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2007年09月18日

サブプライム問題と世界経済/0073号

サブプライムローンとはどういう住宅ローンか

 世界同時株安から約一ヶ月が経過しましたが、株の乱高下はまだ収まっては
いないようです。その原因の一つとされるのが「サブプライム問題」であり、
この問題を契機に、世界の成長を牽引してきた米国経済に黄色ランプが点って
いる感じです。
 自己責任原則の重要性を説き、小さな政府を志向する共和党のブッシュ政権
は、当初サブプライム問題に対しては不介入の態度をとってきましたが、さす
がに事態を放置できないとみたのか、8月31日にサブプライムローンの借り
手を救済する特別措置を発表しています。
 バーナンキFRB議長もこの問題について、シューマー上院議員への書簡の
中で、次のような見解を明らかにしています。ちなみにFOMCとは、日本の
「金融政策決定会合」に相当するもので、米国の金融政策を決定する会合のこ
とをいうのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 景気への悪影響を緩和させるために、FOMCも行動を起こす用意がある
                      ――バーナンキFRB議長
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ところで、なぜ、米国の住宅ローンの問題が世界中にかくも大きな影響をも
たらすのでしょうか。そもそもサブプライムローンという住宅ローンは、どの
ような住宅ローンなのでしょうか。
 お金を貸す側にとっては、信用力があって、貸したお金をきちんと返してく
れることが確実な層には金利などの条件を優遇して融資します。こういう対象
を「プライム」といいます。「サブプライム」というのはプライムの次という
意味ですので、プライムの層よりも信用力の低い層――本来であればお金を借
りることができない層を意味します。
 しかし、この層は人口が大きいのです。貸す側としてはそこにメリットがあ
ります。それに米国の住宅価格は歴史的に一貫して右肩上がりで推移してきた
のですが、とくにこの6年間の上昇は異常なほど上昇していたのです。この数
が多いことと、住宅価値が上昇していることをうまく組み合わせると、本来お
金を貸せない層に高金利(年20〜30%)で融資し、住宅を持たせることが
できる仕組みを考え出した金融業者がいるのです。どんな条件の住宅ローンか
というと、次の3つの特色のある常識では考えられないローンなのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
      1.書類審査(収入証明等)を行わないこと
      2.最初の2年間は低利率の固定金利が適用
      3.最初の2年間は利息のみの支払いでも可
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 住宅を購入する側からみると、頭金は不要で、当面は利息のみの支払いとい
うことなのでまとまった資金は不要であり、収入の低い層でもなんとか手が届
くのです。しかし、3年目からは高金利でしかも変動金利、それに元金の返済
が上乗せされるので、支払額は高額になってしまいます。
 このことを不安に思うユーザーに対して、業者側はその時点でのリファイナ
ンス(借り換え)をすればいいと説得するのです。つまり、その頃には住宅価
格は上昇しているので、借り換えれば有利なローンになるというのです。
 金融業者としては、3年後になってユーザーがお金を返せなくなれば、住宅
という資産があるので、それを売ればよいと考えていたのです。あくまでも住
宅価格は上昇し続けるという前提に立ってそういう仕組みを考えたのです。

●鍵を握る住宅価格――下落局面に入っている

 住宅ブームが加熱した2003年以降になると、借り手の知識不足につけこ
み、「3年後はリファイナンスするから・・」という空手形を乱発して、高金
利のローン契約にサインさせる悪徳ブローカーが増えてきたのです。
 驚くべきことは、業界首位のカントリーワイド・フィナンシャルにいたって
は、自己破産履歴のある借り手にすら貸したとわれます。しかし、こんなロー
ンが長続きするはずがないのです。
 サブプライムローンの借り手の延滞率は、今年第1・四半期、全米平均で、
2.9%になってしまったのです。これは、ITバブル崩壊後の景気後退期で
ある2001年の水準を上回っているのです。
 中でも変動金利型サブプライムローンの延滞率はきわめて高く、既に15%
を超えており、ピークになる2008年半ばには30%を超えるといわれてい
ます。実に3人に1人は抵当流れ予備軍といわれているのです。
 こうなってくると、解決の鍵を握るのは住宅価格ですが、どのような状況で
しょうか。
 4〜6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(全米平均)は、1987年
の統計開始以来最大の下げ幅を記録しているのです。これに近い下げ幅を記録
したのは1990年のことであり、それ以来米国経済は不況に突入しているの
で、不安が広がっているのです。こうした価格下落局面では買い控えの傾向が
出てきており、全米各地に広がりつつあります。いわゆる負の連鎖が起こって
いるのです。このテーマは次回も続けます。             以上

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