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2007年05月21日

新しい日本がわかる『クーリエ・ジャポン』/0056号

●インテリジェンスとインフォメーションの違い

 インテリジェンス――Intelligence―― という言葉をご存知ですか。
 日本語に訳すと、「知能」とか「知性」という意味になることは誰でも知っ
ていますが、カタカナで「インテリジェンス」というときは、知能的な働き全
般や、その精神的な働きによってあらわされた現象や結果の程度を評する場合
に用いられる(ウィキペディア)のです。あえて日本語にすれば、「諜報――
国際情報」ということになるのです。
 「諜報」といわれてもピンとこない人も多いと思われるので、外交ジャーナ
リストで作家の手嶋龍一氏の解説をご紹介しましょう。
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 よく日本の商社の方々は、外務省の情報収集能力を批判して、商社の情報力
 を自慢します。確かに商社のもとには夥しい量の情報が蓄積されています。
 が、それは熟成したインテリジェンスとはいえない。インフォメーション、
 つまり、情報の素材にすぎない。大きな国際事件が起こると、商社マンは、
 「こうなることを示す情報をすでにもっていた」と言います。それは後講釈
 というものです。大きな地震が起きた後に、微動地震の記録用紙を取り出し
 て、「ここに地震の予兆があった」と釈明する予知学者と似ています。
      ――手嶋龍一/佐藤優共著、『インテリジェンス武器なき戦争』
                          幻冬舎新書012刊
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 「外交は武器を使わない戦争」といわれますが、国際舞台の背後では、さま
ざまな情報戦が繰り広げられているのです。インテリジェンスはそうした戦い
に不可欠な武器であるといえます。
 かつて外務省において「インテリジェンスのプロ」といわれた佐藤優氏は、
現在でも「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」とロシアの日刊紙
「イズベスチヤ」、ロシア国防省の機関誌「赤星」の3紙を定期購読している
そうです。これに加えて、ドイツの日刊紙「フランクフルター・アルゲマイネ
・ツァイトゥング」、英国の日刊紙「ガーディアン」に目を通し、そして「ネ
アラ」(朝鮮語で「我が国」という意味)――北朝鮮政府の事実上の公式サイ
トをチェックしているといいます。さすがインテリジェンスのプロといわれる
だけのことはある見事な情報の集め方です。

●「クーリエ・ジャポン」がある

 情報社会の現代においては、ビジネスパーソンも国際スタンダードの情報力
――インテリジェンスを身につける必要があります。とくに海外は日本をどの
ように見ているかという情報が必要なのです。しかし、それには佐藤氏や手嶋
氏のように、相当高度な語学力が必要になります。
 戦前、日本の内閣情報局は「週報」という雑誌を発行していましたが、それ
は海外メディアの記事を選んで日本語に翻訳して掲載していたのです。しかし
戦後の日本はそういう作業をやってこなかったのです。
 しかし、朗報があります。講談社が「クーリエ・ジャポン」という雑誌を出
したからです。
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  [クーリエ・ジャポン]/国際ニュースの「セレクト・ショップ」
  COURRiER                 ――講談社
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 この雑誌は、「世界は日本をどう見ているのか」「日々起こる世界中のニュ
ースを、海外の現地メディアはどう報じているのか」――つまり、外国人を読
者に想定して書かれた外国メディアのニュースを日本人に紹介するという手法
をとっているのです。
 実はこの「クーリエ・ジャポン」、2005年12月に創刊され、隔週刊―
第1・3木曜日に発行されていたのですが、2007年5月から、毎月10日
発売の月刊誌になったのです。
 なぜ、フランス語の名前をつけたのかというと、フランスで1990年から
発行されている雑誌「クーリエ・アンテルナショナル」にヒントを得たからな
のです。「クーリエ・アンテルナショナル」は、外国メディアの記事を厳選し
てフランス人向けに供給する手法をとっていたのです。
 月刊誌となった6月号の内容は、かなり面白い記事が満載されています。ア
ルゼンチン発の「南米アルゼンチンでなぜ日本の小説が売れるのか」、それに
「INTEC FORUM」/第52号で取り上げた英国発の大特集「エタノ
ール『不都合な現実』」、さらに米国発の松坂選手の話題「もうひとつの松坂
フィーバー」、英国発の中村俊輔の話題「巨大ケーキで祝った天才シュンスケ
『MVPの夜』」など、世界から見た日本の面白い記事が満載です。
 機密情報の98%は公開情報である――これは佐藤優氏の主張ですが、ワイ
ドショー化している日本のメディアと違って「ク―リエ・ジャポン」の編集方
針は国際スタンダードにあり、日本人がインテリジェンス感覚を身につけるの
に役に立つと述べています。
 ワイドショー化するという意味は、日本の場合、初日の報道は各社若干の違
いがあるものの、2日目以降の論議は極度に似てくることをいうのです。日本
で通じる空気に流されてしまうからです。              以上

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