NTTのNGNとは何か/その2/0105号
●NGNは「カーナビ付き自家用車」である
NGNによって何ができるのでしょうか。
週刊「ダイヤモンド」3月1日号にNGNが特集されています。その特集の
冒頭に次の一文があります。
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20××年。
日曜日の昼下がり。一人暮らしの石井太郎さん(仮名・69歳)は、居間の
テレビに病院から画像メールが届いていることに気がついた。画面いっぱい
に映し出された担当の看護婦さんは、「今朝は普段よりも血圧が少し高いで
すね。もしや、昨日のサッカーで張り切っちゃいましたか?」と微笑む。毎
日、トイレ内蔵型の測定器が、体の調子をチェックとして、病院に連絡を入
れてくれる。夕方には、同じくデータが送られている娘夫婦からテレビ電話
がかかってきた。石井さんは、心配する娘をよそに、孫の顔を見ながらサッ
カーの話をするのが大好きだ。 ――週刊「ダイヤモンド」3月1日号より
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NGNは、IP技術によってすべてのネットワークを融合し、それぞれの良
いところを集約したものです。ところで、従来の電話網とインターネットとN
GNのそれぞれの違いについて述べると次のようになります。
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1.電話網は「路線バス」のようなものである
2.インターネットは「自家用車」が該当する
3.NGNは「カーナビ付き自家用車」である
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路線バスは、目的地の近くの停留所まで決められた時間で、決められたルー
トを通って行かなければならないのですが、専門の運転手が付いているので、
誰もが安心して同じサービスを受けることができます。これが電話網です。
これに対して自家用車は、いつでも好きなときに好きな場所にどこでも行け
ます。しかし、多くの自家用車がそのようにしてあちこち走り回るので、しば
しば交通渋滞が起こったりします。それでも自家用車はどんどん増えるので、
最後には収拾がつかなくなってしまいます。これがインターネットです。
これに対して、カーナビ付き自家用車は、到着時間を考えて、最適にして最
短の道路を選んで目的地に到着します。その場合、道路が混んでいるときは事
前にそれをキャッチして、混んでいない道路を探して目的地に達することがで
きます。これがNGNなのです。
●NGNにおける2つの融合の実現
NGNは、基本的には「2つの融合」の実現を狙っているのです。その「2
つの融合」とは次の2つです。
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1.固定通信と移動通信の融合――FMC
2.放送のデジタル化と通信と放送の融合
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固定網と移動網の融合のことを「FMC/Fixed Mobile Convergence」とい
います。この中で特に注目されるのが「ワン・フォン型サービス」です。これ
は、一台の携帯電話機を、宅内では固定回線経由の通信端末として、その他の
場所では普通の移動通信端末として利用するものです。つまり、電話機は携帯
電話機一台で済むので、「ワン・フォン型サービス」といわれるのです。
実はこの分野で日本は少し遅れているのです。「ワン・フォン型サービス」
の先駆者は韓国KT(コリア・テレコム)であり、2004年からサービスを
開始しています。KTは、同社が提供する固定電話回線の先に宅内アクセスポ
イント(AP)を接続し、このAPが無線機能を持っているので、利用者が宅
内で電話をかけていることがわかるのです。韓国に続いて、2005年からは
英国BT(ブリティッシュ・テレコム)もこのサービスをはじめています。
日本国内では、法人ユーザー向けから「ワン・フォン型サービス」が開始さ
れていますが、個人向けのサービスはこれからです。NGNの下にネットワー
クが統合されれば、本格的なサービスが始まると思います。
もともとNGNは、固定通信市場の縮小と移動通信市場の飽和傾向を背景と
して、固定と移動に分かれているネットワークを統合する必要性があって出て
きた構想であり、今後この面は大きく発展すると思います。
通信と放送の融合については2011年7月に地上波は全面的にデジタル化
されますが、地上波デジタル放送をNGNで同時に再送信することが決まって
います。しかし、これはあくまで難視聴対策であり、通信と放送との融合には
まだ多くの法整備の課題が残されているのです。とくに放送を中心に制定され
た著作権法が大きなかべになっているのです。
こうした状況を受けて、総務省は「通信・放送の総合的な法体系に関する研
究会」を2006年8月に設置し、通信と放送とで合計9本もある法律の全面
的見直しに着手しているのです。
したがって、日本の場合は、こうした法制度の見直しと合わせて、NGNが
発展していくことになります。いずれにしてもアナログテレビが姿を消す20
11年からはNGNによって通信環境が一変することになります。 以上
