ウィキ/Wiki Wiki Webをご存知ですか/0021号
●「ウィキって何!?」――ウィキペディアとの関係
ブログとSNS――最近はこれらの言葉の認知度はきわめて高いそうです。
しかし、「ウィキ」という言葉をご存知でしょうか。
「ウィキ」と聞いて、「ウィキペディア」を連想した人は多いと思います。
その方はかなりウェブを利用している人であると思います。なぜなら、そうい
う人であれば、「ウィキペディア」を何度か目にしているでしょうし、利用さ
れたこともあると思うからです。
「ウィキペディア」というのは、ウェブ上の常識破りの百科事典の名称なの
です。登録などの必要はなく、無料で誰でも利用できるウェブ・サービスのひ
とつです。
このウィキペディア――日本語版の項目だけで24万項目あり、ブリタニカ
国際大百科事典の日本語項目15万を超えています。月間に700万人が利用
し、毎日約300件の新規項目が増えるというからすごいものです。
それでいて、そのための編集人がいるわけでなく、専門家に執筆を頼むわけ
でもなく、項目の整理をするボランティアが50人いるだけです。いったいど
うなっているのでしょうか。
それに答えるには、「ウィキ」について知る必要があります。ウィキの正確
な名称は次の通りであり、そのオリジナル型はワード・カニングハムが開発し
たものです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ウィキ ―― Wiki Wiki Web /Ward Cunningham
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
少し専門的にいうと、ブラウザを利用して、WWWサーバ上にハイパーテキ
スト文書を書き換えるシステムのことです。なお、ウィキウィキは、ハワイ語
で「速い」という意味ですが、とくにハワイに関係があるわけではないようで
す。簡単にいうとウィキとは、誰でも自由に書き込んだり、既にあるものを書
き換えたりすることのできるウェブ上の掲示板と考えればよいのです。
普通の掲示板と違うのは、普通の掲示板は自由に書き込めるが、既に記述さ
れているものを削除したり、書き換えたりはできないのに対し、ウィキはそれ
ができるという点です。したがって、離れた場所にいる複数のスタッフ同士で
ブレン・ストーミングができたりするのです。
「ウィキペディア」は、このウィキを利用して作られているのです。
新規に作成すべき項目があるとします。その場合、項目だけのウィキを立ち
上げ、不特定多数にその項目について執筆を呼びかけるのです。たったそれだ
けです。つまり、項目への執筆は、ウェブを利用する不特定多数のネットユー
ザが自発的に行うのです。
そんな内容が信用できるかというかも知れません。そこがウィキなのです。
間違ったことが記述されると、直ちに誰かが修正し、削除し、加筆する――そ
のため、日を追うにつれて正確な記述になっていきます。もちろん執筆料など
は支払われない。いうまでもなく、利用するのは無料です。このような百科事
典がかつてあったでしょうか。ウェブによって可能になったのです。
●ウィキはCGM(Consumer Generated Media)である
考えてみると、最近は紙の百科事典や辞書をほとんど使っていないことに気
がつきます。すべてウェブで済んでしまうのです。ちょっとわからない項目が
あったり、歴史上の人名、事件などを知りたいとき、そのほとんどはウィキペ
ディアで解決してしまいます。とても膨大な紙の百科事典などを開く気にはな
れないのです。重いし、不便だからです。
そのようにしてウィキペディアに助けられているうちに、自然な感情として
自分もウィキペディアに協力しようという気持ちが起こってくるものです。そ
して、自分の専門分野や得意分野のテーマに関しては、新規に書き起こしたり
間違いがあれば修正するようになるのです。
このような不特定多数がネットを通じて何かを作り上げる共同作業の成功例
として、無料の基本ソフト「リナックス」があります。世界中から腕に自信の
ある有志が続々と参加し、改良に改良を行った結果、ウインドウズに対抗でき
る有力ソフトに仕上がっているのです。
そのリナックス製品を開発するミラクル・リナックス社の最高技術責任者、
吉岡弘隆氏は次のようにいっています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
こんなやり方はうまくいくはずがないと誰でも思う。失敗例も山ほどある。
だけど、現実にものすごい知的資産が生まれている。 −−吉岡弘隆氏
7月27日付/朝日新聞「ウェブが変える」/「無料百科事典」の記事より
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
このようなウィキのようなメディアのことをCGMといっています。これは
ウェブ2.0を語る上で欠かせない「集合知」の集大成といえます。集合知と
は、ブログなどの登場により個々がインターネット上に新たなる知恵を生み出
し、それが集合して全く新しい知識が誕生する現象をいうのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
CGM――Consumer Generated Media/消費者が生成するメディア
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://www.intecjapan.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/877
