デジタル放送番組の録画方式が緩和される!?/0041号
●「コピーワンス」とは何か
デジタル放送番組の録画に対して適用されている「コピーワンス」が見直さ
れようとしています。この「コピーワンス」とはそもそも何なのでしょうか。
2011年7月24日に従来のアナログ放送が停止されるというので、デジ
タルTVを購入し、高画質で録画しようとDVDレコーダやハードディスクレ
コーダを合わせて購入する人が増えています。しかし、デジタルTVに買い換
えたとたん番組の録画が不便になったという声を多く聞くのです。それらの不
満の原因のほとんどは「コピーワンス」にあります。
地上デジタル放送とBSデジタル放送(以下、デジタル放送)では、番組ご
とに次のいずれかの信号が付けられています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
00 ・・・・・ 録画フリー
01 ・・・・・ 1回のみ録画可
10 ・・・・・ 以後は録画不可
11 ・・・・・ 録画不可
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2004年4月5日以降は、ほとんどすべての番組が「01」――「1回の
み録画可」になっているのです。この番組のことを「コピーワンス番組」とい
うのです。「コピーワンス」を文字通りに解釈すると、「番組のコピーは1回
限り」という意味になります。
コピーワンスの録画操作ですが、放送される番組をエアチェックすることに
ついては、アナログ放送時代の操作と同じです。そして再生も問題なくするこ
とができます。しかし、録画した番組をさらにコピーしようとすると、その時
点でガードがかかるのです。既に録画された番組の信号は「10」――「以後
は録画不可」になっており、コピーできないのです。
それでは、ハードディスクレコーダでハードディスクに番組を録画した場合
はどうなるのでしょうか。DVDにコピーできないと、ハードディスクはすぐ
いっぱいになってしまいます。そういう場合は、「ムーブ」という機能が用意
されています。これを利用してハードディスクに録画した番組をDVDにムー
ブすると、ハードディスクからは番組が消去されます。この場合、DVDは、
CPRMという著作権保護方式に対応している必要があります。
●OCGルールで複数回コピーが落としどころか
このコピーワンス――当然ですが、評判が悪いのです。それに無料のデジタ
ル放送にコピー制限のある国は日本だけなのです。そういう意味で日本は世界
に比べると、コピー制御が厳し過ぎるといわれます。
そこで、総務省は、2006年秋に情報通信審議会の下に「デジタル・コン
テンツの流通の促進等に関する検討委員会」を設置して、この問題を検討する
ことになったのです。この委員会には、著作権者、放送局、家電メーカー、消
費者の代表が集まって議論することになったのです。
委員会の席上、消費者代表の専門委員の河村真紀子氏(主婦連合会副常任委
員)は、「このままならアナログ放送停止には反対」と総務省を強くけん制し
たといわれます。しかし、日本のコピーワンスは4つの国際ルールに基づいて
決められたものであり、簡単には変更できないという意見が強かったのです。
国際ルールとは、次の4つをいいます。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
コピー禁止
1世代のみコピー可 ・・・・・・・・・・・・・ COG
コピーはフリーだが、ネットへの流出は不可 ・・ EPN
コピー制限なし
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日本はこのうち「COG」――コピーワンスを2002年に採択したのです
が、当時はハードディスク内蔵録画機がなく、コピーの回数管理ができないの
で、COGではコピーワンスしか選択肢がなかったのです。そこで、メーカー
団体である電子情報技術産業協会――JEITAは、COGルールをEPNル
ールに変更するよう中間答申を総務省に出していたのです。
しかし、EPNでは事実上コピーフリーとなるので、著作権者と放送局は反
対の姿勢をとり、賛成の消費者とメーカーが対立したのです。メーカーとして
は、設計変更が必要になるOCGよりも、コスト負担が少なくて済むEPNの
方がよいという判断です。
しかし、昨年11月の委員会でインテルがOCGでも複数コピーは可能と主
張したのです。確かに現在はハードディスク内蔵録画機は存在し、コピー回数
の管理は可能になっているので、いったんハードディスクに収録した番組の複
数回のコピーはやろうと思えば可能なのです。これによって委員会の雰囲気は
変わり、何回までコピーを許すかという議論になっているといいます。著作権
団体も回数の増加はやむなしという考え方に傾きつつあるようです。
しかし、有識者は「世界が無料デジタル放送にコピー制限のない現状で、日
本だけこのような議論をやっていると商機が逃げる」と関係者に警告していま
す。音楽CDのコピーガードも結局はうまくいかないまま終わっており、日本
はもっと視野を広げる必要があるというのが有識者の意見です。 以上
