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2006年10月16日

マス・メディアの崩壊で広告の概念が変化している/0027号

●ラジオ・メディアを抜いたネット広告

 今まで広告の世界では、マスコミ4媒体――テレビ、新聞、雑誌、ラジオが
圧倒的な地位と影響力を持ち続けてきました。したがって、広告とは、こうし
たマスコミ媒体(マス・メディア)を使って行うものとされていたのです。
 しかし、マス・メディアを使って行う広告には相当多額の資金がかかり、広
告はかなり資金的なゆとりのある企業しか行うことができないというイメージ
が定着しています。
 そういう広告の世界にいま異変が生じつつあるのです。2004年の日本の
広告費において、インターネット広告が、マスコミ媒体のひとつであるラジオ
を抜いたのです。
 日本のメディアに投下された2004年の広告費はテレビ・ラジオ・新聞・
雑誌・インターネットで合計3兆8574億円(電通調べ)――そのうちネッ
トは1,814億円、ラジオは1,795億円で、シェアはともに4.7%です
が、金額ベースではインターネットがラジオを抜いたのです。
 折れ線グラフで見ると、テレビや新聞が突出しているだけにネットの上昇率
は目立ちませんが、これは大変な変化なのです。ネット広告は登場してから、
10年経っていないからです。
 このままで行くと、あとわずかの年数でネット広告が雑誌メディアを抜く日
がやってきます。既に米国では、ネット広告のシェアが15%に達しており、
日本でもそのシェアに達するのは時間の問題だからです。そうなるとネット広
告は、金額にして5800億円ほどの規模に拡大し、約4000億円規模の雑
誌メディアを抜いてしまうことになります。

●マス・メディア広告崩壊の3つの原因

 なぜ、マス・メディアの広告が効果がなくなりつつあるのでしょうか。それ
には、次の3つの原因が考えられるのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
    1.お客の嗜好が多様化して商品の数が増えている
    2.商品が多様化すると口コミ効果が効かなくなる
    3.大勢の集まる媒体に広告を出す効果の減少傾向
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 昔、コカ・コーラといえば大衆商品でしたが、最近、大衆をターゲットとし
た代表的な商品が激減しています。それはお客の嗜好が多様化したからです。
それを反映して、現在、コカ・コーラには、ダイエット・コーラ、クラシック
・コーラ、チェリー・コーラ、バニラ・コーラといった種類が存在します。こ
のように商品数が増えると、マス広告は効かなくなります。これが第1の原因
――「お客の嗜好が多様化して商品の数が増えている」です。
 米国では、明らかにテレビ離れが起こっています。前回ご紹介したコンサル
タント、ジョセフ・ジャフィ氏は、その著書で次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ニールセン社の調査によると、1998年に7600万人が人気コメディ番
 組「Seinfeld」の最終回を観た。これは総視聴者数の58%にあたる。確か
 に高い視聴率である。しかし、1983年のコメディ番組「MASH」の最終回
 は、実に1億500万人、総視聴者の77%が観ていたのである。
 ――ジョセフ・ジャフィ著、『テレビCM崩壊/マス広告の終焉と動き始め
                たマーケティング2.0』より。翔泳社刊
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ジョセフ・ジャフィ氏によると、もし、視聴者全員が同じ番組を観たと仮定
すると、翌日、近所のスターバックスのテーブルを囲んだりして、その番組の
内容について友達としゃべったりするはずである――といっています。そして
その番組の合間に流れたCMの話も話題にのぼる可能性があります。こういう
ときに口コミ効果が生まれるのです。
 しかし、消費者のテレビ離れが進み、さらにテレビのデジタル化でチャンネ
ルが増えたり、ケーブル・テレビの普及などによって、メディアの細部化が起
こると、口コミ効果は生まれにくくなるのです。
 それに加えてテレビCMを流す商品自体が増えると、そのための口コミ効果
は減り、それに伴い、翌日のCM想起率は減少するはずです。これが第2の原
因――「商品が多様化すると口コミ効果が効かなくなる」です。
 マス・メディアを使って広告をするということは、大勢の人の集まる媒体に
広告をすれば、その商品やサービスを必要とする人も見るに違いないという前
提に立っています。初期のネット広告でも、この前提に立って多くのアクセス
が集中するサイト――ヤフー!やMSNなどのポータル・サイト−−そういう
サイトにバナー広告などを出したのです。しかし、こういう旧来型の広告では
その効果に疑問符が付くのです。それに成果測定にも限界があります。
 現在は、関心のある人が見るサイトに関心のある商品やサービスの広告を打
つ――しかも従来の広告では考えられないほど詳細な効果測定ができる、そう
いう広告が求められているのです。それが検索連動広告です。これなら、巨額
な広告費がかからないので、どういう企業でも個人の営業パーソンでも広告が
打てるようになります。これが第3の原因――「大勢の集まる媒体に広告を出
す効果の減少傾向」です。                     以上

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