2008年11月10日

「名画から選んだ美しい英語」(26)

〜“Quickly followed by dementia. ”「すぐに次は痴呆」〜

 映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
 アメリカ、1925年。有力新聞シカゴ・トリビュン紙の美人女性記者レク
シー・リトルトン(レニー・ゼルウィガー)とアメリカン・フットボールのプ
ロチーム・キャプテンのドッチ・コネリー(ジョージ・クルーニー)の恋のか
けひき。ラストシーンは、オートバイの後ろの席にレクシーを乗せて、走り出
すドッチ。
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LEXIE: What will become of us, Dodge?「私たち、どうなるの?」
DODGE: Ride off into the sunset? Live happily ever after? 「夕暮れに
                    向かってドライブして。幸せにな
                    りました、とさ。それで、結婚」
LEXIE: Of course.           「もちろん」
DODGE: Kids, I suppose.       「子供ができるとか」
LEXIE: Naturally.          「とうぜん」
DODGE: I guess some sort of scandal. 「それからスキャンダルが起きる」
LEXIE: Taxes, maybe.         「たぶん、税金の不払い」
DODGE: Lose all our money.      「全財産がパアになる」
LEXIE: Quickly followed by dementia. 「そしたら、すぐに次は痴呆」

     ――「かけひきは、恋のはじまり」(Leatherheads 2008年)
         監督:ジョージ・クルーニー
         脚本:ダンカン・プラントニー&リック・ライリー
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 “Of course./Naturally./Maybe.”と、ドッジにあいづちを打つレクシー
の言葉は、リズムを伴っています。ドッジは、“I suppose./I guess...”と
断定しないで仮定や疑問を投げかけて、単語の羅列だけで進む会話です。多彩
な人生とはいえ、はかなさをも表わす見事なエンディングですね。なお、原名
の“Leatherhead” とは、アメリカン・フットボールの選手が試合中にかぶる
革製のプロテクター(ヘルメット)のこと。“Live happily ever after” は
典型的なおとぎ話の終わり方です。            (原島 一男)

*公開情報:11月8日(土)、みゆき座 ほか 全国ロードショー

映画「かけひきは、恋のはじまり」

2008年10月14日

「名画から選んだ美しい英語」(25)

  〜「ガラス越しに人々が魚のように通り過ぎるのを眺める」〜

 映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
 愛と欲望、それに大金が渦巻く現代のニューヨーク。真面目で孤独な会計士
ジョナサン(ユアン・マクレガー)は、ある夜、地下鉄の駅で美しい女性(ミ
シェル・ウィリアムズ)を見かけます。一方、ジョナサンは偶然ながら会員制
の秘密クラブを紹介されますが、そこで出逢った “S”と名乗る女性は、正に
その人だったのです。二人の会話。
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 “S”:  So what do you do for a living?
 JONATHAN: I sit behind the glass and I watch people pass like fish.
 “S”:  You work in a bank?
 JONATHAN: I'm sort of an accountant.
 “S”:  I bet that's what you always dreamed of being when you
      grew up.
 JONATHAN: Oh, yeah... I'm living the dream.
     「それで、お仕事は何を?」
     「ガラス越しに人々が魚のように通り過ぎるのを眺めるだけ」
     「銀行にお勤め?」
     「まあ、会計士というところかな」
     「大きくなったら、そうなろうと夢見ていたわけ」
     「うん、そうなんだ。夢だけに生きているんだ」

   ――「彼が二度愛したS」(Deception 2007年)
      監督:マーセル・ランゲネッガー 製作:デヴィッド・ブシェル
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 こうして、ジョナサンは “S”の虜になって行くのですが、裏には巧妙に仕
掛けられた罠が、、、。男と女の本性が火花を散らします。
・What do you do for a living?=「仕事は何を?」と尋ねるときの定番表現
・sort of(kind of)= 一種の
・I bet 〜      = 〜に賭ける/確信する
・live the dream   = 理想の生活などを夢みる
*11月8日に有楽町スバル座、新宿バルト9ほか、全国ロードショー公開
                            (原島 一男)

映画「彼が二度愛したS」

2008年09月16日

「名画から選んだ美しい英語」(24)

  〜恋人たちの出逢いは旅の終り〜

 映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
 恋に破れた女性が休暇中に出会う新しい恋の物語。ロンドンの新聞社でコラ
ムを書くアイリス(ケイト・ウィンスレット)は、ボーイフレンドの心変わり
を知って、嘆き悲しみ、こう言います。
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IRIS: I've found almost everything ever written about love to be true.
   Shakespeare said "Journeys end in lovers meeting." What an
   extraordinary thought. It was Shakespeare who also said "love is
   blind". Now that is something I know to be true.

