語版の項目だけで24万項目あり、ブリタニカ
国際大百科事典の日本語項目15万を超えています。月間に700万人が利用
し、毎日約300件の新規項目が増えるというからすごいものです。
 それでいて、そのための編集人がいるわけでなく、専門家に執筆を頼むわけ
でもなく、項目の整理をするボランティアが50人いるだけです。いったいど
うなっているのでしょうか。
 それに答えるには、「ウィキ」について知る必要があります。ウィキの正確
な名称は次の通りであり、そのオリジナル型はワード・カニングハムが開発し
たものです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
      ウィキ ―― Wiki Wiki Web /Ward Cunningham
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 少し専門的にいうと、ブラウザを利用して、WWWサーバ上にハイパーテキ
スト文書を書き換えるシステムのことです。なお、ウィキウィキは、ハワイ語
で「速い」という意味ですが、とくにハワイに関係があるわけではないようで
す。簡単にいうとウィキとは、誰でも自由に書き込んだり、既にあるものを書
き換えたりすることのできるウェブ上の掲示板と考えればよいのです。
 普通の掲示板と違うのは、普通の掲示板は自由に書き込めるが、既に記述さ
れているものを削除したり、書き換えたりはできないのに対し、ウィキはそれ
ができるという点です。したがって、離れた場所にいる複数のスタッフ同士で
ブレン・ストーミングができたりするのです。
 「ウィキペディア」は、このウィキを利用して作られているのです。
 新規に作成すべき項目があるとします。その場合、項目だけのウィキを立ち
上げ、不特定多数にその項目について執筆を呼びかけるのです。たったそれだ
けです。つまり、項目への執筆は、ウェブを利用する不特定多数のネットユー
ザが自発的に行うのです。
 そんな内容が信用できるかというかも知れません。そこがウィキなのです。
間違ったことが記述されると、直ちに誰かが修正し、削除し、加筆する――そ
のため、日を追うにつれて正確な記述になっていきます。もちろん執筆料など
は支払われない。いうまでもなく、利用するのは無料です。このような百科事
典がかつてあったでしょうか。ウェブによって可能になったのです。

●ウィキはCGM(Consumer Generated Media)である

 考えてみると、最近は紙の百科事典や辞書をほとんど使っていないことに気
がつきます。すべてウェブで済んでしまうのです。ちょっとわからない項目が
あったり、歴史上の人名、事件などを知りたいとき、そのほとんどはウィキペ
ディアで解決してしまいます。とても膨大な紙の百科事典などを開く気にはな
れないのです。重いし、不便だからです。
 そのようにしてウィキペディアに助けられているうちに、自然な感情として
自分もウィキペディアに協力しようという気持ちが起こってくるものです。そ
して、自分の専門分野や得意分野のテーマに関しては、新規に書き起こしたり
間違いがあれば修正するようになるのです。
 このような不特定多数がネットを通じて何かを作り上げる共同作業の成功例
として、無料の基本ソフト「リナックス」があります。世界中から腕に自信の
ある有志が続々と参加し、改良に改良を行った結果、ウインドウズに対抗でき
る有力ソフトに仕上がっているのです。
 そのリナックス製品を開発するミラクル・リナックス社の最高技術責任者、
吉岡弘隆氏は次のようにいっています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 こんなやり方はうまくいくはずがないと誰でも思う。失敗例も山ほどある。
 だけど、現実にものすごい知的資産が生まれている。   −−吉岡弘隆氏
 7月27日付/朝日新聞「ウェブが変える」/「無料百科事典」の記事より
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 このようなウィキのようなメディアのことをCGMといっています。これは
ウェブ2.0を語る上で欠かせない「集合知」の集大成といえます。集合知と
は、ブログなどの登場により個々がインターネット上に新たなる知恵を生み出
し、それが集合して全く新しい知識が誕生する現象をいうのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
  CGM――Consumer Generated Media/消費者が生成するメディア
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

