INTEC JAPAN/BLOG

このフォーラムは、異文化研修の教育機関(株)インテック・ジャパンの情報発信用です。
最新のニュースを毎週月曜日にお届けします。

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● 2008年04月 記事 ●

2008年04月07日

なぜ、日本人の英語は通じないのか/0101号

●日本人の英語下手は世界でも有名!?

 「ジャングリッシュ」という言葉を聞いたことがありますか。
 これは日本人の話す英語のことです。おそらく「ジャパニーズ」と「イング
リッシュ」の合成語のことであると思われます。つまり、われわれ日本人の話
す英語は、英語圏の人たちから「ジャングリッシュ」といわれているのです。
 こんな話があります。英米人は、日本人から「ジャングリッシュ」で話しか
けられると、英語で話しかけられているとは気がつかず、次のように勘違いす
る英米人もいるそうです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
   よく聞いてみると、日本語は意外に英語に似ているんだね
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 つまり、日本人は苦労して英語を話しているつもりでも、相手には日本語で
話しかけられているような印象を与えているのです。だから、上のようなメッ
セージになるのです。
 実は講談社の「ブルーバックス」の新刊書として次のような本が刊行された
のです。この本の著者である池谷裕二氏は英語の専門家ではなく、脳科学学者
にして、薬学博士という変り種です。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
   池谷裕二著                   CD付き
   『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則/ネイティブも驚いた
   画期的発音術』          ―― BLUE BACKS−B1574
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 日本人の英語下手は話し英語だけではないのです。池谷裕二氏は学者ですか
ら、自分の研究成果を英語の論文としてまとめる機会が多いのですが、論文を
掲載する雑誌社は掲載の条件のひとつとして、とくに日本人の学者に対しては
次のようなメッセージを伝えているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
           ――日本人の著者の方へ――
    英語のネイティブな人に文章をチェックしてもらってから
            論文を投稿してください
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 実際に「読解困難」として戻される日本人学者の論文は多いそうです。それ
ほど日本人の英語下手は世界でも有名になっているのです。

●「ハゴセン」――何のことかわかりますか

 池谷氏がアメリカに留学していたときの体験談として、次の話が披露されて
います。「ハゴセン」――何のことかわかりますか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 いつものように朝、仕事場に行くと、すでに出勤していた研究室のメンバー
 が私に何か話しかけてきます。「ハゴセン」。――え? ハゴセン? なん
 だろう。ドラゴンの仲間かな? マンガのキャラクターかな? いろいろな
 考えが頭を巡ります。                 ――池谷裕二著
     『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』より/BLUE BACKS−Y1000
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 池谷氏がキョトンとした顔をしていたので、ひとりのメンバーが単語をゆっ
くり切って発音してくれた結果、「ハゴセン」の意味が次のようにやっと判明
したのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
     「ハゴセン」/How is it going ?/元気かい?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 池谷氏はそれ以来会う人に「ハゴセン」と話しかけてみたのですが、皆にこ
やかに返事を返してくれるのでうれしくなったといいます。「ハウ・イズ・イ
ット・ゴーイング」では通じないのです。これはジャングリッシュなのです。
 池谷氏は、聞き取ったネイティブの英語をカタカナでメモして、それを実際
に使ってみると、ちゃんと通じることがわかったのです。そういうカタカナ英
語をまとめたのが前掲書というわけです。
 それでは、日本人が外国人に会ったときによく使う挨拶英語を池谷式のカタ
カナ英語で示しておきます。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
    How are you ? /元気ですか
    ×ハゥ アー ユー → ○ハオユ?
    Nice to meet you./お会いできてうれしいです
    ×ナイス トゥ ミート ユー → ○ナイストミーチュ
    Thank you./ありがとう
    ×サンキュー → ○テンキュ
    Good afternoon./こんにちは
    ×グットアフタヌーン → ○グラフトヌーン   ――前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 次回は「日本人はなぜ英語の習得に苦労するのか」について脳学者としての
池谷氏の考え方をご紹介します。                  以上