   「これまでに愛について書かれた言葉は、どれも真実。シェークスピア
   の『恋人たちの出逢いは旅の終り』。何て、並外れた、すばらしい想像
   力でしょう。『恋は盲目』と言ったのもシェークスピア。これも、わた
   しの知る限り本当だわ」

  ――「ホリデイ」(The Holiday 2006年)
         監督・脚本・制作:ナンシー・メイヤーズ
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 ケイト・ウィンスレットは自分の気持ちとシェークスピアの言葉を重ね合わ
せて、失った恋への想いを語っています。自分の経験を話しているから“I've
found〜” と現在完了になります。また、シェークスピアの過去の言葉として
引用しているから、“Shakespeare said〜”と過去形になっています。
 “thought”は考え/想像力などを表し、メールでも “Please let me know
your thoughts.”(どうぞ,あなたのお考え(複数)をお知らせください)と
使うことができます。                  (原島 一男)

映画「ホリデイ」

2008年08月18日

「名画から選んだ美しい英語」(23)

  〜火山が噴火して、空が灰で真っ白になりました〜

 映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
ちょっとしたきっかけで、人生を変えることができることを発見したのは、冒
険小説を書く人気作家のアレクサンドラ(ジョディー・フォスター)でした。
サンフランシスコに暮らす対人恐怖症の彼女。メール相手は南太平洋の孤島に
住む11歳の少女ニム(アビゲイル・ブレスリン)。島の様子を伝えるニムの
メールです。
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NIM: ... we do have a volcano ... only we call it ... Fire
  Mountain. It hasn't exploded in years, but when it did,
the sky went completely white with ash.
ALEXANDRA: That's excellent.“Sky white with ash,”I like that image.

   「島には火山があり、私たちは“火の山”と呼んでいます。長い間、
噴火しませんが、噴火したときには空が灰で真っ白になりました」
    「すばらしい!“空が灰で白くなる”いい表現だわ」

――「幸せの1ページ」(Nim's Island 2008年)
        監督・脚本:ジェニファー・フラケット&マーク・レヴィン 
        原作:ウェンディ・オルー
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 “Sky white with ash,” は、噴火したときの感じがよく出ていて、作家の
彼女は “I like that image.” と言うのですが、これは「イメージが湧く/
そのイメージがいい」という彼女の気持ち/想像力をうまく表しています。そ
うこうするうちに、その島は暴風雨に襲われ、アレクサンドラは懇願されて、
ニムを助けるため自宅を出発、その苦難の道のりの中で人生の新しい価値を見
いだして行くのです。                 (原島 一男)

『幸せの1ページ』配給:角川映画 
         9月6日(土)丸の内ピカデリー2ほか全国ロードショー

映画「幸せの1ページ」

2008年07月22日

「名画から選んだ美しい英語」(22)

  〜トーストにバターを〜

 映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
 ラスベガスに近いリゾートホテルのジャンケット(映画完成試写会)で繰り
広げられるラブ・コメディ。人気スターのエディ(ジョン・キューザック)と
キキ(ジュリア・ロバーツ)は、思わぬ成り行きから急接近してしまいます。
その翌朝。
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  EDDIE: Want some toast?
  KIKI:  You buttered my toast. No one's ever done that before.
      I don't eat toast with butter…I don't eat toast.
    I'll stop talking now and make an exception.

     「トーストは?」
     「私のトーストにバターをつけてくれるなんて。誰もそんなこと
      してくれなかったわ。私、バターつきのトーストは食べないの。
      トーストは食べないけど、今は何も言わないで例外にするわ」

     ――「アメリカン・スウィートハート」
       (America's Sweethearts 2001年)
       監督:ジョー・ロス
        脚本:ビリー・クリスタル&ピーター・トラン
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 初めて親しくなった二人の息づかいが聞こえてくるような会話。トーストは
食べないけど、バターまでつけてくれたから、食べる、とジュリア・ロバーツ
は喜んでいます。
“No one's (has) ever done that before.” (これまで誰もそんなことし
てくれなかった)と言っているのは、経験を話しているので現在完了を使い、
“ever”をつけて強調しています。 “I don't eat toast.” (トーストは食
べない)と現在形を使っているのは、習慣を表しているからで、そのあとの、
“I'll stop talking now and make an exception.”(今は何も言わないで例
外にする)は、“そんなことをごちゃごちゃ言わないで、トーストを食べる”
という意味です。                     (原島 一男)

映画「アメリカン・スウィートハート」

2008年06月23日

「名画から選んだ美しい英語」(21)

  〜思い出を香水のビンに〜

 映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
 内気で世間知らずの若いアメリカ娘(ジョーン・フォンテーン)は、イギリ
スの貴族の大富豪(ローレンス・オリヴィエ)に出逢い、こう言います。
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  MARIAN: I wish there could be an invention that bottled up the
      memory like perfume.

