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2007年06月25日

急拡大する『セカンドライフ』とは何か/0061号

●「セカンドライフ」という3D仮想社会が出現

 「セカンドライフ」という言葉を聞いたことがありますか。
 セカンドライフとは、コンピュータ・グラフィクス(CG)で作られた仮想
社会の名称です。3次元のバーチャル空間にコンテンツが構築されているわけ
です。ユーザーはセカンドライフへの会員登録を行ってアカウントを取得する
とセカンドライフの住人となり、「アバター」と呼ばれる自分のキャラクタを
持つことができるのです。
 セカンドライフ用のビューワーソフトをサイトからダウンロードし、取得し
たアカウントを入力すると、目の前には3次元の新しい世界が現れます。ユー
ザーは自分のアバターを操作してその世界を探検したり、そこの住人とコミュ
ニケーションを楽しむことができます。まさに新しいスタイルのコミュニケー
ションということができます。
 このようにいうと、なぁーんだ、新しいオンラインゲームかと思う人も多い
と思いますが、普通のオンラインゲームとは大きく異なるのです。というのは
どのようなオンラインゲームにもそれがゲームである限り、「決められたゴー
ル」というものがあるのですが、セカンドライフにはそれがないのです。決め
られたゴール――つまり、何をやるのかという目的は現実の世界と同様にすべ
て自分で決めるのです。セカンドライフの住人には「究極の自由」があるので
す。どこに行ってもよいし、守るべき基本的なマナーはあるものの、何をして
もいいのです。そういう意味では人生と同じようなものです。
 個人だけではなく、企業も参加することができます。セカンドライフ内に土
地を買い、ビルや店舗を構えることにより、現実世界のように営利活動を展開
することができるのです。ビルであるとか、店舗であるとか、家であるとか、
服であるとか――これらはコンテンツと呼ばれますが、そういうものを作るの
はセカンドライフの住人なのです。
 セカンドライフの運営は、リンデン・ラボ社(カルフォルニア州)という米
国の企業がやっているのです。2003年からセカンドライフの商用サービス
をはじめていますが、2007年中にはセカンドライフの日本版も開始される
予定であり、さらに会員が増える可能性があります。
 それでは、現在セカンドライフの会員はどのくらいいるのでしょうか。
 最新の情報を調べてみると、2007年6月11日時点で714万人となっ
ています。2006年12月には200万人だったので、半年間で約3倍以上
に増えたことになります。
 経済産業省からの受託でセカンドライフに関する調査を実施したみずほコー
ポレート銀行産業調査部情報通信チームの分析によると、2007年度末には
会員は5000万人を突破し、2008年末には2億4000万人を超えると
予想しているのです。

●現実世界と仮想世界が混ざり合うセカンドライフ

 ものの売買ができるということは、セカンドライフ内には通貨が存在するこ
とになります。その通貨は「リンデンドル」といい、注目すべきことはその通
貨が現実通貨(米ドル)と交換可能なことです。リンデックスと呼ばれる交換
所で交換できるのです。もちろん現実通貨米ドルでリンデンドルを買うことも
できます。交換レートは変動相場制であり、リンデン・ラボ社が中央銀行とし
てドル売り(リンデンドル買い)、ドル買い(リンデンドル売り)の介入を行
っており、現在では次のような安定的な相場が実現しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
    1ドル=270リンデンドル
    1ドル=120円とすると、100リンデンドル=45円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 セカンドライフの住人が増えてくれば、大企業にとっても広告宣伝を行う重
要なチャネルとなってきます。そのため、日本企業では日産自動車、トヨタ自
動車、セシールなどがすでにセカンドライフ内に出店しており、住人に対し積
極的なプロモーションを行っています。
 このように、大企業まで乗り出してくることにより、仮想通貨の総取引量も
2006年の実績104億円が、2007年は1350億円、2008年には
1兆2500億円と爆発的に拡大する可能性が高いとみずほコーポレート銀行
産業調査部情報通信チームは予測しています。
 人々はなぜ、オンラインゲームに熱中するのでしょうか。それは「やったつ
もりになる――バーチャルを感じる」ことができるからです。とくにプロ級の
動きを瞬時に身につけられる各種のスポーツゲームなどはその典型です。
 格闘技ゲームで相手をダウンさせたときは思わずガッツポーズをしたり、負
けたときは悔しい思いをするものです。現実にはできないことをバーチャルに
体験できるからです。
 任天堂の「Wii」がヒットしたのは、現実世界の操作がバーチャルの映像
の内容と重なり合う部分があるからでしょう。それをもっと高度に発達させた
ものが、セカンドライフであるといえます。
 問題はそういうバーチャルな世界がわれわれの社会生活やビジネスになぜ影
響してくるのか、ここまでの説明ではきっと分からないと思います。まず、何
はともあれ、そういうものがあることを知っていただきたいのです。  以上

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