ANY構想−−大新聞の狙いは何か/0088号
●日本の全国紙大手5社のウェブをめぐる動き
「ANY(エニィ)構想」というのをご存知でしょうか。この構想は、20
07年10月1日に発表されています。
「ANY構想」のANYは、次の新聞社の頭文字です。これらの大新聞は一
緒に何をやろうとしているのでしょうか。
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A ・・・・・ 朝日新聞
N ・・・・・ 日本経済新聞
Y ・・・・・ 読売新聞
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「INTEC FORUM」第81号で、日本の新聞の発行部数は千人当り 565.9
6部で世界一である(2OOO年UNESCO調査)とお伝えしましたが、実は
発行部数自体は1997年をピークに減少し、販売・広告ともにジリ貧の状態
になっているのです。おそらくこれを打開する試みとして、「ANY構想」を
立ち上げたものと思われます。
2OO7年10月1日夕刻のNHKのニュースでは、このニュースを次のよ
うに伝えています。
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関係者によりますと、「読売」「朝日」「日経」の全国紙3社は、ネット上
でニュースサイトを運営する新しい組織を設立し、来年1月をめどに3社の
記事の掲載を始めます。掲載するのは、政治や経済など通常の記事のほか、
社説や世論調査なども含まれ、同じテーマでも、3社それぞれの主張や立場
の違いを利用者が比較できるようにするとしています。――NHKニュース
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上記の「ニュースサイトを運営する新しい組織」については、「共同ニュー
スポータルサイト」と命名し、2008年はじめ−−1月末のサービス開始を
目指すというのです。
この発表の行われた同じ10月1日に毎日新聞社と産経新聞社に次のような
動きがあったのです。これまでマイクロソフトのポータルサイト「MSN」の
中で「MSN毎日インタラクティブ」を展開してきた毎日新聞社がMSNとの
契約を解消し、自社のみで新しく「毎日JP」を立ち上げると、それに代わっ
て産経新聞社が新たにMSNと契約し「MSN産経ニュース」をスタートさせ
たのです。ウェブをめぐるこれらの新聞社の動きの狙いは何でしょうか。
●全国紙新聞各社は何を狙っているのか
新聞社はそれぞれ自社サイトを持っておりニュースを掲載していますが、記
事が無料で読めるため、新聞販売部数の減少を招いており、その分サイトの広
告料で稼がなけければならない状況にあります。
しかし、各社ばらばらのサイトでは、ヤフーなどのように、アクセスの集ま
るポータルサイトにはならないので、朝日、日経、読売の3社で共通のサイト
を持つことによって、より多くのアクセス数を集めるサイトを構築するという
考え方なのです。これがANY構想です。
それなら、毎日と産経は何を狙っているのでしょうか。実はこの2社は、朝
日、日経、読売の3社とはウェブに対する考え方が異なるのです。新聞の発行
部数の多い朝日、日経、読売の3社と毎日と産経の2社とは、ウェブについて
次の違いがあります。
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1.紙の新聞が中心であり、ウェブは補完メディアである
→ 朝日新聞社、日本経済新聞社、読売新聞社
2.紙の新聞にとらわれず、ウェブ独自の試みを推進する
→ 毎日新聞社、産経新聞社
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毎日は、紙の新聞にとらわれず、独自のサイト「毎日JP」の設計に著名ブ
ロガーたちのアドバイスを受け入れ、「ヤフー」や400以上のテーマ1つず
つでその道のプロがユーザをガイドする生活情報サイト「オールアバウト」と
の連携を模索し、サイトそのものを強化しようとしています。
産経に至っては、記事に加えて記者ブログや一般ユーザーのブログを並列し
てみせる「iza!」など、明らかに「ヤフー」を意識して積極的なサイト作
りに取り組んでいるのです。参考までに、全国紙大手5社の販売部数とサイト
の正味利用者数を示しておきます。
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月間利用者数 販売部数
読売新聞社 581万2OOO人 1003万2441部
朝日新聞社 406万6000人 806万6707部
日経新聞社 320万9000人 304万 509部
毎日新聞社 471万6000人 397万3826部
産経新聞社 414万2000人 220万 609部
――『ascii』/2008年2月号より
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しかし、ANY構想は難航しているようです。次回に説明します。 以上