     「思い出を香水のビンに詰めておけるような発明があるといいわ」

             ――「レベッカ」(Rebecca 1940年)
  監督:アルフレッド・ヒッチコック
  脚本:ロバート・シャーウッド
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 モンテカルロを旅するジョーン・フォンテーンはローレンス・オリヴィエか
らドライブに誘われ、それまで味わったことのない豊かでぜいたくなひととき
を味わいますが、そこで、彼女はその楽しい思い出の瞬間を香水のようにビン
につめておきたいと願います。これは、願望を表わすフレーズである“I wish
I could 〜 ” (〜することができたらいい)を、“ I wish there could be
an invention 〜 ”と言い換えているわけです。 (原島 一男)

映画「レベッカ」

2008年05月26日

「名画から選んだ美しい英語」(20)

  〜危なっかしい甘やかされた女性〜

 映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
往年の宝石泥棒ジョン・ロビー(ケーリー・グラント)は石油成金の一人娘フ
ランシー・スティーヴンス(グレース・ケリー)に出会いますが、彼女の言動
を見て、こんな感想をもらします。
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  JOHN: You're an insecure, pampered woman accustomed to attracting
      men. But you're not quite sure whether they're attracted to
      you or to your money. You may never know.

      「あなたは男性を惹きつけることに慣れた危なっかしい甘やかさ
       れた女性だ。でも、男たちが、きみに惹かれているのか、きみ
       の財産に惹かれているのか、分かっていない。これからも分か
       らないだろうな」

       ――「泥棒成金」(To Catch a Thief 1955年)
            監督:アルフレッド・ヒッチコック
            脚本:ジョン・マイケル・ヘイズ
――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
 “pamper”(甘やかす)は、 “spoil”より形式ばった単語です。ここで、
“whether 〜 or” (〜かどうか)の使い方が学べます。この言葉は話し手が相
手に惹かれていることを暗に示しています。「回りに居る男たちは、あなた自
身というよりあなたの財産に惹かれているだけだ。ぼくは違う」と告白してい
るようなものです。                   (原島 一男)

★原島一男の『美しい英語』を新設/本のプレゼントあり!!
 http://www.intecjapan.com/hara/2008/05/post.html

映画「泥棒成金」

2008年05月15日

動画による連載のご紹介

●『名画から選んだ美しい英語』のご紹介

●著書『オードリーのように英語を話したい』のご紹介

2008年04月14日

「名画から選んだ美しい英語」(19)

  〜良い人で良い態度なら〜

 映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
スペイン生まれのソフィア(ペネロペ・クルス)は、ニューヨークへ来て、こ
の街に住むデヴィッド(トム・クルーズ)に、こう言います。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
  SOFIA: Everyone said,‘Don't go to New York,' but I just think
      good things will happen if you are a good person with a
      good attitude, don't you think?

      「誰もが『ニューヨークへ行くな』って言ったわ。でも、誰でも
       が良い人で良い態度なら、良いことが起こる、と思ったの。そ
       うじゃない」

     ――「バニラ・スカイ」(Vanilla Sky 2001年)
        監督/脚本:キャメロン・クロウ
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 これは、“人はどこに居ても良い態度で人に接すれば良いことが起る”とソ
フィアのナイーブな考え方を示しています。なお、彼女のスペインなまりのア
クセントが彼女をより魅力的にしています。        (原島 一男)

映画「バニラスカイ」

2008年03月17日

「名画から選んだ美しい英語」(18)

  〜特別な思い出〜

 映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
ヨット遊びに興じるサブリナ(オードリー・ヘプバーン)とライナス(ハンフ
リー・ボガート)。ボガートがある曲について寂しい思い出があると話し、ヘ
プバーンが応じます。
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  SABRINA: Certain songs bring back certain memories to me, too.

       「私も、歌によっては何か特別な思い出があるわ」

      ――「麗しのサブリナ」(Sabrina 1954年)
          監督:ビリー・ワイルダー
          脚本:サミュエル・テイラー/アーネスト・レーマン/
             ビリー・ワイルダー
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ここで注目すべきは “certain”(ある種の/確信している/例の)の使い
方。この単語を “songs”と“memories”につけています。またフランソワー
ズ・サガンの小説で映画にもなった「ある微笑」(A Certain Smile 1958
年)を思い出させます。
 なお、構文が現在形になっているのは「人は誰でもそんな風に感じる」とい
う一般論を語っているからです。             (原島 一男)

映画「麗しのサブリナ」

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