2008年04月14日

なぜ、日本人の英語は通じないのか/その2/0102号

●英語は「発声技巧的言語」/日本語は「推測言語」

 日本は世界一英会話学校の多い国だそうです。これは、裏返すと、日本人は
英語が上手でない国民であることを意味しています。どうして、日本人は英語
がうまくないのでしょうか。
 前回ご紹介した脳科学者の池谷裕二氏によると、それは日本語と英語の根本
的な違いからくるもので、ある程度は仕方がないものといっています。池谷氏
は、日本語と英語には次の2つの根本的な違いがあるといっています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 1.英語は発音数の多い言語であり、日本語は発音数の少ない言語である
 2.英語は「発声技巧言語」であるが、日本語は「推測言語」であること
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 英語は豊富な発音数を誇る言語なのです。最も有名な例は「L」と「R」と
いう子音です。日本語には「L」も「R」も存在しないので、この発音のでき
る日本人は少ないといわれます。それに「La」と「Ra」をあらわす日本語とし
ては「ラ」しか存在しないのです。
 こういう例は他にもたくさんあります。例えば、英語には3種類の発音があ
るのに、日本語には1種類しかないという例です。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
       「Si」「Shi」「Thi」 ・・・ 「シ」
       「Di」「Ji」 「Zi」  ・・・ 「ジ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 英米人による英語のスピーチを聞くと、喉から出す「有声音」以外に舌や唇
や鼻を使った次のような乾燥した音を頻繁に出していることがわかります。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
        「shシュ」「chチッ」「tsツッ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 これらは、日本人にとっては単なる雑音にしか聞こえないのですが、彼らは
それらを利用して言葉を見事に使い分けているのです。したがって、英語とは
「発声技巧言語」であるといえるのです。無数にある子音の組み合わせを巧み
に発音するからです。しかし、そういう言葉が日本語に存在しないため、日本
人の英語学習にとって大きな壁になるのです。
 これに対して日本語は同じ発音で別の意味をあらわす言葉が非常に多いので
す。例を上げてみましょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
    加工、下降、書こう、河口、仮構、掻こう、花香、囲う
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 これらはすべて「かこう」と発音しますが、それぞれがどれに対応している
のかを逐一判断しながら、会話をしているのです。「隅田川のかこうまでかこ
うした」というのであれば、最初の「かこう」は「河口」、次は「下降」であ
ると判断するのです。したがって、日本語は「推測言語」といえます。

●9歳まで英語環境で生活するのは意義がある

 「可塑性(かそせい)」という言葉があります。可塑性とは「臨機応変に能力
が変わりうる」という意味です。自転車に乗るには、脳の中に自転車を操縦す
るための神経回路ができる必要があります。これは何度も練習すれば自然にそ
ういう神経回路が作られます。これが可塑性です。
 運動制御系の可塑性には年齢の制限はないのですが、言語を習得するための
可塑性は年齢とともに衰えることがわかっています。一般に言語を覚える能力
は「8歳まで」といわれているのです。教育の現場では「9歳の壁」と呼ばれ
る有名な脳の変化です。
 日本語を聞いて育った子供は、脳の中に5種類の母音「アイウエオ」を聞き
分ける専門回路ができますが、これは9歳以降にほとんど変わることはないの
です。こうなってしまうと、日本語の3倍の発音数を持つ英語を処理すること
は困難化します。これについて、池谷氏は次のようにいっています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 皆さんが幼いころ、日本語しか聞いてこなかったとしたら、英語力をネイテ
 ィブ並みに高めようという期待はおそらく叶わないでしょう。脳生理の観点
 から提言すれば、それは不可能です。          ――池谷裕二著
     『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』より/BLUE BACKS−B1574
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 しかし、努力によって発声の能力は高めることができます。なぜなら、声は
喉と舌と唇の協調した動きによって作れられますが、これも運動系であるから
です。ところがこの練習がやっかいなのは、いかに正しく発声しても自分の耳
ではネイティブには聞こえないことです。脳の中に日本語を聞き取る専門回路
ができ上がってしまっているからです。つまり、発音練習の成果を自分の耳で
は確かめられないので、英米人に繰り返し聞いてもらってその進捗度合いを確
かめるしかないのです。だから、日本人にとって英語の習得は困難である――
このように池谷氏はいうのです。
 次回は最終回として、池谷氏のネイティブ風に聞こえるカタカナ英語の原則
についてご紹介します。                      以上

