INTEC JAPAN/BLOG

このフォーラムは、異文化研修の教育機関(株)インテック・ジャパンの情報発信用です。
最新のニュースを毎週月曜日にお届けします。

<< 1バレル=100ドルになった理由/原油問題④/0096号 | トップ | 緻密に考え抜かれた構成の山田真哉氏の新刊書/0098号 >>

2008年03月10日

ガソリンの本当の値段はいくらか/原油問題⑤/0097号

●ガソリンには嗜好品並みの税がかけられている

 日本のガソリン価格はニューヨークの3倍であると「INTEC FORUM」 第95
号で書きましたが、日本のガソリン価格はどうなっているのでしょうか。
 現在は、レギュラーガソリンが1リットル150円を超えていますが、ここ
では、便宜上1リットル=129円とし、その内訳について詳しく考えてみる
ことにします。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
  1.原材料費/原油費 ・・・・・・・・・・・・ 25.80円
  2.ガソリン精製費 ・・・・・・・・・・・・・ 25.80円
  3.輸送費/ガソリンスタンドのマージン ・・・ 15.50円
  4.ガソリン税 ・・・・・・・・・・・・・・・ 53.80円
     ・揮発油税  ・・・ 48.6円
     ・地方道路税 ・・・  5.2円
  5.消費税(1+2+3+4)×0.05 ・・・・  6.05円
  6.石油石炭税 ・・・・・・・・・・・・・・・  2.04円
  ――――――――――――――――――――――――――――――
                            129円
              ――岩間剛一著/アスキー新書/025
 『「ガソリン」本当の値段/石油高騰から始まる「食の危機」』より
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 以上でわかるように、本当のガソリンの価格は、約67円(1〜3の合計)で
あり、あとの約62円はすべて税金なのです。それにおかしいのは、1〜4ま
での金額(ガソリン価格+ガソリン税)に対して、5%の消費税をとっているこ
とです。つまり、税金にさらに税金をかけているわけです。これは、タックス
・オン・タックスといって二重課税であり、石油業界は猛反発しているのです
が、そのままになっています。
 現在タバコの税負担率は63.1%、ビールは43.4%ですが、ガソリン
は、生活必需品であるのに、これらの嗜好品並みの税となっているわけです。
どうしてこんなに高いのでしょうか。
 それは、現在国会において与野党の最大の争点となっている道路特定財源の
暫定税率が深くかかわっているのです。

●道路特定財源と暫定税率の関係

 揮発油税は1949年に創設されたのですが、1954年には道路特定財源
に定められています。そして1955年には地方道路税が創設されています。
当初ガソリン税(揮発油税と地方道路税)は次の通りだったのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
  ガソリン1リットル当たり
          揮発油税 ・・・ 24.3円
         地方道路税 ・・・  4.4円
         ―――――――――――――――
                   28.7円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 しかし、1973年に第一次石油危機が起こったのです。第4次中東戦争の
あおりを受けて石油価格が急騰し、狂乱物価など激しいインフレーションを生
んだ石油危機に対して、日本は国家をあげて「省エネ化」をめざしたのです。
深夜放送が自粛され、ネオンサインが消えるなど、その努力は相当真剣なもの
だったのです。
 そして、省エネのため石油資源を節約し、石油の消費を抑制することを狙い
として、揮発油税などの税率を上乗せする暫定税率が課せられることになった
のです。暫定税率はガソリン税だけでなく、同じ年に自動車取得税、自動車重
量税に、1976年には軽油取引税にも創設され、これらはすべて現在に至る
まで続いているのです。ガソリン税(揮発油税と地方道路税)についてだけ暫定
税率を示すと次のようになります。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
  ガソリン1リットル当たり       暫定税率
   揮発油税 ・・・ 24.3円 + 24.3円 = 48.6円
  地方道路税 ・・・  4.4円 +  0.8円 =  5.2円
  ―――――――――――――――――――――――――――――――
            28.7円 + 25.1円 = 53.8円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 暫定税率が廃止されるとガソリンが1リットル当たり25円安くなる――と
いう根拠はこのことを指しているのです。米国などではこれほど高い税負担率
は考えられないことですが、どうしてかたくなに暫定税率を死守しようとする
のでしょうか。
 ガソリン税は年間3兆1493億円に達し、その税収のすべてが道路の建設
・整備のために利用される特定財源となっています。さらに、その財源による
道路整備の収入と支出は道路整備特別会計(道路特会)になっており、一般会計
と違っていちいち財務省にお伺いを立てる必要がなく、国土交通省にとって使
い勝手の良い財布になっているからです。              以上

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://www.intecjapan.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/952

コメントを投稿

最近のコメント