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2007年06月18日

数字をた使いこなす技がわかる山田真哉氏の本/0060号

●数字がうまくなることの意義

 どこの書店に行っても山田真哉氏の次の本がベストセラーになっています。
おそらくミリオンセラーの前作『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』(光文社新
書)以上に売れるのではないかと思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
   『食い逃げされてもバイトを雇うな/禁じられた数字(上)』
                    山田真哉著/光文社新書
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 山田真哉氏の職業は公認会計士――したがって、前作も今回の新作も会計の
ことを書いた本なのです。しかし、今回は標題の後に小さいサブタイトル「禁
じられた数字(上)」が付いています。ここが新しいのです。傑作なのです。
 まだ読んでいない人のために、エッセンスのほんの一部をご紹介することに
したいと思います。このエッセンスを読んだら、きっとあなたは本を買いたく
なると思うからです。
 本の前半で著者は「数字」を使うことの重要性を説いています。その例とし
て、まず、次の文章を読んでいただきたいのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 テストでいうと満点を取れるかどうかはわかりません。でも、まあまあ取れ
 るようになります。うまくなるコツは「たくさんの意識とちょっとの知識」
 です。                  ――山田真哉氏の上掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 どこにも問題のない、ごく普通の文章ですが、いまひとつパンチのない漠然
とした文章という印象を受けます。山田氏はこれを4つの数字を使って書き直
しているのです。印象はどう変わるでしょうか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 テストでいうと100点を取れるかどうかはわかりません。でも、75点は
 取れるようになります。うまくなるコツは、「99%の意識と1%の知識」
 です。                  ――山田真哉氏の上掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 4つの数字とは、「100点」「75点」「99%」「1%」の4つです。
これだけで、文章はきわめて印象深い、パンチの効いたものに変わることがわ
かると思います。これが数字のチカラであり、意識して数字を使うことで、効
果的な表現が可能になるのです。

●数字には4つのルールがある

 数字にはルールというものがあります。山田氏は次の4つの数字のルールに
ついて詳しく説明しています。ここでご紹介できるのはごく一部です。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
     1.数字は順序がある   2.単位で意味を固定
     3.数字は価値を表現   4.数字は変化しない
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 第1のルール「数字は順序がある」の例として、山田氏は「WEB2.0」
を上げています。このネーミングが凄いというのです。とくに「2.0」とい
う数字−−このように命名するだけで今までのWEBは「1.0」ということ
になりますし、次に来るのは「3.0」になるからです。数字には順序がある
から、WEBの世界が現在進行形であることを示せるのです。
 第2のルール「単位で意味を固定」というのは、数字は単位をつけてはじめ
て意味を持つということをいいたいのです。「0」は単なる記号ですが、「0
円」と単位をつけることによって数字は意味を持ってきます。
 第3のルール「数字は価値を表現」――数字はその値によって価値を表現で
きるのです。「1リットルの涙」、「千の風になって」、「1000万ドルの
夜景」などがそうです。映画の宣伝で「みんなが泣いた」よりも「9割が泣い
た」の方がインパクトがあるのではないでしょうか。
 第3のルール「数字は変化しない」――数字は文字と違ってその意味は変化
しないのです。だから、人に安心感を与えることができるのです。「ビタミン
Cがたくさん入っています」よりも「レモン1000個分のビタミンCが入っ
ています」という方が信頼性が高くなります。
 ビジネスや会計の世界では、数字は2種類あると山田氏はいいます。それは
「使うべき数字」と「禁じられた数字」の2つであり、本書では前者の数字、
下巻(未発売)では後者の数字について説明すると山田氏はいっています。
 最後に、この本のタイトル『食い逃げされてもバイトを雇うな』の意味につ
いて簡単に述べておきます。一人で営業しているラーメン店があります。とこ
ろが出前を頼まれると、店主はお客を置き去りにして店を出てしまうのです。
そのため食い逃げをする客がいるのです。そこで常連客は、バイトを雇ったほ
うがよいとアドバイスするのですが、店主は耳を貸しません。だから、バカな
店主だなあと皆にいわれています。
 しかし、お客の全員が食い逃げをするわけではなく、そういう人はごく一部
であり、一度やると二度と店にはきません。そう考えると、食い逃げの被害額
よりもアルバイトを雇う経費の方が高くつくのです。会計的にその店主は合理
的に判断しているのです。読んで損のない本だと思います。      以上

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