『サンプル・ラボ』はなぜブレークしたか/0077号
●「サンプル・ラボ」が話題を呼んでいる
2007年7月に、東京・表参道にオープンした「サンプル・ラボ」が話題
を呼んでいます。サンプル・ラボとは、商品の売り買いは一切せず、サンプル
――試供品を配付するための店舗なのです。
現在サンプル・ラボには、常時50社以上、約100アイテムのサンプル品
が置いており、サンプル・ラボに入店を許された人は、ここにきて欲しいサン
プル品を自由に持ち帰ることができるのです。ところが、ぶらっと表参道に出
てきて、サンプル・ラボに寄り、サンプル品を持ち帰るというわけにはいかな
いのです。店舗に入るには次の3つの条件が必要だからです。
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1.入会金 ・・・・・・・・・・ 300円
2.年間フリーパス料金 ・・・・ 1000円
3.持ち帰った試供品のアンケートに応ずること
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たかが試供品配付ショップというなかれ、遠隔地から集客する街といわれる
目抜きの場所の表参道に店をオープンし、会員制を採用するという普通では考
えられない試供品配付ショップなのです。
無料で試供品が手に入るとはいえ、入会金や年間フリーパス料金を支払って
会員になり、わざわざ店まで足を運んで、持ち帰った試供品のアンケートに答
えなければならないのです。
それでいて、オープン当日は午前11時の開店時間の3時間以上前からビル
の前には長蛇の列ができて大変な騒ぎとなったのです。そのため、現在では1
日800人〜900人に入場者を制限し、時間帯別に入れ替え制を実施するほ
どの盛況なのです。
そのため、オープンから僅か1ヶ月で既に2万7000人が会員登録を済ま
せています。その80%は女性であり、女性会員の65%は20〜30代で占
められているのです。
サンプル・ラボを運営するのは、メル・ポスネットという企業(河野隆弘社
長)です。もともと試供品のサンプリングやノベルティの開発を得意とするセ
ールス・プロモーション会社です。このメル・ポスネットの本来業務のひとつ
のメディアとしてサンプル・ラボは誕生したのです。
●「サンプル・ラボ」の基本コンセプトとは何か
サンプル・ラボを始めるきっかけになったのは、メル・ポスネットの河野社
長と松下昌示取締役営業部長のコーヒーを飲みながらのごく何んでもない次の
会話だったのです。
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松下部長:試供品の効果を最大限に高めるにはどうすればいいだろう?
河野社長:そりゃ、本当に欲しい人に持って行ってもらうことだよね。
――「月刊アスキー」2007年11月号
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松下営業部長は、この会話をヒントに試供品ショップの企画をまとめ、各社
のマーケティング担当者の意見も聞いて、次の基本線を立てたのです。
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1.可処分所得の高いOL層をターゲットとする
2.来店型のポータルスペース/CGMを目指す
3.アンケートの回収率を可能な限り上げること
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まず、「可処分所得の高いOL層」を狙うために出店場所には表参道を選ん
だのです。そして、この層の会員を増やすため、エルゴ・ブレインズと提携し
同社のブログ発信型企業PRサービス「パブログ」を採用し、口コミでサンプ
ル・ラボのPRを展開したのです。
エルゴ・ブレインズの「「パブログ――PUB−BLOG」は、報道各社に
向けた企業のプレスリリース掲載を「パブログ」の登録会員のブログメディア
に置き換え、クチコミ効果による普及を図るサービスのことです。
具体的には「パブログ」の登録会員の中で、20〜30代女性200人にサ
ンプル・ラボの事前会員になってもらい、ブログによる口コミを徹底的に行っ
たのです。結果としてこれは大当たりだったのです。
続いて、サンプル・ラボは、単に試供品というモノだけを扱うのではなく、
コトを起こすマーケットスペースとして機能させるため、店舗にはメイクアッ
プルームやグループインタビュールームを設け、来店型のポータルスペースを
目指すとともにCGM――コンシューマ・ジェネレイテッド・メディアの役割
を果たさせようとしたのです。
最後に、CGMとしての機能を強化し、企業が試供品を出品し易くさせるた
め、アンケートの回収率をできる限りアップさせようとしていることです。そ
のためアンケートの回収率が30%を切る会員には退会を迫るなど、会員の質
を高めようとしています。現在のところ、アンケートの回収率は最低でも50
%を切ることはなく、多いときは80%の回収率を誇っています。
このサンプル・ラボ――開店1ヶ月でテレビ、ラジオ、新聞雑誌など61本
が取り上げ、あっという間に超有名ショップとなっています。 以上
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