2006年09月11日

ブログ+ホームページで双方向メディアになる/0022号

●ウェブ2.0時代の双方向型ウェブサイト――ブログ

 ウェブ2.0――このわかりにくい言葉が巷に溢れています。書店にはこの
関連の新刊書・雑誌が溢れ、ほとんどのビジネス系週刊誌各誌が特集で掲載し
ています。遂にNHKまで、2006年9月4日の「クローズアップ現代」で
取り上げています。このままでいくと、ウェブ2.0は今年の流行語大賞を取
るのではないでしょうか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
    クローズアップ現代/「ネット革命・個人発信が主役」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ウェブ2.0の主役は「ブログ」なのです。ウェブ2.0はいくら本を読ん
でも理解できないと思います。自分でブログを持ち、実際に情報を発信してみ
ることによってはじめて理解できるのです。
 しかし、これほどウェブ2.0がブームになってもブログはかなり誤ってと
らえられています。それは、新聞のブログの紹介記事に原因があるようです。
ブログは一般的に次のようにとらえられています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
          ブログ――日記風のホームページ
          ブログ――簡易型のホームページ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 このように表現されると、ブログはホームページの簡易版というイメージが
定着してしまいます。本格的なものを作るにはホームページなのだが、ブログ
でもある程度代用が効くというイメージになってしまっています。
 それではどのように表現すべきでしょうか。それは、次のようにいうべきで
あります。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ブログとは、ウェブ2.0時代の双方型ウェブサイトである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ブログは機能的には、従来のホームページを超えており、新しい時代のウェ
ブサイトなのです。今やどの企業でもホームページは持っていますが、これだ
けでは不十分であり、これからは、ホームページに加えてブログを開設すべき
です。相互に補完し合うことによって大きな効果が上げられるからです。

●ブログは消費者関与を強められる

 普通のホームページは基本的に「単方向」の機能しかないのです。あるホー
ムページを見て、何かをいいたいと思っても、ホームページサイドでそれがで
きるようにしていない場合は、何もできないのです。
 これに対してブログは、メッセージごとにコメントやトラックバックという
方法で、自由にメッセージを送ることができます。つまり、双方向にコミュニ
ケーションができる機能が標準でついているのです。この点がホームページと
決定的に異なるのです。
 ブログがビジネスにおいて使えるのは、商品に消費者のメッセージを反映さ
せられるからです。例えば、レストランのブログを作り、お勧めメニューそれ
ぞれについて紹介し、その感想を求めたとします。そうすると、メニューごと
にそれを食べた消費者の感想が掲載され、誰でもそれを見ることができます。
 当然のことながら、企業サイドがいくら自社商品の素晴らしさを訴えても、
消費者がそれを額面通りに受け取ることはないものです。しかし、実際にその
メニューを食べた人の感想であれば、消費者は素直にそのメッセージを受け取
るはずです。ブログならそういうことが簡単にできるのです。
 今やホームページ単体ではウェブ・ツールとしては機能しにくくなっていま
す。ホームページにブログを加えることによって、機能を相互に補完し合うこ
とが求められているのです。消費者関与の度合いを強めるためです。
 ホームページとブログの違いをキーワードで示しておきます。両方を合わせ
ると、強力なウェブ・ツールがそこに生まれます。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
      ホームページ            ブログ
      フォーマル             インフォーマル
      受動的               能動的
      待ちの仕掛け            飛び道具
      網羅的               一点集中的
      更新頻度少             更新頻度大
      機械論的              生命論的
      予定調和的             創発的
      スタティック(静態的)        ダイナミック(動態的)
      プロ的               素人的
      探索情報的             経験情報的
      外見で勝負             中身で勝負
      建前的               本音的
      スタンドアロン的          ネットワーク的
  ――宮崎哲也著『Web2.0マーケティング』より。日本実業出版社刊
―――――――――――――――――――――――――――――――― 以上