2008年04月21日

なぜ、日本人の英語は通じないのか/その3/0103号

●池谷流カタカナ英語「10の法則」

 池谷裕二氏は、ネイティブに聞こえるカタカナ英語を13の法則に整理して
います。そのうち10の法則を例とともに次に示しておきます。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
  1.最後にくる「L」は「ル」ではなく「ウ」と発音
    ――――――――――――――――――――――――――
    ・beautiful/ビューティフル× → ビューレフォウ○
    ・national/ナショナル× →ネァシュノウ○
    ――――――――――――――――――――――――――
  2.ほとんど「A」は「エ」ではなく「エア」と発音
    ――――――――――――――――――――――――――
    ・active/アクティブ× → エァクテヴ○
    ・natural/ナチュラル× → ネアテュロウ○
    ――――――――――――――――――――――――――
  3.「ION」は「「ション」でなく「シュン」発音
    ――――――――――――――――――――――――――
    ・station/ステーション× → ステイシュン○
    ・action/アクション× → エアクシュン○
    ――――――――――――――――――――――――――
  4.最後にくる「T」は「ト」ではなく「ッ」と発音
    ――――――――――――――――――――――――――
    ・difficult/ディフィカルト× → デフェカウッ○ 
    ・cold/コールド× → コーウッ○
    ――――――――――――――――――――――――――
  5.「O」は「オ」でなく「ア」と発音することが真
    ――――――――――――――――――――――――――
    ・body/ボディー× → バディ○
    ・shopping/ショッピング× → シャペン○
    ――――――――――――――――――――――――――
  6.「I」は「イ」でなく「エ」と発音すべきである
    ――――――――――――――――――――――――――
    ・business/ビジネス× → ベゼネス○
    ・city/シティ× → セシ○
    ――――――――――――――――――――――――――
  7.「T」は多くの場合、「ラ行」の発音に変化する
    ――――――――――――――――――――――――――
    ・capital/キャピタル× → ケァペロウ○
    ・later/レイター× → レイロ○
    ――――――――――――――――――――――――――
  8.「US」は「アス」ではなく「エス」と発音する
    ――――――――――――――――――――――――――
    ・august/オーガスト× → オーゲスッ○
    ・consensus/コンセンサス× → カンセンセス○
    ――――――――――――――――――――――――――
  9.日本人に難しい「アー」は「ウォア」に発音近い
    ――――――――――――――――――――――――――
    ・bird/バード× → ブオアド○
    ・service/サービス× → スォァヴェス○
    ――――――――――――――――――――――――――
 10.最後にくる「アー」は「オ」と発音する習慣付け
    ――――――――――――――――――――――――――
    ・paper/ペーパー× → ペイポ○
    ・pitcher/ピッチャー× → ピチュオ○
    ――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

●最後に2つの重要な定理

 池谷裕二氏は『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』(ブルーバックス)
のまとめとして、次の2つのことを強調しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
   1.単語を正確に聞き取るにはある程度の時間がかかること
   2.日本語の会話力のレベルが英語会話力のレベルを決める
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 英語の言葉を聞き取るには耳が慣れるまで、ある程度の時間が必要であり、
ある日突然に相手の話している意味がわかるようになるというのです。これを
池谷氏は「非線形習得の定理」と名付けています。
 一方、英語を習得したいという意思を持って日本語での会話力のレベルを上
げることは意義のあることであると池谷氏はいいます。日本語でも自在に会話
出来ない人が英語になるとペラペラ喋れるはずがないからです。これを池谷氏
は「言語脳転移の定理」と命名しています。面白い考えだと思います。 以上

