日本の携帯電話市場はガラパゴス諸島である/0042号
●世界から見るとニッチな市場である日本の携帯電話市場
現在の日本では、ケータイを持っていない人を探すのが難しいほどみんなが
ケータイを持っています。街を歩いている人のほとんど全員がケータイを持っ
ているといっても過言ではないでしょう。
こういう状況を見ていると、日本のケータイは、世界に冠たるものであると
思ってしまっても不思議ではないと思います。しかし、世界では日本の携帯電
話市場のことを次のようにいっていることをご存知でしょうか。
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日本の携帯電話市場はガラパゴス諸島である
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ガラパゴス諸島は、英国人のチャールズ・ダーウィンがビーグル号に乗って
1835年にたどり着いた南米大陸から西に970キロのところにある大小約
60の島々のことです。ダーウィンは、島の風変わりな動物達を詳細に観察し
帰国後その記録をもとに世界を揺るがす『種の起源』を発表した話はあまりに
も有名です。日本の携帯電話市場は、そういう風変わりな動物たちのいる島と
してとらえられているのです。
どうして「ガラパゴス諸島」なのかというと、世界の主流であるGSMやC
DMAという通信規格を採用せず、長くPDCという日本独特の通信規格を使
い続けてきたからです。それに加えて、ケータイを普及させるのに当たって、
日本特有の独自のビジネスモデルを作り上げると共に、ユーザのケータイの使
い方も世界とは異なる面を多く持っているからです。
そのため世界シェアでみると、2005年現在、日本はソニー・エリクソン
(ソニーとスウェーデンのエリクソンの合弁会社)の6.2%を除くと、4社
合わせて5.8%に過ぎないのです。
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ノキア ・・ 32.1% ソニー・エリクソン ・・ 6.2%
モトローラ ・・ 17.7% シーメンス ・・ 4.7%
サムスン電子 ・・ 12.5% 日本4社 ・・ 5.8%
LG電子 ・・ 6.7% その他 ・・ 14.3%
「週刊/ダイヤモンド」2006.11.25日号より
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●ケータイでのデータ通信利用は日本がトップである
日本の技術もサービスも世界最高レベルですが、日本の規格はなかなか世界
標準になれないでいます。国際的な統一規格づくりがあまり上手ではないので
す。日本も他の国がやっているように、もっと国家レベルで政治も利用してう
まくことに当たる必要があります。
しかし、日本は端末のシェアでは大きく見劣りがしますが、主要部品のシェ
アを見ると様相は一変します。ケータイ端末に不可欠な液晶、CCDカメラ、
レンズをはじめ、コンデンサー、コネクター、バッテリーなどは日本の部品が
多く使われています。つまり、見えないところでは日本の部品が活躍している
のです。CCDカメラにいたっては90%以上のシェアを占めています。
もうひとつ今後日本が世界の携帯電話市場で優位を占める可能性のある傾向
があります。日本のケータイは、ユーザのケータイの使い方の多様化に対応し
ているという他国には見られない特色があるのです。
日本においてはケータイは単なる通話の道具ではなく、メールの送受信に活
用するほか、ゲームや音楽、ラジオ、テレビや金銭の決済に使ったりする生活
のインフラになりつつあります。つまり、データ通信に強いのです。
次のデータは、携帯電話の加入者1人当たりの月間売上高(ARPU)順に
各国を並べ、そのうえで音声通話とデータ通信、そして利用全体に占めるデー
タ通信の割合を示したものです。日本はARPUが世界最高であり、データ通
信が利用全体の27%と他国を圧倒しているのです。
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音声通話 データ通信(単位米ドル)データ通信比率
日本 42.3 15.7 27%
米国 46.7 5.3 10%
英国 38.2 6.8 15%
ドイツ 29.5 6.5 18%
ロシア 9.1 1.9 17%
中国 8.8 1.2 12%
ブラジル 8.1 0.9 10%
インド 8.2 0.8 9%
「週刊/ダイヤモンド」2006.11.25日号より
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現代は「ケータイ2.0」あるいは「モバイル2.0」の時代といわれてい
ます。ほぼ国民全員が持つことになると予想されるケータイの使い方が、今後
とも通話が中心のままとは考えにくいのです。
やがては世界のケータイのユーザも、通話に加えて音楽やゲームなどのコン
テンツを利用するようになると考えられます。そのときがやってきたときこそ
日本の勝負どころであるといえます。 以上
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