2006年09月19日

普及率16%を超えるとイノベーションは拡大する/0023号

●バズ・マーケティングが注目を集めつつある

 「バズ・マーケティング」という言葉を聞いたことがありますか。
 「バズ(buzz)」というのは、蜂や虻などが飛ぶときに立てる「ブーン」と
いう音をあらわす言葉です。販売訓練の用語に「バズ・ロールプレイング」と
いうのがあります。セールスパーソンが2人一組になって、販売話法を練習す
る方法です。大勢が一斉にこれをはじめると、周りがワイワイガヤガヤうるさ
いので、これをバズ・ロールプレイングといっているのです。
 バズ・マーケティングもこれと同じで、販売したいサービスや商品について
顧客自らが勝手に宣伝してくれる――要するに、口コミを起させるマーケティ
ングの手法のことです。
 マーケティングの研究家のエマニュエル・ローゼンは、自著において、バズ
のことを次のように定義しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 バズとは、ある時点における特定の企業や商品に対するコメントの合計で
 ある。    ――エマニュエル・ローゼン著/濱岡豊訳、『クチコミは
             こうしてつくられる』より。日本経済新聞社刊
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ここでいう「コメント」をブログのコメントと考えると、自社のブログにお
いてコメントを多く集めることが、そのままバズ・マーケティングになるので
す。つまり、バズは数値で把握できるのです。このようにブログは、最近マー
ケティングの世界でも密接不可分な関係になりつつあります。
 企業が自社のサービスや商品を広告などを通していくら訴えてもバズはなか
なか発生しないのです。それは、消費者の声を反映させやすいCGM媒体――
Consumer Generated MediaであるブログやSNSを利用して、そこに小さなざ
わめきを起すことからはじめることによってはじめて可能になるのです。

●ネット人口が国内人口の60%に迫る日本

 2006年2月時点でのネット人口は7361万9000人であり、今年中
に7600万人を超えるという予測が出ています。また、ネットの利用者がい
る世帯は85.4%に達しています。
 これに対して国内人口は1億2774万人(2006年)であり、現時点の
ネット人口は国内人口の57.6%を占めています。つまり、国民の60%は
ネットを利用しているのです。したがって、ビジネスもネット市場を無視して
進めることはできなくなっています。
 ところで、現在のブログやSNSの利用者は重複のあることを考慮に入れて
1000万人を超えた程度と考えます。これは、ネット人口の13.6%にな
ります。この数字をどう評価すべきでしょうか。
 米国の社会学者エベレット・M・ロジャーズという人がいます。ロジャース
は、人々がどのタイミングで新商品を購入するかについて、消費者を次の5つ
のカテゴリに分けています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
    1.イノベーター ・・・・・・・・・・・・  2.5%
    2.アーリーアダプター ・・・・・・・・・ 13.5%
    3.アーリーマジョリティ ・・・・・・・・ 34.0%
    4.レイトマジョリティ ・・・・・・・・・ 34.0%
    5.ラガード ・・・・・・・・・・・・・・ 16.0%
 ――宮崎哲也著、『Web2.0マーケティング』より。日本実業出版社刊
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 「イノベーター」は、商品の評価の定まらない時点で購入する層です。した
がって「革新者」と呼ばれます。「アーリーアダプター」は、進歩的な考え方
を持ち、友人や家族に影響力を与える力があります。
 「アーリーマジョリティ」は、周りの人が購入して効果が出てきた時点で購
入する層です。「レイトマジョリティ」は、商品が相当普及するまでは手を出
さない層であり、ウェイトは「アーリーマジョリティ」と同じです。5つ目の
「ラガード」は、あくまで伝統を重視し、新しいものにはほとんど手を出さな
い層のことです。
 ロジャーズのこの5つのモデルにおいて、最も重要だとされるのがアーリー
アダプターなのです。革新性という点ではイノベーターが一番高いのですが、
きわめて少数であるうえに価値観や感性が社会の平均から離れすぎており、全
体に対する影響力はあまり大きくないのです。
 それに対してアーリーアダプターは、社会全体の価値観からの乖離が小さく
そのイノベーションが価値適合的であるかどうかを判断し、新しい価値観や利
用法を提示する役割を果たす存在となる可能性が高いのです。
 ロジャーズは、ある新商品が、イノベーターとアーリーアダプターを合わせ
た層に普及した段階(普及率16%を超えた段階)で、イノベーションは急激
に普及・拡大するとしています。
 これは何にでも当てはまる普及理論ですが、ブログのネット人口への普及率
13.6%は、既にイノベーターを大きく超えて16%に迫っています。現在
のブログの普及速度でいくと、16%に達するのは時間の問題であるといえま
す。アーリーアダプターとしてブログに参加する価値はありそうです。 以上

