アップルがiPodタッチを投入した狙いは何か/0079号
●「iPhone」/スティーブ・ジョブズCEOの狙いは何か
アップルが「iPhone」を発表したのは2007年1月9日のことです。しか
し、発表直後にシスコシステムズ社との商標権をめぐるトラブルがあり、実際
に販売を開始したのは、2007年6月29日からです。そして、9月10日
時点でその販売台数が100万台に達したことが発表されています。
しかし、「iPhone」はGSMという音声通信方式を採用しているため、日本
と韓国では使えないのです。近い将来、「iPhone」はW−CDMAにも対応す
るという情報もあり、これが実現すると日本でもFOMAやソフトバンク3G
で使えるようになります。
しかし、アップルの狙いは、電話事業にあるのではなく、次の2つの実現に
あると考えられるのです。
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1.PCを持っていなくても使えるiPodの普及
2.キーボード/マウス中心のPCの操作性の革新
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iPodを利用するにはPCを持っている必要があります。それもある程度
高度にPCを使いこなせる技能が必要です。とくに日本では、これがネックに
なって、中高年齢層のiPod普及が伸びていないのです。日本だけでなく、
米国でもPCを使いこなせない人は少なくないのです。
そこでアップルは、PCを持っていない人やPCを持っていても使いこなせ
ない人を対象として「iPhone」を設計しています。大手コーヒーショップチェ
ーンであるスターバックスと提携し、無線LANを通して曲の検索や購入がで
きるようにしているのも「iPhone」がPCを持っていなくても使えるiPod
を目指しているあらわれであると考えられます。
しかし、PCが使いこなせない人に果たしてそういうiPodが使えるのか
という疑問が残ります。そこで「iPhone」では画期的な「マルチタッチディス
プレイ」を採用して、簡単に操作できるように工夫しているのです。
指で直接画面に表示されているボタンを押したり、2本指で画面を引っ張っ
たり、伸ばしたり、拡大したり、縮小したりできる革命的なディスプレイを搭
載しているのです。これなら、マウスやキーボードが使えない人でも少し慣れ
れば使えるようになるでしょう。
したがって、アップルの狙いは電話ではなく、あくまでiPodの全世界的
な普及にあるのです。つまり、「iPhone」はiPodに電話機能を付けたもの
であり、電話はあくまで付加機能に過ぎないのです。
●「iPodタッチ」登場/革新性の高いマルチタッチディスプレイ
それならば「iPhone」で、なぜ日本と韓国を除外したのでしょうか。まして
日本は世界でもまれに見るMACファンの多い国なのです。それとも順次日本
や韓国でも使える音声通信方式を追加していくつもりなのでしょうか。
そのアップルの狙いがはっきりしたのは、アップルが2007年9月6日に
iPodのラインアップを一新すると発表したときです。この中で現在最も話
題を集めているのは、日本で10月5日から販売された「iPodタッチ」と
いう新製品です。
iPodタッチは、「iPhone」から電話機能やカメラなどを省き、「マルチ
タッチディスプレイ」を搭載しているところに大きな特色があるといえます。
要するに電話機能のない「iPhone」、つまり、PCを持っていなくても使える
iPodがiPodタッチです。実物はURLをクリックしてください。
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http://arena.nikkeibp.co.jp/article/column/20070906/1002557/
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おそらくスティーブ・ジョブズCEOは、日本人は高機能のケータイを既に
所有しており、むしろそういうケータイの最大の弱点をカバーする商品を望ん
でいるのではないかと考えたのでしょう。
従来の携帯電話の最大の弱点は、ディスプレイが小さいことです。これでは
ウェブサイトを見るのは不便です。それに音楽機能については携帯電話の付加
機能では無理があり、多くのユーザーがケータイとiPodなどの音楽プレー
ヤーは分けて使っています。
それにこれからは動画時代であり、頻繁にユー・チューブなどのビデオ映像
を見る機会が多くなりつつありますが、携帯電話の画面では動画を見るには小
さ過ぎます。その点、iPodタッチは3.5インチの大画面であり、しかも
アップルとユー・チューブとの提携により、ユー・チューブの動画はiPod
タッチに最適化された動画として見ることができるのです。アップルは、この
ように携帯電話と一緒に携帯するプラスアルファ・マシンとしてiPodタッ
チを提案してきたのではないかと考えられるのです。
それにしても、iPodタッチに搭載されている「マルチタッチディスプレ
イ」は本当に革新的です。このインターフェースでは、指で画面をなぞればす
べてのことができるのです。このインタラクティブ機能は、ネットに接続して
ウェブサイトを閲覧するときに使えるので便利です。なお、ネットへは、無線
LAN(802.11b/g)を通してスムーズにつながります。タイプは8
GBと16GBの2種類――16GBの方がよく売れています。 以上
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