2008年04月28日

NTTのNGNとは何か/その1/0104号

●「NGN」とは何か

 2008年3月31日のことです。NTT持ち株会社の三浦惺社長は定例記
者会見を開き、次のように発表したのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 地域的にスモール・スタートとなり、新しいサービスが多いわけでない。し
 かし、本日無事にNGNの商用サービスをスタートさせた。2008年夏か
 ら秋にかけてエリアを大きく拡大し、サービスも新たに増やす。その頃を一
 つの節目として本格的なPRを開始する。        ――三浦惺社長
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ところで、ここでいう「NGN」というのは一体何でしょうか。NGNとは
次の言葉の省略形です。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
   NGN = Next Generation Network/次世代ネットワーク
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 NGNについては既に数冊の単行本が出版されていますが、いずれも内容が
専門的であってわかりにくく、その正体が明確に掴めませんが、簡単にいうと
ごく近未来に実現する「次世代電話ネットワーク」のことです。
 現在の電話網は、固定通信網と移動体通信網、インターネット通信網がそれ
ぞれ別々のネットワークとして構成されていますが、これら3つのネットワー
クを統合してIP技術による「次世代電話ネットワーク」を構築する――これ
がNGNの正体なのです。
 IP技術を使ってネットワークを統一すると、音声通信網の維持費が大幅に
削減できるなどのメリットに加えてマルチメディア・サービスが可能になるの
です。国際的な技術標準規格は既に定められているので、日本だけではなく、
世界の先進国では現行ネットワークから新しいネットワークへの切り替えの動
きが進みつつあるのです。

●NGNの4つの特徴

 さて、NTTが提供するNGNには、次の4つの特徴があります。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
        1.品質確保
        2.セキュリティ
        3.信頼性
        4.オープンなインターフェース
            ――週刊「ダイヤモンド」/2008年3月1日号
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 第1の特徴は「品質確保」です。
 実はこれがNTTの最大の売りであるといえます。NTTが固定電話網にお
いて長年にわたって培ってきた信頼性と安定性のサービスをNGNの通信サー
ビスに生そうという試みです。なお、「品質確保」については「QoS」とい
う言葉を覚えておくと便利です。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
     品質確保 → Quality of Service → QoS
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 NGNでは、エンド・ツー・エンド(端末と端末間)でのQoSを保障しよ
うとしています。例えば、現在のインターネットではQoSを保障していませ
んが、NGNでは音声、映像、データのマルチメディア型通信のQoSをネッ
トワーク側で保障するのです。
 第2の特徴は「セキュリティ」です。
 NGNのセキュリティは万全です。回線ごとに割り当てている発信者のID
のチェックを行い、「なりすまし」を防止します。インターネットの世界には
回線の管理者は存在しませんが、NGNではNTTが管理者として回線を監視
し、回線上に異常な通信トラフィック(通信データの流れ)があるとブロック
して、正常に通信が行われるよう管理するのです。
 第3の特徴は「信頼性」です。
 通信回線や通信装置の予備を複数用意したり、特定エリアに通信が集中した
ときなどはトラフックのコントロールをして重要通信を確保するなど、通信の
信頼性を高めるのです。
 第4の特徴は「オープンなインターフェース」です。
 NGNアーキテクチャでは、さまざまなユーザー端末とやり取りしたり、他
のネットワークと相互接続したり、映像、音声、データなどのマルチメディア
・アプリケーションとやり取りしたりするために、次の3つのインタフェース
を規定し、ネットワークをオープン化しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
   1.ユーザー・インターフェース     ・・・ UNI
   2.アプリケーション・インターフェース ・・・ ANI
   3.ネットワーク間インターフェース   ・・・ NNI
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 このテーマは次回も続きます。NGNで何が出来るのかを具体的に明らかに
していきます。                          以上

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