2006年09月25日

カードの合従連衡に勝利するカードはどれか/0024号

●Suicaはカード業界の風雲児である

 あなたは、Suicaを持っていますか。
 Suicaとは、JR東日本、東京モノレール、東京臨海高速鉄道の3社線
と他社相互利用路線で利用される非接触型ICカード方式による乗車カードの
名称です。2006年5月31日現在で、1665万枚が発行されているカー
ド業界の風雲児です。
 このSuicaを社員証として採用した企業があります。その企業とは、三
菱電機株式会社――2005年11月7日から本社移転に合わせて導入を決定
したのです。この社員証としてのSuicaには顔写真も印刷され、また、三
菱電機が新しく入居する東京ビルディングの入館証としても使用できるように
なっているのです。この機能は、以前からJR東日本(本社)の社員証として
利用されていた機能をそのまま流用したものなのです。このように、今やSu
icaは単なる乗車カードではなくなりつつあります。
 JR東日本がSuicaを導入したのは理由があります。背景的事実として
は、鉄道運輸事業が90年代前半から長期低落傾向にあることです。それは、
中・長距離輸送において、航空運賃の引き下げで対抗する航空会社との競合に
よって収益が悪化していることに加えて、近距離輸送においても少子高齢化の
影響で今まで安定的な収益源であった通勤・通学客が減少しているからです。
 こうした状況を受けてJR東日本は、2000年頃から総合生活サービス企
業を目指し、物販事業やサービス事業に本腰を入れて取り組み出したのです。
キヨスクをはじめとして、ルミネ、アトレといった駅ビル関連の商業施設の活
性化を図り、いわゆる「駅ナカ戦略」を強化しはじめたのです。
 このようにSuicaは自動改札の実現によるコスト削減に役立つだけでな
く、「駅ナカ戦略」における物販・サービス、さらにSuicaのシステムそ
のものを利用させるIT事業への貢献――前述の三菱電機の社員証など――を
目的として導入したものなのです。

●Suicaの2つの特色

 Suicaのネーミングは「スイスイ行けるICカード」ということになっ
ていますが、正式には次の名前の頭文字をとったものです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
      Suica= Super Urban Intelligent CArd
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 Suicaには2つの大きな特色があります。
 第1の特色は「ICカード」であるということです。
 ICカードとは「集積回路」のことであり、プラスチックカードにICチッ
プを埋め込んだカードの略称です。ICカードなら、記憶できるデータの量は
磁気カードの10倍以上になるのです。したがって、Suicaは、かつての
つてのイオカード(磁気カード)に比べると、乗降に関する情報だけでなく、買
い物の情報などのさまざまな情報を記憶することができるのです。
 第2特色は「非接触カード」であるということです。
 ICカードには、接触型と非接触型の2つがあるのです。接触型の代表は銀
行系カードであり、カードを端末に差し込んで使うのです。これに対して非接
触型は、端末にカードをかざすだけで情報を処理できます。そのため、カード
にはICチップとともにアンテナ回路が内蔵されていて、自動改札機内に設置
されたアンテナと通信して情報を交換するのです。

●ソニーの「フェリカ」がSuicaに採用された理由

 非接触型ICカードにもいろいろな方式がありますが、Suicaに採用さ
れたのは、ソニーの「フェリカ」という方式です。それ以外の2つの有力な規
格――そのうちひとつは住民基本台帳(住基カード)に採用されている――そ
ういう規格に打ち勝って採用になったのです。
 ソニーの「フェリカ」が他の規格に勝ったのは、何といってもその読み取り
スピードの速さにあります。他の2つの規格が毎秒106キロビットの読み取
り速度であるのに対し、「フェリカ」は毎秒212キロビットと倍以上の速度
を実現しているのです。
 「フェリカ」の場合、カードを改札機などのリーダーにかざすだけで「検出
→認証→読み取り→記録」の順に何回も通信と処理が繰り返され、さらにその
間に安全性を確保するための暗号処理までやっているのですが、それにわずか
0.1秒しかかかっていないのです。
 0.1秒の処理は技術的にはかなり高いハードルなのです。日本人はせっか
ちであり、エスカレーターなども立ち止まらずに上がる人が多いのです。した
がって、改札口を抜ける人の数は1分間に50人ほどになります。しかも、誰
も立ち止まらずに、次々と改札口を流れるようにするには、1人1秒以内でな
いと間に合わないのです。
 カード時代の現代ですが、カードを多く持つのは効率的ではありません。し
たがって、いずれ最終的にはカードの合従連衡が起こると考えられますが、そ
れは電子マネーの先駆けであるもSuicaを中心に行われる可能性が相当高
いといえそうです。                        以上

最近のコメント