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2006年10月23日

番号ポータビリティ制のもたらす波紋/0028号

●明日から始まる「番号ポータビリティ制」

 電話番号を変えずに、携帯電話会社を乗り換えられる「番号ポータビリティ
制」が2006年10月24日――すなわち、明日から始まります。これまで
携帯電話会社を変更したいと思っても、電話番号が変わることによる手間が大
変なので逡巡していた人が一斉に動き出すと思われます。
 現在、携帯電話は全国9000万台を超えており、番号ポータビリティ制の
開始によって、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルによ
る一大顧客争奪戦が始まります。ところで、あなたはどうされますか。
 民間調査会社MM総研の調査によると、番号ポータビリティ制が始まったら
11%の人がこの制度を利用するといっています。そうすると、1000万人
近い人が携帯電話会社を変更する可能性があるのです。
 この制度は既に20ヶ国以上の国が導入していますが、それぞれ興味ある結
果が出ているのです。香港では上位1位と2位の企業がシェアダウンしている
のに対して、フィンランドでは逆にトップ企業がシェアをさらに伸ばしたとい
います。日本はどうなるでしょうか。
 日本の場合、番号ポータビリティ制の開始による関心事は、圧倒的シェアを
持つNTTドコモが、auやソフトバンクにどれだけシェアを奪われるかとい
う点にあります。ケータイを使う場合、まず、気になるのは料金ですが、てい
ねいに料金を比較してみると、あまり差はないのです。しかし、印象としては
auが安いと感じている人が多いのです。それは、auがこれまで先手を打っ
て実施してきたマーケティング戦略が効いているからなのです。
 最近ぼんやりとテレビを見ているたけでも次のCMのメッセージが耳に残っ
ていないでしょうか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
     パケ割          パケ・ホーダイ
     ダブル定額        ダブル定額ライト
     ドコモダケ        EZフラット
     auバイKDDI     仲間由紀恵withダウンローズ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 これらはいずれもケータイに関しての、それもほとんど料金に関してのCM
メッセージなのです。

●NTTドコモとKDDI(au)のシェア争い

 電車の中でよくケータイの画面を見ている若者が多いですが、それはゲーム
をやっているか、音楽をダウンロードして聴いているのです。そのためには大
量のデータを端末にダウンロードしなければならず、四六時中やっていると、
パケット料金が高額になってしまうのです。
 若者用語で「パケ死」という言葉があります。これは高額のパケット料金で
ケータイの料金が支払えなくなるという意味なのです。そこでauが始めたの
が「パケ割」や月額4410円の「EZフラット」なのです。
 王者NTTドコモとしては、auのこの動きにうかうかと乗るわけにはいか
なかったのです。というのは、携帯電話会社としては電話を使わずにパケット
だけを使われたのでは、商売にならないからです。したがって、NTTドコモ
は当初、auの挑発にはあまり乗らなかったのです。
 これに乗じてauはパケット定額制で明らかにユーザを増やすことに成功し
NTTドコモは新規契約者をauに取られるという結果を生んだのです。そこ
で、NTTドコモは月額4095円の定額制でパケットを使い放題にする「パ
ケ・ホーダイ」を打ち出してauに対抗します。しかし、このサービスは当初
音声電話で基本使用料6982円以上の高額プランの契約者だけに限定して、
サービスを始めたのです。
 これに対抗してauが始めたのが「ダブル定額」です。これは月額4410
円という上限はそのままで、もうひとつ月額2100円という定額を設け、2
段階の定額制になっているので、「ダブル定額」というのです。
 これによって、あまり使わない月は2100円で済み、それを超えた分はプ
ラスアルファが加算され、大量にデータを受信したときでも月額4410円は
超えないことになります。しかし、たとえ2100円でも、メールとニュース
や乗換案内程度しか使わないユーザには高いと思われる恐れがあるので、月額
1050円から始められる「ダブル定額ライト」を打ち出したのです。これな
ら、あまり使わない月は1050円で済むわけです。
 明らかにauはケータイを単なる「電話」とは考えず、電話にもなるPDA
――Personal Digital Assistant と捉えており、これまでケータイで動画や
音楽を購入したことのないユーザを取り込み、コンテンツの楽しさを訴えるこ
とでパケット通信料金を増やそうとしているのです。
 そこでauは、CMキャラクターとして 「仲間由紀恵 withダウンローズ」
を投入したのです。それにはライトユーザにはなじみの薄い「ダウンロード」
という言葉を定着させようとしたのです。この事態になって、NTTドコモも
低コストでデータを通信できるシステムの導入によって、「パケ・ホーダイ」
をすべての音声プランの契約者に開放したのです。しかし、NTTドコモの場
合は、auが1050円から始められるのに対して、使っても使わなくても、
4095円が必要になります。このテーマは次回にも取り上げます。  以上

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